全ての通信Layerを支える物理層やL2伝送装置のトレンド~Interop Tokyo2016 Preview~(2)
期間限定無料公開 有料アンリツ
ブースでは「IoTの発展を支えるアンリツトランスポートテストソリューション」をテーマに、100Gオールインワンテスタ「ネットワークマスタ フレックス MT1100A」と10Gオールインワンテスタ「ネットワークマスタ プロ MT1000A」の新機能をメインに展示する。誌面では新機能をピックアップしてご紹介する。
100Gオールインワンテスタ「ネットワークマスタ フレックス MT1100A」
「ネットワークマスタ フレックスMT1100A」は100Gbpsを4ポート搭載可能なオールインワントランスポートテスタ。40/100Gbpsコア・メトロネットワークの装置検証、開通・保守に1台で対応できる。400Gのクライアントで100Gの4ポートを同時に測定できる点や、ユーザがポート単位で独立、同時測定できる点が、市場で高い評価を得ている。リモート制御機能により遠隔から現場作業者をサポートすることもできる。
CFP4、QSFP28用のアダプタを追加
CFP2のIFに接続可能なCFP4アダプタやQSFP28アダプタが追加され、1枚の測定モジュールで様々な100G光モジュールを実装できるようになった。
これにより、評価対象装置と同じ光モジュールを使用した対向試験や、光モジュールの単体切り分け評価が可能だ。新しく採用する光モジュールの特性を評価することで、障害の起こりにくいネットワークが構築できる。
10Gオールインワンテスタ「ネットワークマスタ プロ MT1000A」
「ネットワークマスタ プロ MT1000A」は、1.5 Mbpsから10 GbpsのOTN、イーサネット、SDH/SONET、PDH/DSn、ファイバチャネル、CPRI/OBSAIなどの様々な通信ネットワークの開通・保守に必要となる機能、性能を備えているオールインワントランスポートテスタ。
それぞれの規格に対して2ポート同時測定が可能となっており、開通時の測定だけでなく、ネットワーク障害発生時、上り回線、下り回線の同時モニタなどトラブルシュートにも使用でき、開通から保守まで幅広く使用できる。
OTDRモジュールを追加
昨年12月に追加されたOTDRモジュール「MU100020A」「MU100021A」は、OTDR、光源、光パワーメータを標準搭載。更にはオプションで可視光源機能、光ファイバスコープ機能を搭載することも可能だ。
10Gマルチレートモジュールと同時に搭載することで、光ファイバの故障探索と伝送品質試験を1台でサポートできる。タッチスクリーンで簡単に操作ができ、Fiber Visualizer機能により、ビジュアル的にイベント点をサーチできる。この機能を使用すると、測定結果からイベント点がコネクタなのか融着なのか自動で判断し、それぞれのアイコンを置いて障害点をわかりやすく表示させることができる。もちろん従来のように、波形上で、障害点を自動検出する機能にも対応している。操作性の良さや扱い易さは業界で高い評価を得ているので、ブースで確認してみると良いだろう。
このOTDRモジュールはFTTAの測定にも最適に対応できる。モバイルフロントホールのFTTAでは数百メートル程度のファイバが殆どだ。こうした短い区間の場合、作業者により異なる条件で測定すると、後のデータ処理に不都合を及ぼすケースが多い。そこでこのモジュールでは、光ファイバの敷設環境に特化した測定条件をあらかじめ固定し、常に同じ条件で測定できるように配慮している。
フィールドでの高精度なPTP評価
高精度GPS同期発振器も新たにリリースされており、フィールドでの高精度なPTP(IEEE 1588v2)評価を優れたコストパフォーマンスで実現している。これはルビジウム発振器を備えたGPSのレシーバモジュールで、次の測定ができる。
- 基準1pps信号に対して、T-BCなどからの1pps信号のTime Error(TE)を測定することができる。
- 「ネットワークマスタ プロ MT1000A」がスレーブを模擬し、「ネットワークマスタ プロ MT1000A」に接続されたGPSからの時刻を基準にし、PTPパケットのタイムスタンプと比較して、片方向遅延(One Way Delay)を測定し、Packet Time Errorを測定することができる。
また、MT1000Aは2ポート独立にIEEE1588v2のマスタ、スレーブをエミュレーションし、また同期イーサネット評価を行うことができるので、フィールドでの測定だけでなく、GMC、T-BCの機能を持った装置開発評価にも使用できる。
複数の測定を1ボタンで自動化する機能を両テスタに追加
アンリツは5月、100Gオールインワンテスタ「ネットワークマスタ フレックス MT1100A」と10Gオールインワンテスタ「ネットワークマスタ プロ MT1000A」の双方に自動試験機能を追加。また、自動試験の測定シーケンスをシナリオとして編集できるツール「シナリオ編集環境キット MX100003A」の提供を開始している。
これは管理者が測定項目やパラメータをシナリオファイルとして登録しておくことにより現場での作業を自動化できるというもので、現場の作業者は複数の測定を1ボタンで実行できるようになる便利な機能だ。測定現場での設定ミスや操作ミスといったリスクを防ぎ、慣れていない作業者でも適切な測定が可能になる。選択ダイアログ、メッセージダイアログ、合否判定やレポート作成もシナリオに組み込むことができるという。複数のシナリオファイルを登録できるので、試験手順の異なる複数のネットワークにも1台で対応が可能だ。
「シナリオ編集環境キット MX100003A」はアンリツWebからライセンスフリーでダウンロードできる。