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日本におけるシスコのCDA支援【3:シスコとデジタル化に対する平井大臣のメッセージ】

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5Gを使った日本のDX

 シスコは、5Gを使った日本のDXにも取り組んでいる。例えば、総務省によるローカル5G実証事業では、NTT東日本と連携して、新潟県によるリモート環境での新しい働き方の実証を進めている。
 実証では、システム構築にシスコのモバイルコア製品を活用することで、5Gに最適化したハイパフォーマンスなシステムを実現するという。鈴木氏は「ローカル5Gの新しい仕組みを使い、高精細カメラを用いた遠隔会議室や、3Dのバーチャルリアリティにより遠隔で共同で作業を進めるといったような、非常に先進的な取り組みを実施している。ローカル5Gの特性を活かした新しいハイパフォーマンスなシステムの実現を、こうしたプロジェクトを通じて実現していきたい。今後もNTT東日本様との連携によって、今まで以上にローカル5Gの普及を加速していく」と話している。

シスコが描く、日本の持続的な成長のための新しい「デジタル」社会インフラストラクチャ。

 鈴木氏は「今後、ニューノーマルの中で日本が持続的に成長していくためには、デジタルの技術が実装された新しい社会インフラストラクチャが必要だと考えている。道路、橋、建物といった、日本が従来から持つ優れたハードウェアを継いでいくにあたり、新しいインフラストラクチャは、そこにデジタルの技術を組み入れたものでなくてはならない。私どもが持つデジタル技術を日本のパートナー企業様と協力しながら提供し、新しい日本のデジタル社会の構築に貢献していきたい」と話している。

平井大臣のビデオメッセージ

 説明会では、デジタル改革担当大臣である平井卓也氏のビデオメッセージも紹介された。Cisco Webexはデジタル庁やキャビネットオフィスの会議ツールとして公式に採用されており、平井大臣は「我々の間でも非常に有効に使えるものであることを確信している」と評価している。
 平井大臣のメッセージのサマリーは次の通り。

  • シスコが推進しているIT人材教育、ネットワークのセキュリティ、産業、行政、教育などの支援プロジェクトについて「その方向性は、まさにデジタル庁が目指すものだ。GIGAスクールへの支援、ローカル5Gの推進、遠隔医療、その他、これから日本のアフターコロナの社会を考えたときに、シスコシステムズさんの存在というのは非常に大きいものだ」と期待を寄せている。
  • 9月1日にデジタル庁がスタートするということを踏まえ「まだまだアフターコロナという状況ではない。新型コロナの感染拡大によって、我々が次に目指すべき社会の姿が色々と見えてきたと思う。パンデミックというのは、SARS、MERSを含めて考えると20年に2,3回は発生する。それに対する社会をデジタルの力でどのように創っていくのか、そして人が移動できなくなったとしても経済成長できるような社会モデル、経済モデルはどういうものか、それをこれから模索していかなくてはならない」との考えを示している。
  • 日本のデジタル化の実情について「各国と比較して、トータルでデジタル社会がその進展しているかというと、エンド・ツー・エンドで大きな価値を生むようなDXが進んでいないということを認めなければならない」と警鐘を鳴らし、「だが、そのリソースは有るので、我々がマインドセットを変えて一気に進めることができれば、デジタル庁はDXの司令塔になりえる。経済成長の推進役になれると思っている」と述べている。

 平井大臣はメッセージの最後に「各国の様々なITベンダやIT人材、そして多くの皆さんと意見交換をしながら、日本なりのデジタル化をどう進めていくかが我々にとって大きなテーマだ。国や地方のシステムの最適化ということで、アーキテクチャを見直して変化に強い効率的なものに変えていくことは当然やっていく。だが、それよりも、デジタルテクノロジーによって国民の生活が大きく変わり、どこに住んでいようとも様々な選択肢が増えて、皆さんが求めるものを追求しやすい社会を作っていくことの方が重要だと考えている。そういう意味で、デジタル庁はこれから社会全体のデジタル化の旗振り役をしていくので、非常に責任が大きい。そして、出遅れていることをアドバンテージにして、そのアドバンテージを最大化するために様々な問題を進めていく」としており、「今回、一番大きく見直さなくてはいけないのは、DXの中核と私が考えているものはサプライヤサイドに立っているものが多く、国民の皆さんから見ると非常に不親切なものが多い点だ。そこで、IT基本法からデジタル社会形成基本法に変える。我々がそこで一番に謳っているのは、高齢者も障碍者も含め全ての国民がデジタルの恩恵をきちんと享受できることだ。そうなると当然、デザインも変わってくると思う。そして、シスコシステムズさんが得意とするネットワークのセキュリティも、サービス・バイ・デザイン、セキュリティ・バイ・デザインというのが、デジタル庁の基本的な方針だ。そういう意味で、シスコシステムズさんはグローバルに様々なデジタル化を支援した実績が有るので、我々にご協力いただければと思う。今後とも皆さんと一緒に頑張っていこうと思うので、皆さんとの情報共有と、プロジェクトごとのコラボレーションを、心から期待申し上げる」と語った。

レポート目次

1:パンデミックからの包摂的な回復を支援
2:重要インフラ、教育、医療、スポーツでの事例
3:シスコとデジタル化に対する平井大臣のメッセージ