施工現場、保守における光ファイバ端面検査の重要性(2)
期間限定無料公開 有料ピーエスアイ
ピーエスアイが日本で提案しているVIAVI Solutions(旧社名JDSU)社の端面検査装置は、日本の大手通信事業者も含め、世界の通信事業者や放送事業者に数多く採用されている。メーカーの製造ライン用途でも数多く使われており、信頼性は高い。ピーエスアイ ネットワーク・ソリューション営業部の南塚慶一氏は「接続現場のトラブルを未然に防ぐことは重要なので、海外メーカーの製品を輸入販売している商社もユーザに迷惑をかけないよう端面検査を行なっている」と話す。
VIAVI Solutions社は業界に先駆けてIEC規格の自動判定機能やオートセンタリング・フォーカス機能を実装するなど、端面検査作業の簡易化や迅速化を牽引してきた。南塚氏は「ここ数年で端面検査に対する意識は高まっている。以前はあまり関心の無かったお客様も、実際にトラブルを経験して端面検査装置の利便性を感じ、ご導入頂いている。高い信頼性を求められるネットワークに携わるお客様が、遠方から弊社にご相談にいらっしゃることもある」と話している。
Tipを交換することで単芯から多芯まで様々な光コネクタに対応
VIAVI Solutions社製品の特長として、プローブ先端の検査Tipを交換することで様々な光コネクタに対応できる点も挙げられる。各種光コネクタへの対応はもちろん、映像伝送で使われる斜め研磨用のTipや、狭い空間でも対応できるロングリーチTipやアングルTipなど、様々なシーンに対応できるよう、ラインナップを取り揃えている。南塚氏は「実際に施工現場を拝見したところ、以前使っていたTipを別の種類の光コネクタにも使おうとなさる方がいらっしゃったが、検査に適したTipの形はコネクタの種類によって違う。Tipの交換という僅かな手間とコストで品質を保持できるので、現場で施工している方々、そしてスケジュールやコストを管理している方々に重要性をご提案している」と説明している。
日本でも採用の増えている多芯光コネクタに関しては、同社の特許であるパニング・ノブを持つRibbonDrive™ Tipが有効だ。パニング・ノブはX軸とY軸をパニング操作することで視野範囲を調整する。これにより光ファイバの上下列への移動と水平配列の確認が簡単にできるので、複数の芯を効率良く検査できる。伝送容量が大きく、施工期間も短縮できる多芯光コネクタだが、芯の1つでも汚れていればトラブルの原因となってしまうので、RibbonDrive™ Tipによる迅速な検査が役立つ。
片手で操作できるトリガータイプの端面検査装置を新たにリリース
テレコム、映像、データセンタと様々な分野でのトラフィック増加が進む中、便利で扱いやすい端面検査装置として今夏にリリースされたのが、手に馴染みやすいトリガータイプの「FiberChekプローブ™ マイクロスコープ」だ。
片手操作で済む作業性の良さ
端面のライブ画像や解析結果が表示されるタッチスクリーン・ディスプレイが備わっているので、この小型の製品単体で検査を行うことができる。トリガを引くとオートセンタリング・フォーカスが実行され、その後にディスプレイの下にあるボタンを押すだけでテストが終了する。片手の操作で済む作業性の良さは施工現場で大きなメリットだ。南塚氏は「従来の検査Tipに対応しているので、幅広いシーンに対応できる」と話す。
IEC規格や顧客特有の要件など検査基準のナビゲート機能も備わっている。検査結果を直接保存することや、保存結果を読み出すことも可能だ。
高所の検査にも対応
Bluetooth、Wi-Fi、USBでスマートフォンやPCと接続して使うことができ、端面検査の判定レポート作成や、自動保存している低倍率と高倍率の静止画データを同時に表示することが可能だ。南塚氏は「ラックの高い位置での配線などを検査する場合はこの装置のモニタを見ることができないので、スマートフォン等に繋げて各種の操作ができるようになっている。判定レポートも即座に生成して表示することができ、お客様からレポート作成の手順が思ったより簡単だというお声を頂いている」と話している。