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伝送路の広帯域化やセンター設備の省スペース化を図るCATV伝送システム【TOP】

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 CATVの最先端技術やソリューションが集う「ケーブル技術ショー2018」が7月19日~20日の日程で東京国際フォーラムにて開催される。今年の開催テーマは「最先端ケーブル技術の未来創造」。本特集では同展で展示される伝送インフラを事前取材し、Previewとして纏めた。

 今回は開催テーマの中に「未来」という言葉が入っていることもあり、出展社の提案にはCATV事業者の中長期計画を意識したものが増えている。会場では、ここ数年の同展でも将来対応として提案されてきた10G級PONをはじめ、次世代映像配信ソリューション、コア側の100G伝送装置など、伝送の広帯域化や映像コンテンツのIP化を検討しているCATV事業者への選択肢として、製品やソリューションが紹介される。
 将来対応ということでは、今後のセンター側機能の増加を視野に入れた備えとして、機器の小型化や高密度化を実現した新製品も増えており、高度BS対応機器の高密度実装や、10G級PON OLTへのスイッチ内蔵、CMTSへの機能集約、機器の機能をノード側に移行するリモートPHYを含めた統合管理システムなども紹介される。また、光ケーブルの細径化や、光伝送の長延化など、光ファイバの屋外布設に要するスペースや機器を低減することで施工や保守を改善する製品も見ることができる。
 一方で市場動向を見てみると、2017年後半からFTTH化が特に目立っている。数年前はFTTH化の課題とされていた集合住宅への対応も、既に各社からソリューションが出揃っているので、会場の各ブースを回れば比較検討ができるだろう。そうした部分からも、FTTH化へのハードルが下がっていることが明確に表れている。

 今回展示される伝送機器や部材を見ていると、今まで異なる分野で培われていた技術が上手く取り込まれていることも感じられる。放送分野で培われてきた映像伝送の技術が動画配信など通信の世界で応用されているように、世界的に建屋の新設が進むデータセンタ市場で培われてきた省スペース化の技術がCATV向けの機器にも応用されている。例えば、高密度実装を実現するインターフェースとして北米のデータセンタで大量に実装されているMPOを採用したCATV向け機器も、会場では見ることができる。MPOに限らず、世界で大量に出荷されている部材は性能に対してコストパフォーマンスが優良なので、最終的にはサービスの競争力に繋がる。もちろん、これは競合にも当てはまることだ。ケーブル技術ショーのようなイベントで、様々な出展社から異なる分野も含めて情報を収集することは、同展の開催テーマにある未来創造へと繋がるだろう。
 新規サービスの創造が難しい、どの伝送方式を採用するか悩ましいとされる中、今回、取材をした出展社からは、「会場でヒアリングをして提案力を高めていきたい」という意気込みが数多く聞かれた。会場でそうした担当者と出会うことも、未来創造へ繋がる財産と言える。
                                                                                       (OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

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