ローデ・シュワルツとノキアが語る、ローカル5G NRビジネスの現状と最新ソリューション・8
期間限定無料公開 有料期間限定無料公開中
ノキアのスマートシティ ソリューション
ノキアは無線、有線を提供している企業。一般企業で使われる環境を含めて、そこで実現するソリューションについても様々なラインナップを取り揃えている。
ローカル5G /プライベートLTEをスモールスタートで実現
ノキアのデジタルオートメーションクラウドは、プライベートLTEやローカル5G導入の一番の課題とされるコストや運用の難しさを解決するソリューションだ。これは、導入の課題となる、高額で運用の難しいコア管理機能をクラウドで提供するというもの。コアのアプリケーションやコントロールシステムをユーザが購入する必要はなく、使う期間だけの契約という安価なスモールスタートが可能となる。
奥田氏は「コアという一番難しくて高額な機能はノキアがシェアでご提供する。クラウドを使うと言っても、データ通信は完全にローカルに閉じているので、企業の敷地内のみといった完全な閉域網を実現できる。クラウドに不安を感じる方もいらっしゃるので、オンプレミスの認証版も提供している」と話している。
音声・動画グループ通信 – Nokia Group Communications
ノキアではグループ間の端末からの音声・動画通信を共有するソリューションをソフトウェアで実現する研究を進めている。これは、プライベートLTE、もしくはローカル5Gの環境で、汎用のアンドロイド端末に専用のSIMを挿すことで実現できる仕組みだ(端末もノキアは提供している)。従来のような専用の業務無線は不要となり、高品質なグループ通信が可能となる。
ビデオカメラのIoTセンサー化 – Nokia Scene Analytics
カメラ画像のAIというのは数多く発表されているが、ノキアはベル研究所の特許技術を使った、ビデオカメラのIoTセンサー化を提案している。これはベクトル解析という技術を使ったユニークなもので、監視カメラ映像内に映る自動車の速度や交通量などの「動き」からAIがその場所の日常を学習することで、異常が発生した際に即座に検知できるというもの。奥田氏は「例えば交差点の場合、自動車の速度、進む方向、混雑具合をAIが学習することで、高速で暴走する自動車、逆走する自動車、予期しない大渋滞、そうしたものが発生した場合にアラートを出してサンプルの画像だけを司令部に送るといったことができる。日本でも小田急電鉄さんと、世界初の画像解析による踏切の安全確保を始めた。踏切の様々な異常検知は、一般的には3Dレーダシステムを使って監視されている。対してこのソリューションであれば、既存のカメラを使うのではるかに安く簡単に安全性を保つことができる」と話している。
ドローンのソリューションをリーズナブルに提供
仙台市にも採用されているドローンはノキアが独自に開発・製造している。これは時速80kmの飛行が可能であり、プライベートLTEと組み合わせることで同時に100基の編隊飛行を実現できる。PC上のクリック操作だけの自動運転という手軽さも特長で、ステーションに自動的に降りてきて充電してまた飛んでいくといった設定も可能だ。危険予測の回避機能も備わっている。
光暗号化ソリューションでIP Sec不要
通信ソリューションに関して、ノキアは無線から有線、IP、ソフトウェアをEnd to Endで提供できる、世界でも随一のベンダだ。そのソリューションの中でも興味深いのは、従来はIPsecで実現していたクラスの暗号化を光のレイヤ1で暗号化するという技術。奥田氏は「100Gという前代未聞の超高速暗号化通信が可能になる。世界では防衛分野でも使われ始めている」と話している。
本特集目次
ローカル5G NR ビジネスの現状とR&Sの最新ソリューション・1
ローカル5G NR ビジネスの現状とR&Sの最新ソリューション・2
ローデシュワルツ ドイツ工場でのローカル5G NR トライアル計画・1
ローデシュワルツ ドイツ工場でのローカル5G NR トライアル計画・2
5G時代の到来とノキアの先進取組事例・3