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「COMNEXT」2024出展製品Preview【精工技研】

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生成AI時代のDCを支える接続技術や、光コネクタの自動研磨装置、A-RoF

MPOファンアウトコードの様々なカスタマイズ

 MPO需要が高まる中、ケーブルアセンブリを得意とする精工技研が国内データセンタ向けに注力しているのは、MPOファンアウトコードの様々なカスタマイズ製品だ。例えば16チャンネルや12チャンネル、またファイバ長などの要求にフレキシブルに対応する。
 同社は「挿入損失や反射損失といった光学特性のハイスペックを実現した製品を、サプライチェーンの工夫やケーブルアセンブリ技術により価格競争力のある形でご提案している」と話す。

MPOコネクタ付きケーブル

CPO向けPMインターコネクト

 精工技研がCPO向けに独自技術を活かしたのが、ELS用の多芯偏波保持(PM)インターコネクトのカスタマイズだ。同社は「まだ量産化に至っていないが反響のある技術で、複数のお客様にサンプルをご提供している。その中で頂いたご要望や、昨年8月にOIFが発表した実装合意を基にアセンブリのバリエーションを増やしたので、カスタム例を交えてご紹介する」と話している。
 例えば、ELSパッケージ内の用途では、MTとFA(4ch×2)間を75mmや30mmで製作可能。また、ELSパッケージと光エンジンの接続を想定した1000mmのジャンパでは、MPOとMTだけでなく、FAとMT、FAとMPOの組み合わせも可能だ。
 MT/MPO端面の目合わせ角度は0±5°。FAピッチ間距離は250μmおよび127μに対応できる。

光コネクタの自動研磨装置

自動研磨装置
「SFPS-V1」

 精工技研が新たに提案する自動研磨装置「SFPS-V1」は、従来は人手による繰り返し作業だった、研磨パッドの搬送からフェルールの端面洗浄までを自動化(FA)することで、効率化を実現するシステム。一連の自動化を省スペースで実現し、多品種対応も容易になっている。また、研磨の難しい大外径ケーブルの自動化も対応できる。
 こうした自動化システムをユーザも独自に設計できるよう、「SFPS-V1」に搭載されているFA用研磨機「SFP-560A3C-FA」も単独で販売される。同研磨機は、自動化に必要とされる外部通信機能、オートクランプ機能、ターンテーブルの原点復帰機能を装備。ユーザが設計しやすいよう、研磨機との通信に必要な情報も併せて提供される。研磨ホルダは既存のSFP-550/560Aシリーズ用の研磨ホルダを使用するので、ユーザは既存設備も有効活用できる。
 同社は「自動化は新たなご提案なので、ブースでは動画展示で分かり易くご説明する」と話している。

多心/単心光コネクタの形状測定と自動端面検査を一台に集約

 昨年は参考出品だったDATA PIXEL社の「DPX360」が正式にリリースされた。同社が得意とする高分解能の干渉計と最新の顕微鏡を組み合わせた、多心コネクタ向けの検査装置であり、二つの機能を一台に集約したことで、ユーザは作業工程を効率化できる。
 2次元と3次元の測定が可能な独立した光学系を備え、光コネクタの傷・汚れの検出と形状測定を同時に実施できる。コネクタは1回挿入するだけで、15秒以内にスキャンされ、検査と干渉計の両方で自動的に合格/不合格を判定する。AI/DEEP LEARNINGで最適化されたソフトウェアにより、最大64心までの多心コネクタ端面を高速で自動検査できる。単心コネクタの測定も可能だ。

A-RoF光伝送装置の光給電による、受信アンテナの無電源化

 精工技研は、アナログ無線信号を波形の変更なく光信号にして光ファイバ伝送するA-RoF技術に取り組んでおり、今回はそれを用いた光伝送装置による受信アンテナの無電源化ソリューションを紹介する。
 このソリューションは、受信アンテナと遠隔の光伝送装置間を結ぶ光ファイバを使って、信号伝送だけでなく電源供給も実施するというもの。受信アンテナ設備の電源が不要となることで、設備の設置場所の自由度が上がる点や、雷害対策にもなるメリットから、放送業界では長年にわたり使われている信頼性の高い技術だ。
 同社は「電磁パルスにも強いことから、防衛用途や原子力発電所など重要施設でも有効だ」と話している。

60GHzの高周波A-RoF

 A-RoFは、伝送した光信号をO/E変換のみで元の無線信号に戻すことができる利便性から、5Gミリ波や将来の6G/IOWNにおける伝送技術としても注目されている。精工技研は「当社はこれまでA-RoFにおいて9 KHzから12GHzを得意としてきたが、例えば5Gミリ波では28 GHz、さらに次世代の通信では60GHz帯の利用が検討されており、より高い周波数を光伝送したいという市場要求があり、この度60GHz帯までの光伝送を可能とした。国内メーカーによる製品化は他に無いというお声も頂いているので、情報通信だけでなく防衛や宇宙航空の研究用途でもご活用いただきたい」と説明している。

出展製品特集目次

●NTT-AT

●キーサイト・テクノロジー

●精工技研

●センコーアドバンス

●ローゼンダールネクストロム

●ハイテック

●ミハル通信

●横河計測

COMNEXT2024特集

■主催者インタビュー

■光通信技術セミナー企画委員インタビュー