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FOE専門技術セミナー企画委員インタビュー【FOE-10】 超高速トランシーバの最新動向

INTERVIEW 有料

富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
代表取締役社長
國兼 達郎氏

コースリーダー:
富士通オプティカルコンポーネンツ(株) 國兼 達郎
サブリーダー:
日本電気㈱ 田島 勉

 近年のOTT(Over The Top)事業者のデータセンタ投資は凄まじい。特に、100G及びBeyond 100Gコンポーネントは加速度的に伸びており、今やポイントツーポイントがネットワークの主流となっている。コースリーダーの國兼氏は「データセンタ内やデータセンタ間でインタフェースの部品、とりわけトランシーバが非常に巨大なマーケットとなっているので、今年のセミナーのテーマとしては相応しいだろう。特に、データセンタ間を繋ぐ10~100kmの距離でどのように大容量データ通信をハンドリングするかというのが各プレイヤーの戦略であり、OTT事業者を含めた標準化を目指す動きがホットトピックとなっている」と語る。今回のスピーカーを見ると、FOCは世界屈指のデバイスメーカーで40km用トランシーバはシェアトップ、Acaciaはコヒレント系で圧倒的な強さを見せる新興ベンダ、オクラロはBeyond 100GでLHとイーサネット系のトランシーバで絶好調と錚々たるメンバーが揃っている。「今回のコースのスピーカーは、標準化から伸びている製品分野を扱っており、非常にバランスの取れた配置となっていると思う。実際のビジネスシーンにおける成長企業から今後の最新動向を聴けるということで聴講者の方々にとっても有益なセッションになるだろう」と國兼氏は期待を寄せる。

超高速光トランシーバの標準化動向
富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
マーケティング部 シニアエキスパート
磯野 秀樹

 「現在Beyond 100G標準化の競争が始まっているが、磯野氏はその分野ではワールドワイドで活躍するエキスパートだ。今回の標準化でどこがキーポイントになるかを語って頂く。200G、400Gでは現在CFP8、QSFP-DD、OSFPが鎬を削っている。100Gのように一種類に収斂していくかは定かではない」と國兼氏は語る。100Gの標準化については、CFP、CFP2そしてQSFP28までで実質まとまっている。しかし、そこまでにはCFP4とQSFP28等の主導権争いも存在した。今回の磯野氏の講演では、さらに争いが激化しているBeyond 100Gが焦点となる。さらに、國兼氏は「COBO(The Consortium for On-Board Optics)によるオンボードオプティクスの動きも標準化と絡んでくるようだ。また、400Gに向けて電気のインタフェースも25Gから50Gへ変わる必要がある。そのあたりがホットトピックとなるだろう」と指摘する。

デジタルコヒーレントトランシーバーの最新技術動向
Acacia Communications Inc.,
Sr. Director of Marketing,
Tom Williams

 「デジタルコヒレントの分野では、やはりAcaciaを外すわけにはいかない。彼らの強みは、システムベンダでないのに世界最高のDSPにシリコンフォトニクスを有している。コヒレント分野では、完全なマーケットリーダーだろう」と國兼氏は語る。DCI(Data Center Interconnect)の要求は100km程度と言われており、その距離はコヒレントでなければ飛ばないことがある。「beyond 100G、400Gで100kmを飛ばすことが業界でホットなテーマとなっており、 磯野氏の講演も含めてその技術的な流れが聴けるかもしれない」と國兼氏は期待を寄せる。

次世代イーサーネットトランシーバーの技術動向と応用
日本オクラロ(株)
モジュール開発センタ第三部長、戦略マーケティングセンタ担当部長(兼)
田村 公一

 「DCIの容量が拡大すると、同時にメトロ系も拡大する。マーケットとしてはミドルレンジ(~40km)が一番大きいが、LH系(>40km)の伸びも著しい。OcLaroはLH系でAcaciaに次いで急成長しており、ミドルレンジの10G, Beyond 100Gのイーサネット系にも強みを見せる」と國兼氏は語る。その意味では、光トランシーバの市場を俯瞰するには、現在AcaciaとOclaro以上の取り合わせは無いだろう。「100Gがこれから200G、400Gへ向かうに際し、実装密度や電力、光技術とフォームファクタとの関連などの最新情報を得られるセッションとなることは疑いない」と國兼氏は自信を見せる。

 「この10年で、光は社会インフラとしてさらに重要度を増してきている。ネットワーク社会を支える光コンポーネントの中で一番ホットな製品が高速光トランシーバだ。イニシアティヴを取るには、全体の流れを見てコアなテクノロジーを用意したり、先回りして標準化したり、MSAで連携する仲間作り等が必要になるが、聴講者の方々には今回のコースを是非自らのビジネスに役立てて頂きたい」と國兼氏は結んでいる。
(OPTCOM編集部 井上政基)

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【FOE-3】 急成長する映像配信サービス市場 ~事業者の戦略とIP配信技術の最新動向~
【FOE-4】 5Gで変わること、光通信に期待されること
【FOE-5】 大洋横断からデータセンタや各家庭まで、くまなく展がる情報網を支える光ファイバ技術
【FOE-6】 【基礎講座】クラウド・データセンタを支えるトランシーバの基礎と測定
【FOE-7】 基礎から実用化アプリケーションまで、シリコンフォトニクステクノロジーの最新動向
【FOE-8】 グローバル規模で急拡大する光アクセスサービスの最新動向とそれを支えるPON技術
【FOE-9】 次世代超高速光通信トランスポートネットワークを支える光部品の最新技術動向
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