通信・放送Week2019出展製品紹介【NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)】
期間限定無料公開 有料機器間の光配線切替ロボットや、光コネクタ製造ソリューション
ブースでは、データセンタやラボにおける機器間の配線変更をリモート操作が可能なロボットアームで自動化するL1スイッチや、高品質の光コネクタ製造を迅速かつ低コストでサポートする光コネクタ製造ソリューションが紹介される。
機器間の配線変更をロボットアームで自動化
光配線切替ロボット「ROME」(Robotic Optical Management Engine)シリーズは、従来は人の手で行っていた機器間の光ケーブル配線切替を、ロボットアームによって行うL1スイッチ。機械による自動化により、労働生産性の向上や、誤挿抜といったヒューマンエラーの抑制を実現できる。
ロボットアームはX軸に動くものとY軸に動くものの二つが備わっており、1接続あたり15秒で済ませることができる。管理者がコントロールユニットから指示を出すことでロボットアームが稼働し、ケーブルの絡まらない整線を維持した配線切替を実行するという。この指示はリモートで操作ができるので、例えば遠方のデータセンタに作業員を手配することなく配線切替や開通作業ができる。また、配線切替の指示は権限を与えられたユーザしか実行できないので、セキュリティ性も高い。筐体はIP60の耐塵性能によりホコリ等の侵入を防止するので、光コネクタ端面の清掃は不要だ。
「ROME」により接続状態も管理されるので、現在のケーブル接続状態や、切替の作業履歴を把握できる。担当者は「切替履歴の管理機能により、例えば過去の配線構成に戻すことも容易に行える」と話している。
ラボ用途では、ラボ管理ツールを組み合わせることにより試験自動化、管理工数の効率化、リソースの有効活用が実現できるので、 開発速度の向上と開発コストの削減を図ることができる。
「ROME」シリーズは米国Wave2Wave(ウェーブツーウェーブ)社の製品で、世界で1,000台以上の販売実績がある。NTT-ATでは昨年度に4台を国内で販売し、今年5月から国内独占販売を開始したという。
ブースではシリーズのメインとなる「ROME500」が動態展示される。このモデルはLCとSCに対応しており、512ポート(256接続)を管理できる。担当者は「ラインアップとしてはMPO対応のモデルや、更に大規模のモデルもある。ブースでは今年の秋に発売を予定している200ポート対応の“ROME mini”を静態展示する」と話している。
研磨治具の二台乗せにより、光コネクタの研磨時間を短縮
光コネクタ研磨機「ATP-3200」は、市場で長年の実績を持つNTT-ATが高い直行率とメンテナンス性を追求して開発した製品。単心・多心光コネクタ、光ファイバアレイなど、多品種に対応できる。MPOコネクタ研磨では、独自開発の研磨フィルムと組み合わせることで単心コネクタと同じレベルの低損失、低反射を実現しており、OM5で使われるようなMPOの研磨用途でも実績を伸ばしている。担当者は「昨年から研磨治具が2台乗せ可能となり、LCなら最大96個(duplexなら48組)、MPOなら最大48個の同時研磨ができるようになった。また新たにMPOの治具を改良し、従来は他社同様トルクドライバが必要だった治具への取付が、レバーを倒すだけで精度良く固定できるようにした」としており、「最近では光コードの製造現場で自動化が進んでおり、弊社の研磨機は上位のシーケンサやPCから制御できることから、自動化に組み込みやすいとご評価いただいている」と話す。
同社では研磨治具の特注にも対応しているので、例えば新たに開発したコネクタを研磨したい場合、専用の研磨治具盤を作るのではなく、一コマだけ作って研磨しながら開発を進め、量産の段階ではコマを追加して研磨治具盤化するというスモールスタートができる。担当者は「例えばトランシーバ内に使われる特殊なコネクタ用途の開発で、まずは特注でお使いいただいて量産という導入事例が増えている」と話している。
少量の研磨に適したハンディ型光コネクタ研磨機
ハンディ型の光コネクタ研磨機「POP-311」は、電池駆動で持ち運びができる研磨機で、三次元形状等の規格を満たした研磨、再研磨が可能というユニークな製品。
前述の量産型研磨機「ATP-3200」と治具のアタッチメントを共通化しており、様々な光コネクタの研磨に対応できる。最高700rpmの高速研磨により、どの光コネクタも3~5工程で研磨できる。担当者は「もともとはR&Dでの少量の研磨でお使いいただいていたものだが、製造工程で生じた再研磨や、海外工場からの受け入れ時に不具合を発見した場合の研磨、放送局の中継現場での挿抜でダメ―ジを受けた際の研磨でもお使いいただいている」と話している。
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