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「COMNEXT」2024出展製品Preview【センコーアドバンス】

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プラガブルからオンボードまでVSFF時代へ向けたコネクタ製品群

 先のOFCでは、システム内の消費電力及びレイテンシ削減を見込んだLPO(Linear Drive Pluggable Optics)関連の展示が多く、On BoardベースのCPO(Co-Packaged Optics)時代の到来が若干先延べとなりそうな印象だった。センコーアドバンス(SENKO)ブースでは、従来の「VSFF(Very Small Form Factor)」メインのプラガブル製品ラインナップとCPO時代に向けた「MPC(メタリックPIC)コネクタ」を中心に紹介する。生成AIブームによるHSDC建設ラッシュの中で、SENKOの特徴あるハイエンド製品群はどのような通信システムにおいてもデファクトスタンダードの地位を確保できそうだ。

MPC(メタリックPIC)コネクタ

800Gトランシーバ向けEZ-WAYシリーズ

 当面の光接続においては「1.6Tまではプラガブル接続になるだろう」という見方が主流で、今後一層の高密度を実現するVSFFを各社が競うように開発していた。SENKOは疑いなくそのトップランナーの一角であり、既にCS/SNコネクタやSN-MTコネクタといったVSFFは市場に供給してきた。今年の5月にも、SENKOはブロードバンドタワー社のデータセンタにおいて400GbEの活用検証を行っている。SNインタフェースのQSFP-DD 400G DR4を使用すれば、400Gから100GへのブレイクアウトもSN-LCコード4本のみで可能となり、MPO-LCカセットやFOコードも不要となる。
 今回の同社ブースでは、前述の製品に加えて従来のLC/MPOコネクタを活用した「EZ-WAYシリーズ」が紹介される。「LC-EZ-WAY/MPO-EZ-WAY」はブーツを持って挿抜するタイプのLC/MPOコネクタで、800G Dual LC/MPOタイプのトランシーバ向けや高密度パッチパネル用途で開発された新製品(QSFP-DD対応)で、先のOFCでも好評を博している。
 SN-MTコネクタは、SENKOが開発した小型MTフェルール組み込みタイプのSNコネクタ。MTフェルールを組み込んだ従来の16心MPOコネクタは、ピッチが250㎛で接続部寸法も6.4mm幅だが、SN-MTは200㎛ピッチの5.2mm幅と一層の高密度設計(16心MPOの2.7倍)となっている。同社は、SN-MTコネクタを組み込んだ光モジュール(OSFP-XD)で1.6Tのデータレートを達成しており、今後3.2TbpsのOSFP-XDが実現すれば、1RUフォームファクタで102.4Tスイッチへの対応も可能となる。

MPCを用いた量子光集積回路

 SENKOはCPO時代に向けても準備万端だ。一昨年にCudoForm(旧ナノプレシジョン)を買収しており、同社の超精密な金属スタンピング加工技術を用いて、集光用の非球面ミラーとファイバアライメント用のV溝をナノレベルの精度でプレスすることが可能だ。この技術を確立している企業は光通信業界において皆無であり、CPOにおいて要求される高精度な加工技術という点でSENKOの大きなアドバンテージとなっている。ブースでは、MPCコネクタを用いた「量子光集積回路(QPICs: Quantum photonic integrated circuits)」として紹介予定。ファイバは8/16/20心など様々な仕様で顧客の要望に合わせてカスタマイズ可能。欧州ではラボやメーカーと連繋してデモ機を作成するなど、引き合いや共同開発依頼等も含めて市場での注目度は高まっているようだ。
 他にも、屋外通信基地局向けに防水防塵コネクタ「IPシリーズ」も紹介する。「IP-PLUS」はIP-9が直径18㎜、IP-16が32㎜と超小型仕様。内部構造は顧客ニーズに合わせて自由に設計可能で、光と電気を組み合わせた「IP-ONE」シリーズもラインナップされている。同社のコネクタは、「IPシリーズ」に限らず超小型の高密度仕様に伴う材料の節減という観点で「サステナビリティ」を実現し、地球環境の維持に寄与している。

出展製品特集目次

●NTT-AT

●キーサイト・テクノロジー

●精工技研

●センコーアドバンス

●ローゼンダールネクストロム

●ハイテック

●ミハル通信

●横河計測

COMNEXT2024特集

■主催者インタビュー

■光通信技術セミナー企画委員インタビュー