FXCはWDMや光メディアコンバータ、オプティカルトランスポート製品、管理機能付きL2スイッチ等、ネットワーク機器を多数ラインナップしており、官公庁、エンタープライズ、キャリア、プロバイダと幅広い分野で実績を伸ばしている。
　FXC 執行役員の亀野昌志氏は2017年の状況について「前年比で売り上げは伸びており、突出した製品があるというよりも全体的に好調だった。その中でも目立ったのは10G光メディアコンバータと壁埋め込みのワイヤレス製品で、今年も期待している。また、引き合いの多かった製品として100G伝送装置があり、こちらも今後の受注に繋がると期待している」と話す。

世界最小クラスの10G光メディアコンバータを2機種ラインナップ

　FXCは10G対応の小型光メディアコンバータを2機種ラインナップしており、通信事業者やCATV事業者、学術系ネットワークと幅広い市場で採用されている。FXC PMグループ次長の山口闘志氏は「この1年はCATV分野での伸びが特に大きかった。今後は放送全般で機器のIP化が増えるので、10G光メディアコンバータの需要増加が期待できる」と話す。
　「LEX1881-1F」は、世界最小サイズの10G電気/光メディアコンバータ。小型サイズ、低消費電力、そして国産品質による高い信頼性を実現している。筐体の外形寸法は50mm(W) × 74mm(D) ×20mm(H) と一般的な名刺より小さなサイズなので、省スペースを求めるユーザから高い評価を得ている。体積は74㎤。2つの放熱対策によるFANレス構造により、低故障間隔、高耐久性を実現している。サーバルームで光ファイバを低減したい場合や、光ポートのみの10Gテスタに10GBASE-Tポートを簡単に追加できる。
　もう一方の「LEX1881-2F」は10GBASE-SR/10GBASE-LRのメディアコンバータ。小型の筐体、LFP機能、そして価格競争力が優れている。CWDM用SFP＋により、4回線の10Gを1本のファイバで伝送することもできる。

他社に先行して実績を積んだ1Uの100G伝送装置

　FXCは業界に先駆けて1Uの小型100G伝送装置をリリースしており、昨年2月にはNICT主催の実証実験において、“さっぽろ雪まつり”会場を基点に、従来の4倍超の100Gbps超の8K非圧縮の超高画質映像と、8K相当品質の立体音響環境の遠隔中継に参加した実績がある。100G伝送装置の1Uがトレンドとなる中、こうした実績、ノウハウは他社には無いアドバンテージと言える。
　「LE100AD」は1Uの筐体に100Gのアップリンクを2ポート備えた製品。マルチレート、マルチプロトコルの10G/40G及び100Gサービスを2つの100G OTU4アップリンクで1台に集約することができ、その利便性が高い評価を得ている。

各種無線規格に対応した壁埋め込み型のワイヤレス製品のラインナップ

　情報コンセント型の無線アクセスポイントは、美観を損ねない点や、盗難されにくいことから採用が増えている。FXCでは「AccessEdgeシリーズ」として展開しており、亀野氏は「弊社では各無線規格に対応できるようラインナップを増やしおり、IEEE802.11AC対応のモデルもご提案している。壁埋め込み型の製品が珍しいこともあり、それぞれの規格のモデルが順調に売れている状況だ」と話している。
　こうした製品は住宅、オフィス、会議室、病室、公共施設等、採用される分野が多く、住宅設備のメーカーをはじめ競合の多い市場だ。そうした中でFXCは、通信機器を長年扱ってきたノウハウや、PoEスイッチ製品やソフトウェアなどと組み合わせたソリューション提案ができる強みがある。

ハイエンドL2スイッチのラインナップ拡充

　FXCは今後の製品展開の中で、ハイエンドL2スイッチのラインナップ拡充を予定しているという。FXC PMグループ次長の武田慎一氏は「セキュリティやPoEなど機能を強化したラインナップを増やす予定だ。アプリケーションやハードウェアの性能差という観点で一つ上を狙い、競合との差別化を図っていく」としている。もう一方でコストパフォーマンスを意識したラインナップ拡充も重要視しており、「例えば無線アクセスポイントとの組み合わせを考えた場合、工事・保守のコストを低減するPoEのニーズが高まっているので、そうした用途に適したPoEスイッチの開発を進めている」と話す。

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