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ノキアが提案する、ローカル5GとPOLを組み合わせた低コスト化【3】

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保守性、省電力性、将来対応に優れたPOL

 こうしたプライベートネットワークをコスト効率よく実現できるのが、冒頭で触れたローカル5GとPOLを組み合わせたネットワークだ。ここからはPOLの概要と特長を詳しく見ていきたい。

保守性と省電力性に優れたネットワーク構成

従来のLANとPOL(Optical LAN)の構成を比較したイメージ。

POLを構成する各要素の概要。他の有線LAN方式と比較して特徴的なのが、パッシブな光スプリッター自体に消費電力が無い点だ。この点も含め、コスト効率、グリーン、省スペースなソリューションを実現している。

 スイッチを多段接続する必要のないPOLは、機械的な故障が少なく、保守性と省電力性にも優れている。メンテナンスやアップグレード、設定作業はOLTのみ。また、ONTは、OLTを介して一元管理できる。配線のファイバも長寿命であり、外部ノイズや温度の耐性が高く、メンテナンスフリーと言って良いだろう。ノキアソリューションズ&ネットワークスのエンタープライズ営業本部 ソリューション統括部長である植松 高史氏は「スイッチの多段接続が無くなったことで特にご注目いただいているメリットは、ネットワークインテグレータの知識が必要になるような複雑なルーティングが無くなった点だ。そこで我々が感じているのは、ネットワーク構築もクラウドと同様に、様々な商材を選べるとは言えシンプルにする必要があるということだ。POLの良い所は、あまりプロフェッショナルではなくても、ユーザの望むことをポート単位で設定できる点であり、これによりコストを抑えた設計ができてしまうことに驚かれる方は多い」と話している。

 省電力性の面では、ネットワーク構成に必要な機器が減ることに伴って、機器自体の消費電力が減るだけでなく、発熱対策の空調設備の電力も不要となる。また、ノキアが開発した低電力PONチップセットQuillionを採用していることもあり、従来のイーサネットソリューションと比較して消費電力を40%削減しているという。

SMファイバによる、配線の省スペース化

ファイバケーブルであれば、伝送帯域を増やす際に伝送機器を交換するだけで良いのでケーブルの交換は不要だ。また、PON技術をベースとしているPOLはSMファイバを利用できるので、MMファイバや銅線ケーブルと比較して配線が省スペースとなる。

 既設の建物内におけるネットワーク配線で課題となる配線スペースの確保の難しさも、POLで使用するSMファイバであれば容易になる。
 植松氏は「構内LANソリューションの構築でよくある話として、フロア内の配線をしていこうとすると、壁も天井裏も床下も通線が難しいという課題に直面する。そこで、省スペースで済むSMファイバであれば、貫通孔での通線がし易いという大きなメリットがある。また、新設される建物においても、貫通孔は電力など通信以外の通線も必要となるので、やはり限られたスペースを有効活用できるSMファイバを使った方が良い」と話す。
 SMファイバのソリューションに必要な部材は、屋外配線のPON市場で既に成熟しているので、コストパフォーマンスにも優れている。

投資の保護を保証する、将来の拡張性

POLは、異なる帯域を共存した運用も可能だ。

 ノキアのPON技術をベースとしたPOLは、同じファイバ、スプリッター、OLTで2.5G、10G、25Gを共存した運用が可能だ。また、アップグレード時にOLTのシャーシを入れ替える作業が不要な共存技術となっているので、ユーザはビジネスの展開に合わせた将来拡張が容易に行える。
 植松氏は「銅線ケーブルの場合、CAT5eは10Gbpsに対応できないので、帯域のアップグレード時にはCAT6等に配線をし直す必要がある。無線側の帯域が上がっていく中で、有線側も将来的に帯域が上がっていく可能性を考えているお客様には、ファイバケーブルに切りかえていただくことで、省スペース化に加え、将来の帯域需要に対して配線をし直すことが無いというコスト節約のメリットもご提案している」と話す。

様々な分野で導入されているPOLは、世界で500以上の事例がある。ベル研究所を持つノキアはR&D投資の比率が高く、その高い技術力により、北米の光アクセス市場では7割のシェアを獲得している。ノキアのPON技術の発展が反映されるPOLは、将来にわたり期待できるLAN方式と言えるだろう。

レポート目次

1:ITではないエリアに対するIoTプロジェクトが増加

2:プライベートワイヤレスにより、様々な産業で業務を効率化

3:保守性、省電力性、将来対応に優れたPOL

4:ローカル5Gの課題を解決する、POLとの組み合わせ

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