FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー【FOE-2】次世代ネットワークを牽引する400G/1Tクラス光トランシーバの技術動向
INTERVIEW 有料コースリーダー:
富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
國兼 達郎
サブリーダー:
アンリツ(株)
石部 和彦
光トランシーバを扱う本コースは、毎年マーケット動向や標準化動向がしっかり語られるので、セミナープログラムの中でも安定して人気のあるコースと言える。北米のデータセンタ市場では既に400G製品が動き始めており、本コースではその400G最前線とさらにその先の技術動向が語られる。コースリーダーの國兼氏は「色々な考え方があるが、400Gマーケットは、100Gマーケットと同様に長続きするゆえ重要な市場とみている。また、400/800Gになってくると、ボードの実装密度の議論からプラガブルとオンボードの鬩ぎ合いも存在するので、今後の技術の進化動向をきちんと見極める必要がある。構成としては、平本氏がクライアント側、西原氏がコヒレント側、AOIがCOBOからのアプローチを語って頂く。クライアント側とコヒレント側、プラガブルとCOBOなど、聴講者にとっては比較検証しやすいだろう」と語っている。
●ハイパースケールデータセンタ向け400G及び400G超級光トランシーバの最新動向
CIG Photonics Japan (株)
PLM・マーケティング部
担当部長
平本 清久
平本氏はFOEのセミナーではお馴染みのスピーカーだが、今回はクライアント側からの立場で光トランシーバの最新動向を語ることになる。CIGは今春Lumentumの光トランシーバ部門を買収しており、底堅く伸びている中国におけるBATのデータセンタ投資と相俟って、その勢いに注目が集まっている。「クライアント側のプラガブルとCOBOは、ある意味似た技術ではあるが、適用によってメリットデメリットが変わるので、COBOのセッションと比較してみると面白いテーマとなるだろう」と國兼氏は語る。
●適用領域を広げるデジタルコヒーレント光トランシーバの最新技術動向
富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
オプティカルコンポーネンツ事業部
第三商品部
西原 真人
かつて100Gトランシーバの仕様がQSFP28に収斂していった時に、光トランシーバの価格が大幅下落したことがあった。「データセンタに関しては現状OTT系がドライブしているが、DCIの製品ボリュームに関してはコヒレント側がドライブしていく。merchant DSPの開発やクラウドの進展次第では、400G ZRに技術と物量が集中することで、技術進歩を遂げつつもビット単価が下がり、製品がコモディティ化する可能性もあるだろう。皆が同じ方向を向くのは危険だが、本セッションでは様々なフォームファクタについても触れられることになる」と國兼氏は語っている。
●400Gから800G、1.6Tに展開するCOBOトランシーバモジュール
Applied Optoelectronics, Inc.
Strategic Marketing & Standards Office,
Transceiver Technology,
Assistant Vice President,
David Chen
近年、COBO(Consortium for On-Board Optics)の議論は光通信業界で盛んに行われてきたが、消費電力等の問題もあってなかなか本格的採用という話は聞けていなかった。しかし、400/800G伝送になってくることで、そのメリットが顕在化してきそうだ。「COBOのメリットは、スループットを上げるという点と、煩雑な実装を省く点にある。プラガブルの場合、データセンタ現場に膨大な小包が届いてその場で実装する作業が大変だという声を耳にする。COBOなら実装されたものをそのまま設置できるので、現場はかなり楽なようだ。例えば、クライアントが400Gから800Gにポート数を増やすとなると、熱問題もあって実装密度を上げるのは困難になってくる。プラガブルとCOBOの鬩ぎ合いは、まさに400/800Gを起点に始まってゆくだろう」と國兼氏は語る。
(OPTCOM編集部 井上政基)
目次
【FOE-K】【基調講演】実用化目前5G、データセンターを支える光通信の最新技術動向
【FOE-1】スマート社会(Society 5.0)を支え、牽引する光ファイバ技術
【FOE-2】次世代ネットワークを牽引する400G/1Tクラス光トランシーバの技術動向
【FOE-4】目指せOver1Tbps伝送!光デバイスとその周辺技術の展望を紐解く!!
【FOE-5】大容量光通信を支える光機能集積回路の最新技術と今後の展望
【FOE-6】5Gやデータセンターを支える光ネットワークおよび機器の最新技術・市場・標準化動向
【FOE-7】【基礎講座】光通信技術の基礎 ~情報通信を支える光技術~