光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー:清水 克宏氏【三菱電機】
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■講演タイトル
FOE-11「Beyond 5G/6Gを支える光・無線融合技術」
FOE-20「光伝送領域におけるネットワークオープン化動向」
■コースリーダー
三菱電機(株)清水 克宏
清水氏がコースリーダーを務めるセッションでは、光・無線融合技術やネットワークオープン化(ホワイトボックス)ということで、今後のモバイルやデータセンタの技術として注目が高まっている項目が取り上げられている。
清水氏は「NTTがIOWN構想を打ち出されていることもあり、光と無線の融合の重要性は改めて認識されている。そしてホワイトボックスは海外のハイパースケールデータセンタで積極的に展開されていることもあり、日本国内でもハードウェア、ソフトウェアの両面で技術的な土壌が整ってきた」との見解を示しており、「今回は感染症対策を徹底したリアル展示会の講演として、それぞれの分野の最前線で活躍する方々を講師としてお招きしているので、直接お会いできるメリットを実感していただければと思う」と話している。
FOE-11
Beyond 5G/6Gを支える光・無線融合技術
(国研)情報通信研究機構ネットワーク研究所フォトニックICT研究センター
主任研究員
吉田 悠来
無線アクセス網を支える有線網(x-haul)の技術革新は5G実現の鍵であった。この講演では、特に光・無線融合が進むfront-haulを中心として、5Gにおけるx-haul技術を概説するとともに、Beyond 5G/6Gに向けた最新の研究動向などが紹介される。
清水氏は講演のコンセプトについて「x-haulは光・無線融合に関する技術の種類が非常に多く、これが本命というものが決まっていない。おそらくは最後まで決まらずに様々な方式が併用されるだろう。そのため、通信業界の多くの方々が、どこに注力していけば良いのか、どのような製品を開発していけば良いのかを悩んでいる分野でもある。今回の講演は、どの技術が本命かという予測ではなく、注目される技術、最先端の技術をご紹介する」と説明している。
登壇する吉田氏は情報通信研究機構(NICT)の主任研究員であり、ディジタル信号処理技術を中心として、有線/無線通信の高速大容量化および有無線融合技術の研究開発に一貫して取り組んでいる人物だ。清水氏は「NICTは国際学会でも継続的に論文発表されており、アクティビティも非常に高いということで、この分野の最先端の方である吉田氏にご講演いただく。世界的には、基地局まで有線と無線を併用するケースが非常に多いという現状も有るので、日本においても無線の併用は考えられる。そうした中、本展の来場者層に含まれる光デバイスに携わる方々を意識したご講演内容ということで、超高速の光デバイス技術、光電波融合のデバイス技術、そしてファイバを使わずに光を空間で無線通信する技術についても触れていただく」と話す。
光デバイスメーカーにとって魅力的な市場である5Gも、例えば基地局ファンクションの議論の行方次第で求められる速度や機能が変わるなど、清水氏の指摘通り悩ましい要素の多い市場でもある。そうした中でビジネスの方向性を考える上では、最前線で活躍している吉田氏の知見は大いに役立つだろう。
FOE-20
光伝送領域におけるネットワークオープン化動向
NTTエレクトロニクス アメリカフィールドアプリケーションエンジニア
石田 渉
従来は1ベンダで構築されることが多かった光伝送ネットワークをマルチベンダで構築するために、光伝送領域のオープン化が進んでいる。この講演では、光伝送領域のオープン化、特にトランスポンダのソフトウェア、ハードウェア分離に関する最新動向が紹介される。
清水氏は「ホワイトボックス化というのは、ハードウェアベンダにとっては市場価格の点で気になる部分もあるが、標準化によりMSAのトランシーバのようにパイが広がるという期待もある」と指摘しており、「これまで、伝送装置の相互接続をはじめ様々なことが試みられているものの、課題は多い。今回の講演ではそうした点も含め、NTTエレクトロニクスアメリカでホワイトボックス伝送装置に必要となるソフトウェアコンポーネントの開発に携わっている石田氏より、最新動向を解説していただく。例えば、ホワイトボックスのスイッチ、トランスポンダ、更にはトランシーバのハードウェア、ソフトウェア分離についてもご説明いただく予定だ。石田氏はこの分野で世界的に活躍されている方なので、その進捗状況、さらには本格化の時期についてもお話しいただけるのではないかと期待している。また、同社は国際規格にも貢献しているので、その一部もご紹介いただけると思う」と話している。
(OPTCOM編集部)
特集目次
■「通信・放送Week 2021」開催直前 主催者インタビュー
■光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー
佐藤 良明氏【NTTエレクトロニクス】
FOE-K「そろそろ見えてきた!? DX時代におけるデータセンター戦略と光技術への期待」
FOE-K「半導体のイノベーションにより 潜在的なデジタルトランスフォーメーションを実現」
FOE-22「レーザ網膜投影技術:医療ヘルスケアからXR応用まで」
土井 健嗣氏【日本電気】
FOE-1「光トランシーバの最新市場動向」
FOE-10「次世代ハイパースケールデータセンタにおける400Gbps 超級光トランシーバの最新動向」
岡安 雅信氏【華為技術日本】
FOE-2「光トランシーバの最新標準化動向」
FOE-14「InP/Siヘテロ集積シリコンフォトニクスの最新技術動向」
和田 悟氏【フジクラ】
FOE-3「AIを活用した光ネットワークの運用高度化の最新技術動向」
FOE-17「マルチコア光ファイバの最新技術動向」
太田 寿彦氏【古河電気工業】
FOE-4「IOWN/Beyond 5Gに向けた光ケーブルへの期待と将来展望」
FOE-6「光電融合・IOWN時代を担う、光半導体デバイス技術を紐解く」
界 義久氏【NTTアドバンステクノロジ】
FOE-5「近赤外光重合による光部品自動接続の現状と将来展望」
FOE-18「電気光学ポリマーを用いた光制御デバイス・テラヘルツデバイス」
石部 和彦氏【アンリツ】
FOE-7「Beyond 5Gアクセスネットワークに向けた最新光デバイス技術」
FOE-16「シリコンフォトニクスによる光トランシーバの集積化・高密度化の進展」
谷口 和彦氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】
FOE-8「次世代光ファイバの接続技術動向」
FOE-9「デジタルコヒーレント光トランシーバの最新技術動向」
FOE-15「光コパッケージと次世代シリコンフォトニクスの応用」
清水 克宏氏【三菱電機】
FOE-11「Beyond 5G/6Gを支える光・無線融合技術」
FOE-20「光伝送領域におけるネットワークオープン化動向」
笹岡 英資氏【住友電気工業】
FOE-12「通信用光ファイバとファイバ型デバイスの基礎」
FOE-21「フォトニック結晶スローライトによる小型・非機械式 LiDAR」
鈴木 貴智氏【キーサイト・テクノロジー】
FOE-13「光トランシーバ測定の基礎」
FOE-19「デジタルコヒーレント光伝送の最新技術動向」