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「通信・放送Week 2022」出展製品Preview【アダマンド並木精密宝石】

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2023年よりOrbrayに社名変更
NICT採択の自己形成導波路など紹介

 光レセプタクル・モジュール等の精密光部品ベンダであるアダマンド並木精密宝石株式会社は、翌2023年1月1日より製造子会社である株式会社アキタ・アダマンドを吸収合併し、社名をOrbray(オーブレー)株式会社へと変更する。社名はOrb(天体)とRay(光)の造語で、「宇宙に存在する素材の小さな可能性を磨き、未来への希望を育む存在となりたい」という意味が込められている。
 同社は1939年に創業、1980年より光通信用部品事業を開始し、設計・試作から量産、試験まで請け負うことが可能。フェルール制造やコネクタ組み立て、レンズドファイバ加工、ファイバアレイ等のデバイス製造も手がけている。
 今年のFOEでは、精密部品各種に加えて、Beyond 5G研究開発促進事業として国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)に採択されている自己形成光導波路やIOWN時代に向けたマルチコアファイバ(MCF)用ソリューション、エキスパンドビーム光コネクタ等を紹介する。

自己形成光導波路の研究開発報告

 令和3年度から5年度までNICTによるBeyond 5G研究開発促進事業の委託研究として、同社と宇都宮大学による「マルチチャネル自動接続を実現する赤外自己形成光接続の研究開発」が採択された。今回の展示では、その研究開発内容について中間報告する予定。同研究の目的は、①波長1.31µm-1.55µmで光硬化することを特徴とした自己形成光導波路の材料及び作製技術の開発、②MCF間、③シリコン光導波路-ファイバ間、④シリコン光導波路-MCF間の一括自動接続の基盤技術を確立することである。現在は、MCF間一括接続の実証実験中とのこと。MCF同士の接続はX軸、Y軸に加えて回転軸の調整も必要になるが、少々の軸ズレをカバーできるのが自己形成光導波路のメリットの1つだ。半年前のFOEより、さらに光学特性評価を実施しており、SMF間接続の挿入損失や信頼性試験の実績など具体的な状況報告が聞けそうだ。

MCFのFIFOソリューション

 近年、海底等のULHやデータセンタ向け、或いはIOWN構想に向けた展開としてMCFの活用が期待されている。同社ブースでは、現在開発中のバンドルファイバを用いたMCFのFIFO(Fan-in & Fan-out)ソリューションも紹介予定。フェルール外径基準のバンドル中心同心度は1µm以下という高精度。同じく高精度なエッチングファイバと合わせて、様々な高精度配列のバンドルファイバのアセンブリを可能とする。同社はMCF対応以外にも、複数ファイバの固定用途として内径がヘキサゴン(六角形)やスクエア(正方形)、Dカットといった様々な特殊形状のカスタムフェルールも内製している。フェルールの穴径も40µmから500µmまで対応可能で、通信用途以外にもハイパワーや医療、測定器向けなど幅広いニーズに適応している。
 また、高速光ファイバスイッチングソリューションとして、N x Nスイッチキットと1 x N MEMS光スイッチコアも紹介される。小規模チャネル交換用のスイッチとして、光路切り替え、MCFのコア間切り替え、多点センシング、計測器等の用途を想定している。MEMS光スイッチの国内サプライヤは、今や同社の他には皆無に等しい。MEMSなどのシリコン系部品は近年の調達リスクの高さゆえ、優れた加工技術のもと国内で生産可能な同社へ長期の取引を依頼するユーザも多いようだ。

MCF用調心コネクタ

エキスパンドビーム光コネクタ

 また、研究開発中の製品として、エキスパンドビームの非接触型光コネクタもパネルとして参考展示予定。同種製品は、HSDC以外にも極限環境下におけるミリタリー用途なども期待されており、手掛けるメーカーも増えてきている。同社は、フェルール・スリーブ製造を40年超手掛けてきており、そこで培われた高精度な加工技術を活かした方向性での研究開発を進めている。現状では、既存のSC及びLCコネクタ用設備に搭載可能な形状を検討しており、ブースではMMタイプが紹介される。

特集目次

「通信・放送Week 2022」開催直前 主催者インタビュー

■光通信技術展 専門技術セミナー委員インタビュー

中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】
FOE-K IOWN構想の実現に向けて

土井 健嗣氏【日本電気】
FOE-1 光トランシーバーの最新動向と新冷戦による影響
FOE-13 クライアント側高速光トランシーバの動向、データレートとフォームファクタの進化

石部 和彦氏【アンリツ】
FOE-2 Siフォトニクス(トランシーバ技術)アイオーコア社の最新技術動向
FOE-6 ハイパースケールDC向け800Gbps/1.6Tbps光トランシーバの標準化・技術動向

清水 克宏氏【三菱電機】
FOE-3 Beyond 5G/6G時代の超拡張性を実現する光衛星通信
FOE-5 コヒーレント光センサ技術の応用例と今後の展望

佐藤 良明氏【NTTエレクトロニクス】
FOE-7 Telecom Infra Project ~オープンかつディスアグリゲートされた、持続可能なトランスポートネットワークの構築~

谷口 和彦氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】
FOE-9 空間分割多重光伝送技術の最新動向と今後の展開
FOE-12 光とASIC(特定用途向け集積回路)のコパッケージへの挑戦

太田 寿彦氏【古河電気工業】
FOE-10 海底光ケーブルシステムの大容量化に向けた技術動向
FOE-14 化合物半導体/シリコン異種材料集積技術を用いた光集積回路

和田 悟氏【フジクラ】
FOE-11 IOWN構想実現に向けた光ファイバ技術への期待と今後の展望

岡安 雅信氏【華為技術日本】
FOE-15 Beyond 400Gコヒーレント光トランシーバの市場・技術動向

■「通信・放送Week 2022」出展製品Preview

アダマンド並木精密宝石
NICT採択の自己形成導波路など紹介

NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)
ネットワーク保守、インフラ設備保全、光コネクタ製造を幅広く展示

キーサイト・テクノロジー
120 GbaudのBERTや、超高速デジタルコヒーレント光伝送評価のAWG

精工技研
作業効率の良い同社オリジナルのLCユニブーツコネクタや、機能が追加された光コネクタ研磨機

センコーアドバンス
高密度型SN-MTコネクタを用いた400G伝送ライブデモ

光貿易
超高速RFモジュール製作請負サービスや、他の追随を許さぬ超高分解能OSA

横河計測
多心ファイバ測定に優れたOTDRや、高分解能と高速測定を両立したOSA

以下、後日更新
・光通信技術展 専門技術セミナー委員インタビュー
・「通信・放送Week 2022」出展製品Previe