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CATV事業者向け10G級PONシステムの最新動向【2:R-OLTのメリットとデメリット】

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 ヘッドエンドのOLT機能をRemoteで分散するR-OLTは、標準のPON線路長を超えるエリアでサービスができない場合に、低コストでFTTHエリアを延長する技術。加入者数が少なくサブセンタを設置・維持するのがコスト的に困難なエリアでのFTTHサービスが可能になる。
 下図のようにOLT機能を加入者近くのノードに分散する形となる。

R-OLTのネットワーク構成イメージ。ヘッドエンド側は集約スイッチとR-OLT管理システムが必要になるが、OLT機能を外部のノードに移すので、ヘッドエンド施設の省スペース化や省電力化になる。日本ケーブルラボは「例えば、80km以上離れたユーザに対してFTTHをカバーすることができる」と話す。

 次に、R-OLTのメリットとデメリットを見てみたい。
メリット

  • R-OLT管理システムには汎用サーバと、10G Ethernetの長距離光リンクを多 ポート具備した市販スイッチのみ設置
  • 従来のOLTに比べてラック占有スペースが少なく、低消費電力であるため、CMTSからOLTに 置き換えるよりも容易に導入することが可能

デメリット
事業法上の課題

  • 0AB-J番号の技術基準対応(停電対策、障害早期復旧の対応の検討)
  • 柱上OLTにおける予備電気通信回路(回路冗長)の対応
  • 電柱の荷重制限(風圧、地震)への対応、及び電柱保有事業者への共架申請、承諾が必要

設置上の課題

  • メンテナンスや障害時では、サブセンター設置と比較すると作業スペースが限定
    ※サブセンター設置や柱上設置以外に、光中継器を設置する方法も存在

 日本ケーブルラボは「以上のメリットとデメリットを基に、設置の条件や対象加入者数や将来の拡張計画などにより、サブセンター、R-OLT、光中継器のどの方法を選択するのか見極めが重要になってくる」と話している。

目次

■PON導入ガイドライン
・既設PONタイプ別の高速化ガイドライン
・R-OLTのメリットとデメリット
・既設のFTTH網を利用してローカル5Gの構築コストを削減
・PON仮想化技術による構築、運用費用の削減、新しいネットワーク機能への対応

■最新製品動向と導入事例
・住友電工の10G-EPON製品ラインアップと、その特長を活かしたサービス事例
・住友電工製品による、1G-EPONやG-PONから10G-EPONへの移行プロセス
・古河電工のN+1冗長10G OLTと、既設ONU巻取りソリューション
・古河電工によるPONとミリ波の連携ソリューション
・OLTシャーシを省いたAPRESIA のPONソリューション
・APRESIAが指摘する、ローカル5GでのPON適用における留意点
・R-OLTを用いたコムスコープの仮想化分散型FTTH/HFC

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