日本におけるシスコのCDA支援【2:重要インフラ、教育、医療、スポーツでの事例】
SpecialReport 有料期間限定無料公開中
シスコシステムズ 代表執行役員 会長の鈴木和洋氏は日本におけるCDAについて「内閣の政策を支援する形で、ニューノーマル下におけるデジタル化の加速、新しい産業の創出といった面で貢献する。日本の持続的な経済成長と安心安全な社会、その両立に貢献したい」と話し、4つのプロジェクト事例を示した。
日本の重要インフラネットワークの発展
シスコは日本の公共インフラに対する支援のため、アラクサラ、NECとの協業を1月29日に発表している。
参考記事:アラクサラ、シスコ、NECが語る戦略的協業の狙い
これは、シスコが世界で展開している、製品ラインアップをアラクサラに提供し、アラクサラが日本独自の要望事項、特にセキュリティに関する要求事項を実装し、最終的にはNECがトータルでインテグレーションして提供する枠組みとなる。鈴木氏は「三社の強みを活かした、安心安全、セキュアなネットワークを、日本の重要インフラに提供するというイニシアチブだ」と話している。
教育機関へのデジタル化を支援
日本の教育機関へのデジタル化支援では、GIGAスクール構想の通信インフラを支援しており、次の三つのソリューションが数多くの学校、教育機関に提供させている。
- 生徒一人が一台の端末を持つ時代の安定した安全・安心な無線ネットワークシステムの構築
- 遠隔授業をサポートするコミュニケーションツールCisco Webex
- 教育の現場から出てくる非常に重要な個人情報を含めた機密情報を守る堅牢なセキュリティ
シスコは教育分野において、機器やサービスの提供に加えて、「ネットワークアカデミー」というeラーニングのプログラムも提供している。鈴木氏は「ネットワークやサイバーセキュリティ、IoTといったカリキュラムを用意しており、1997年から世界180カ国で、のべ1,000万人にご提供している。ここ日本においても、教育機関のご協力を得ながら、すでに7万人を超える方に受講いただいている。機器やサービスにホスト面も併せてご提供しながら、日本のデジタル人材育成に積極的に貢献していきたい」と話している。
医療機関へのデジタル化支援
医療の現場では、デジタル化に向けて規制改革も含めて様々な取り組みがされている。鈴木氏は「医療の現場では人と触れ合うことによって様々な医療サービスが提供されるので、人との接触が制限をされてしまっている新型コロナ下において、非常に多くの困難を抱えている。我々はそういったところへのご支援を継続している」と話し、次の実例を挙げた。
愛媛県の病院:仮設外来の患者にタブレットを渡し、医者の専用ビデオ端末と接続して遠隔で問診
赤十字病院:県外の医療従事者と Cisco Webexでコミュニケーションを取りながら治療にあたる
国立がん研究センター:医療スタッフにテレワークの要請が出た際に、シスコのテクノロジーを使って自宅のPCやタブレットをセキュアな形で接続し、医療業務を継続
鈴木氏は「医療機関へのデジタル化ご支援は、これに留まらず様々な形で今後も展開をしていきたい。例えば、入院をされている患者さんとはマスク越し、あるいはビニールシート越しのコミュニケーションとなるが、タブレッドを患者さんにお渡しすることによって、マスクを取った形で顔を見ながら様々な定期ケアができるという取り組みも進んでいる」と話している。
スポーツの新しい観戦体験の実証
シスコはデジタル・スポーツへの取り組みにも積極的だ。スポーツ業界は新型コロナの影響で深刻な打撃を受けており、観客の入場人数の制限、更にはスタジアムや球場上に足を運ぶことすらできない無観客試合の形で数多くのスポーツイベントが開催されている。
こうした中、 Cisco Webexのようなコミュニケーションツールでのリモート観戦ならば、デジタルサービスを組み込んだ新しい観戦体験を提供できる。鈴木氏は「試合が終わった後の選手とワンツーワンでコミュニケーションが取れるといったような、新たなファンエンゲージメントの実証実験も大きな効果を上げている。制限が続く中で、たとえ球場に足が運べなくてもスポーツ観戦が楽しめる、あるいは従来とは違った形でファンと繋がることができるといった新しいスポーツ観戦のモデルを、更に展開していきたい」と話している。
レポート目次
1:パンデミックからの包摂的な回復を支援
2:重要インフラ、教育、医療、スポーツでの事例
3:シスコとデジタル化に対する平井大臣のメッセージ