光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー:笹岡 英資氏【住友電気工業】
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■コースリーダー
住友電気工業(株)笹岡 英資
■講演タイトル
FOE-8
伝送用光ファイバの基礎と将来展望
■講演者
古河電気工業(株)
情報通信・エネルギー研究所 光線路開発部 課長・主席研究員
武笠 和則
急増し続ける通信トラフィックに対応するためには、伝送用光ファイバの高度化が1つの重要な技術となる。講演では、伝送用光ファイバの「基礎」と、ガラスコア型と空孔コア型といった伝送用ファイバの「将来展望」という、二つのコンセプトで解説される。
笹岡氏は「基礎の部分は、光通信に携わっている方の知見を補完できるよう光ファイバの全体像を示すイメージであり、標準化の観点を踏まえた光ファイバの種類、材料や製法、歴史の流れという三つの方向性で構成されている。これにより、聴講いただいた方の断片的な知識の整理や関連性の気付きにお役立ていただければと思っている」としており、「将来展望では、低損失化、ケーブルの高密度化、マルチコアのようなファイバ自体の高密度化、そしてOFCでも話題だった空孔構造光ファイバにも触れる。空孔構造の技術は欧州でも盛んであり、低遅延の伝送で実用化され始めているので、そうした海外事例も紹介頂ける予定だ」と話している。
登壇する武笠氏は、古河電気工業で次世代光ファイバの研究開発に携わっている人物。米国OFS研究所に研究員として駐在し、空孔構造光ファイバの研究開発に従事した経験も有るという。
笹岡氏は「例年実施しているこの光ファイバの基礎講座は、聴講者アンケートでも満足度の高い枠組みだ。講演者が所属する企業は前年と被らないようにしているので、基礎という同じテーマながら別の切り口での解説であり、前回、前々回に聴講いただいた方にも新しい見解を示せる内容となっている」としており、「他の専門技術セミナーでこれから伸びる光ビジネスを聴講いただいている方々にも、最先端の光技術の基盤となる光ファイバの情報を整理するために、この基礎講座も併せて活用いただければと思う」と話している。
特集目次
・「通信・放送Week 2022」開催直前 主催者インタビュー
最新製品と将来技術を知る展示会
■光通信技術展 専門技術セミナー委員インタビュー
・中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】
FOE-K IOWN構想の実現に向けて
・土井 健嗣氏【日本電気】
FOE-1 光トランシーバーの最新動向と新冷戦による影響
FOE-13 クライアント側高速光トランシーバの動向、データレートとフォームファクタの進化
・石部 和彦氏【アンリツ】
FOE-2 Siフォトニクス(トランシーバ技術)アイオーコア社の最新技術動向
FOE-6 ハイパースケールDC向け800Gbps/1.6Tbps光トランシーバの標準化・技術動向
・清水 克宏氏【三菱電機】
FOE-3 Beyond 5G/6G時代の超拡張性を実現する光衛星通信
FOE-5 コヒーレント光センサ技術の応用例と今後の展望
・鈴木 貴智氏【キーサイト・テクノロジー】
FOE-4 プラガブル光トランシーバ測定の基礎
・佐藤 良明氏【NTTエレクトロニクス】
FOE-7 Telecom Infra Project ~オープンかつディスアグリゲートされた、持続可能なトランスポートネットワークの構築~
・笹岡 英資氏【住友電気工業】
FOE-8 伝送用光ファイバの基礎と将来展望
・谷口 和彦氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】
FOE-9 空間分割多重光伝送技術の最新動向と今後の展開
FOE-12 光とASIC(特定用途向け集積回路)のコパッケージへの挑戦
・太田 寿彦氏【古河電気工業】
FOE-10 海底光ケーブルシステムの大容量化に向けた技術動向
FOE-14 化合物半導体/シリコン異種材料集積技術を用いた光集積回路
・和田 悟氏【フジクラ】
FOE-11 IOWN構想実現に向けた光ファイバ技術への期待と今後の展望
・岡安 雅信氏【華為技術日本】
FOE-15 Beyond 400Gコヒーレント光トランシーバの市場・技術動向
■「通信・放送Week 2022」出展製品Preview
・アダマンド並木精密宝石
NICT採択の自己形成導波路など紹介
・NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)
ネットワーク保守、インフラ設備保全、光コネクタ製造を幅広く展示
・キーサイト・テクノロジー
120 GbaudのBERTや、超高速デジタルコヒーレント光伝送評価のAWG
・精工技研
作業効率の良い同社オリジナルのLCユニブーツコネクタや、機能が追加された光コネクタ研磨機
・センコーアドバンス
高密度型SN-MTコネクタを用いた400G伝送ライブデモ
・光貿易
超高速RFモジュール製作請負サービスや、他の追随を許さぬ超高分解能OSA
・横河計測
多心ファイバ測定に優れたOTDRや、高分解能と高速測定を両立したOSA