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アラクサラ、シスコ、NECが語る戦略的協業の狙い【1:協業の概要】

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 アラクサラ、シスコ、NECは1月29日、日本の重要インフラ向けネットワークの高い信頼性を実現するために協業したことを発表した。

 本レポートでは、記者説明会で各社のキーマンが語った協業の狙いをまとめた。

協業の背景と概要

 IoTの急速な普及・進展により、データサイエンスの適用はコンシューマ、産業、医療、自動車と広がりを見せており、今後も各分野での接続端末数は増加する。総務省の「令和2年版情報通信白書」によると、現在の接続デバイスの数は253億個であり、三年後には348億個になると見られている。
 IoTにより世の中が便利になることに比例して、サイバー攻撃対策の必要性は高まる。これまでも、重要インフラにおいてオペレーションテクノロジー(OT)を狙ったサイバー攻撃は複数報告されている。

重要インフラのOTにおけるサイバー攻撃被害の一例。石油施設の爆発や原子炉の制御不能など、深刻な事態に陥る。

NISCにおける重要インフラの情報セキュリティの方向性。

 こうした流れの中、日本ではNISC(内閣サイバーセキュリティセンター)が、国民生活と社会経済活動を支える重要インフラ14分野の情報セキュリティ対策を推進。重要インフラ事業者等の経営層に求める取り組みとして、サプライヤと連携したセキュリティ対策が重視されている。
 アラクサラ、シスコ、NECは「3社での戦略的協業により、重要インフラ向けネットワーク機器の高い信頼性を実現していく。1社では実現できないことを、エコシステムで情報システムを保証していき、サプライチェーンまで含めた情報セキュリティ対策を実現する」との考えを示している。
 3社による戦略的協業の概要は次の通り。

  • グローバルで実績のあるシスコ製品を、日本基準の高い信頼性を確保したアラクサラのソリューションとしてブランド化し、日本の重要インフラ企業に提供する枠組みを形成。(Cisco NCSシリーズの一部機種から順次取り扱いを開始予定)
  • アラクサラは日本国内でシスコ製ネットワーク機器の真正性を確認し、 アラクサラ製ソフトウェアを組み合わせ、セキュアなソリューションとして販売。
  • NECは、セキュリティ技術や保有するセキュア検査等のアセットをアラクサラへ提供。また、アラクサラのソリューションとNEC製品を組み合わせる等、重要インフラ産業に高い信頼性を確保したネットワークシステムを提供する。

協業スキームの概要。

レポート目次

1:協業の概要

各社の取り組みと狙い
2:協業におけるNECの役割と、サイバーセキュリティに対する考え
3:シスコの主力製品で日本のソサイエティ5.0実現に貢献
4:協業に基づくアラクサラのネットワーク事業戦略