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「NTT R&Dフォーラム2018(秋)」に見る通信キャリアの最新技術【テラビット級無線通信を実現するOAM無線多重伝送技術の研究】

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 NTTは、2030年代の無線需要を支えるテラビット級無線伝送の実現を目指している。その実現に向けて研究が進められているものの1つが、「OAM(Orbital Angular Momentum:軌道角運動量)」を利用した新しい原理の無線伝送技術だ。担当者は「利用シーンはモバイル5GやBeyond 5Gとなる。例えば、今後増加するスモールセル間や、中継伝送のP2Pにおける大容量無線伝送を実現する技術として研究に取り組んでいる。光ファイバの場合、電柱が設置できない場合は地下に布設することになるので、その工事や保守を考えると、無線という選択肢を作りたいと考えた。また、欧米での光ファイバ布設は基幹道路の地下が多いので、今後、数百m間隔で基地局を設置するとなった場合に、必ずしも光が布設できるとは限らない。5G以降の議論でも、バックホールを無線化してメッシュ状に繋ぐ方式が検討され始めている」としており、「2020年代後半の実用化を目指している。技術確立の時期は標準化に入ることを考えて数年以内を目標に進めている」と話す。なお、NTTは2018年5月時点で、OAMを用いた100Gbpsの無線伝送に世界で初めて成功したと発表している。

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