CATV業界のローカル5G活用と地域DXの推進【1:連盟や総務省が期待する、CATV事業者によるローカル5G活用】
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日本ケーブルテレビ連盟と加盟CATV事業者6社は12月11日、「ケーブルテレビ業界のローカル5G活用と地域 DXの推進について」と題した共同記者会見を開いた。
CATV事業者は、農業・製造業・観光業・防災等それぞれ地域によって異なる課題やニーズにきめ細かく対応すべく、インフラとコンテンツの両方の知見を活かし、ローカル5Gや IoT等の技術活用を進めている。今回の会見では、地域DXの担い手として地方創生に貢献するCATV事業者から、ローカル5Gを活用した地域課題、各種事業への取り組みに関する実例が紹介された。
(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)
連盟や総務省が期待する、CATV事業者によるローカル5G活用
CATV事業者は、地域BWA、そしてMVNOサービスのケーブルスマホといった地域に根付いた無線サービスに取り組んでおり、5G時代ではこれらのサービスも新たなステージに進むことになる。会見の冒頭、日本ケーブルテレビ連盟 理事長の渡辺克也氏は「CATV業界では20年前からインターネットサービスや電話サービスも手掛けるようになり、今では通信サービスの発展が業界の成長を牽引するまでに至っている。そのような中、感染症拡大による新たな生活様式の普及、そして急速なデジタル化に向けて無線サービスの重要性が増している。無線サービスはスマートシティ、DX、IoTの実現には不可欠であり、無線の重要性は今後ますます加速する。CATVはローカル5Gを積極的に活用し、地域の発展と事業の拡大を目指していきたい」との考えを述べている。
CATV事業者は、放送や通信のインフラを家庭に提供しているだけでなく、情報インフラを駆使して地域の自治体や企業、住民の生活全般に寄り添った様々なサービスを展開しており、まさに地域における総合的な情報基盤となっている。自然災害時の情報提供や、教育委員会と連携したオンライン授業など、地域に根付いたサービスがローカル5Gで進化すること、また、光ファイバ網や従来の無線帯域では実現できなかった新たなサービスをローカル5Gで創造されることが、CATV事業者による地域のDXとして期待されている。
会見で登壇した、総務省 情報流通行政局 衛星・地域放送課 課長の吉田恭子氏は「感染症の拡大をキッカケに、多くの課題が顕在化した。とりわけ、国や地方のデジタル化の遅れと、それにどう対応していくのかということが、今、喫緊の課題となっている。政府においても、国だけではなく地方のデジタル化を抜本的に加速していくために、デジタル庁の創設に向けた準備や、マイナンバーカードの普及、更にはインフラ整備、こうした施策を進めている。先般、12月8日に閣議決定された総合経済対策においても、これらの取り組みを推進するための関連施策が数多く盛り込まれた」としており、「地方のデジタル化は、自治体行政そのもののデジタル化も大事だが、それぞれの地域が抱える様々な課題、ニーズに対して、デジタル化、DXによる課題解決を図っていくということは喫緊の課題であると思っている。ただこれは、全国一律に何か課題の解決策を見出していくということは難しいだろう。それぞれの地域の実情、様々な要素に影響されると思うので、それを理解しているCATV事業者が、DXの取り組みをリードしていただく、そして地域に寄り添った対応を進めていただくことが重要だと思う。昨年12月にローカル5Gが制度化され、まもなく新しい周波数の追加も有る。これにより、様々な取り組みが展開され、ひいては地域のデジタル化にも繋がっていくだろう。CATV事業者の皆様には、積極的に取り組んでいただくことをお願いする。総務省としても、今後、我々にできる支援を進めていく」との考えを述べている。
特集目次
【日本ケーブルテレビ連盟の取り組み】
1:連盟や総務省が期待する、CATV事業者によるローカル5G活用
2:ローカル5Gの利用を促進する業界統一コアと税制優遇
【CATV事業者によるローカル5Gの活用事例】
3:秋田ケーブルテレビ
4:ケーブルテレビ
5:ジュピターテレコム
6:となみ衛星通信テレビ
7:ZTV
8:愛媛CATV