「通信・放送Week 2022」出展製品Preview【光貿易】
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超高速RFモジュール製作請負サービスと他の追随を許さぬ超高分解能OSA
光貿易のブースでは、今年もかなり特徴的な「尖った」製品群を見ることが出来そうだ。高田RF技術研究所のモジュール製作請負サービスは国内のみならず海外からも高評価を受けており、over 100GHzの超高速/超広帯域化へのモジュール製作要請が後を絶たないようだ。また、APEX社(フランス)の超高分解能OSAの動態展示も行われる。超高分解能のOSA製作はまさしく匠の世界で、供給できるベンダも今や数少ないのが実情だ。新たにラインナップされたチューナブルレーザも見所の1つだろう。
高田RF技術研究所の超高速RFモジュール製作の請負サービス
高田RFは超高速/超高周波同軸コネクタモジュールのカスタム製品試作を行っている。顧客支給のベアチップICを多層配線PCBや薄膜誘電体基板に実装し、高速信号を同軸コネクタで入出力する。モジュールの高性能化手法として「動作速度を上げる(広帯域化)」及び「入出力信号の多並列動作(多ポート化)」の2つの方向性があるが、高田RFはこれまで両方向の技術向上を図ってきた。
「広帯域化」については、石英薄膜基板、フリップチップ実装、1.0mm/0.8mmコネクタを用いた実装技術によりDC~150 Gbaud(>110 GHz)の広帯域特性を実現した。この技術は超130GHz帯域の広帯域ベースバンド増幅器モジュール(参考:“An Over 130 GHz-Bandwidth InP-DHBT Base band Amplifier Module”,NTT DTL,BCICTS 2021)の実現に寄与した。
「多ポート化」については、F-3dB>100 GHz,1.3 mm信号ピッチの8連ケーブルエッジコネクタの開発(信越ポリマー社との共同開発)に成功した。これをアルミナ薄膜基板、細線セミリジッドケーブルによるモジュール製作技術に適用することによって、1.28 Tbps (80 Gbaud PAM4 x 8ch)小型光トランシーバの実現への見通しが拓けたと言えるだろう。
超高分解能OSA
APEXの提供するOSA(光スペクトラムアナライザ)最上位機種となる「AP2687A」(AP268xシリーズ)は、OMA(光変調アナライザ)機能も含む複合機で、位相等も確認することができる。C&Lバンド帯(1520-1630nm)帯に加えてOバンド帯(1265-1345nm)までカバーしており、40fm(5MHz)と世界最高レベルの超高分解能を誇る。掃引スピードは35nm/s。光貿易によれば、昨年の国プロにも複数台納入されており、今年の同社ブースでは動態展示を予定している。
また、APEXの新製品としてチューナブルレーザがリリースされた。対応する波長帯は800~1700nmと広範にわたり、波長安定性は<1pm at 15min、波長精度は±5pm、高出力(+10dBm)。詳細は、同社ブースで確認できる。
5G用小型PDモジュールほか製品
ワカ製作所は、Beyond 5G向けに小型で低コストのInGaAs PDモジュールを開発した。帯域幅(@-3dB)は33GHzで、広帯域化実現のためにマッチング抵抗をPD内に実装している。また、電源バイアスは+2Vの正電源で、通常のように負電圧を印加する必要も無い。集光レンズは付いていないが、コストパフォーマンスの良さが最大の特長だ。
TRUMPF社(旧ULM社、ドイツ)からは、PDを組み込んだ一体型の850nm VCSELを新製品として紹介する。また、25GbpsのVCSELチップも量産を開始しており、5Gシステム等への導入が期待されている。
Cinogy は、定番のビームプロファイラカメラからInGaAsベースの新製品「CinCam InGaAs-1280」をリリースした。従来の同社製品は超小型のCMOSカメラで、製品の小ささに対する有効範囲の広さが特長だった。今回の新製品はInGaAs タイプということで有効範囲こそ6.4mm x 5.1mm(CMOSカメラは11.3mm x 11.3mm)と少々狭くなってはいるが、1280 x 1024 pixelの高解像度(pixelサイズは5µm)でフレームレートは<35Hz。光通信用途ではコンポーネント組み立ての調芯アライメント等で利用されているが、競合他社と比べてもコストパフォーマンスで優位性がありそうだ。
特集目次
・「通信・放送Week 2022」開催直前 主催者インタビュー
■光通信技術展 専門技術セミナー委員インタビュー
・中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】
FOE-K IOWN構想の実現に向けて
・土井 健嗣氏【日本電気】
FOE-1 光トランシーバーの最新動向と新冷戦による影響
FOE-13 クライアント側高速光トランシーバの動向、データレートとフォームファクタの進化
・石部 和彦氏【アンリツ】
FOE-2 Siフォトニクス(トランシーバ技術)アイオーコア社の最新技術動向
FOE-6 ハイパースケールDC向け800Gbps/1.6Tbps光トランシーバの標準化・技術動向
・清水 克宏氏【三菱電機】
FOE-3 Beyond 5G/6G時代の超拡張性を実現する光衛星通信
FOE-5 コヒーレント光センサ技術の応用例と今後の展望
・佐藤 良明氏【NTTエレクトロニクス】
FOE-7 Telecom Infra Project ~オープンかつディスアグリゲートされた、持続可能なトランスポートネットワークの構築~
・笹岡 英資氏【住友電気工業】
FOE-8 伝送用光ファイバの基礎と将来展望
・谷口 和彦氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】
FOE-9 空間分割多重光伝送技術の最新動向と今後の展開
FOE-12 光とASIC(特定用途向け集積回路)のコパッケージへの挑戦
・太田 寿彦氏【古河電気工業】
FOE-10 海底光ケーブルシステムの大容量化に向けた技術動向
FOE-14 化合物半導体/シリコン異種材料集積技術を用いた光集積回路
・和田 悟氏【フジクラ】
FOE-11 IOWN構想実現に向けた光ファイバ技術への期待と今後の展望
・岡安 雅信氏【華為技術日本】
FOE-15 Beyond 400Gコヒーレント光トランシーバの市場・技術動向
■「通信・放送Week 2022」出展製品Preview
・アダマンド並木精密宝石
NICT採択の自己形成導波路など紹介
・NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)
ネットワーク保守、インフラ設備保全、光コネクタ製造を幅広く展示
・キーサイト・テクノロジー
120 GbaudのBERTや、超高速デジタルコヒーレント光伝送評価のAWG
・精工技研
作業効率の良い同社オリジナルのLCユニブーツコネクタや、機能が追加された光コネクタ研磨機
・センコーアドバンス
高密度型SN-MTコネクタを用いた400G伝送ライブデモ
・光貿易
超高速RFモジュール製作請負サービスや、他の追随を許さぬ超高分解能OSA
・横河計測
多心ファイバ測定に優れたOTDRや、高分解能と高速測定を両立したOSA
以下、後日更新
・「通信・放送Week 2022」出展製品Previe