施工現場、保守における光ファイバ端面検査の重要性(1)
期間限定無料公開 有料 高度な光コネクタ設計と生産技術により、ネットワーク施工の現場では信頼性の高いコネクタ接続が行われるようになった。残った問題はコネクタ端面の汚れだ。
光コネクタ端面に付着したほこり、皮脂、繊維屑などは、肉眼では見えない小さいものでも光信号の反射損失と挿入損失の原因となり、通信を不安定にする。光のパワーが大きければ、端面の焼損や機器の損害に至ることもある。施工時に問題のなかった汚れが運用中の挿抜時に移動して障害の原因になるケースもある。
従来の接続現場、保守運用では作業効率やコストとの兼ね合いから割愛されることもあった端面検査だが、端面汚れの悪影響は伝送容量の大きさに比例することから、通信トラヒックが増大している現在、接続の際に端面を検査し、信頼性の高いネットワークをコストパフォーマンス良く構築する意識が高まっている。「施工期間中にトラブルが発生したので端面検査装置を購入したが、見積もりや関係部署の承認などで工期が伸びてしまった」という声も有るので、事前に備えておくことでリスクを避けることができる。また、「筐体の奥に光コネクタを組み込んだ伝送装置を設計したところ、端面検査装置が届かなくて検査ができなかった」という例も有るので、設計する際には配慮が必要だ。
今回の特集では、通信や放送業界で端面検査装置を長年提供してきたピーエスアイ、そして日本でLANテスタを数多く販売してきたTFFフルーク(以下、フルーク・ネットワークス)から、施工現場における端面検査の重要性や、リリースされたばかりの新製品についてについて話を聞いた。
施工現場における端面検査のメリット
ネットワークの構成は光コネクタ接続が正しく行われていることを前提に設計されている。ネットワークに不具合が起きた場合、どの機器や配線の問題なのか原因を切り分け、製品を交換することになる。しかし、返品された製品を調べたメーカーがコネクタ端面の汚れに気付くというケースが増えているという。この場合、もしも施工現場の端面検査で汚れに気付いていれば、製品を交換する手間と時間を省くことができた。
光ファイバ・ネットワークにおける障害原因のNo.1 は端面汚れと言われており、それは端面検査装置でチェックすることで簡単に見つけることができる。品質の高い光コネクタ接続を意識する企業も増えており、そのネットワークに求められる信頼性に応じてIEC規格のグレードに準拠した端面検査に取り組んでいる。上位クラスの端面検査装置にはIEC規格の自動判定機能が備わっているので、スキルがない担当者でも装置を端面に挿すだけで判定を済ますことができる。
目次
- Tipを交換することで単芯から多芯まで様々な光コネクタに対応
- 片手で操作できるトリガータイプの端面検査装置を新たにリリース
- 運用中の配線が端面汚れで突然の不具合
- 業界初のフラッシュライトを備えながら従来製品の約1/2 の価格を実現した光ファイバ端面検査スコープの新製品