施工現場、保守における光ファイバ端面検査の重要性(3)
期間限定無料公開 有料フルーク・ネットワークス
データセンタや企業LANにおける光・メタル配線用のケーブルテスタを幅広く提供するフルーク・ネットワークス。
日本のLAN物理層の発展に大きく貢献してきた同社は現在、MPOファイバ・トランクの損失および極性をテストできる「MultiFiber Pro MPO/MTP 光パワー・メーター/光損失測定キット」を購入したユーザに光端面検査器「FI-7000 FiberInspector Pro」を無償でプレゼントするキャンペーンを、2016年11月30日まで実施している。フルーク・ネットワークス営業部テクニカル・マーケティング・アドバイザーの天本英樹氏は「光ファイバ端面の検査とクリーニングが、最も推奨される光ファイバ障害の解決策とされているが、依然としてデータセンタ、キャンパス、およびその他のエンタープライズ・ネットワーク環境やテレコム・ネットワーク環境においては、接続部の汚れが光ファイバ関連の問題やテスト不合格の 1 番の原因である。アメリカでは常識的に端面検査が行われているが、日本ではそこまでには、至っていない状況のため、端面検査の必要性についての啓蒙を行っていきたい。今回、ロステストで不合格になった場合にすぐ端面検査に移行できる利便性を日本のお客様に実感して頂こうとキャンペーンを今年の4月から始めた。反響は大きく、FI-7000自体の注目度も高まり、キャンペーンとは別に単体でご購入されるお客様も増えている」と説明している。
運用中の配線が端面汚れで突然の不具合
天本氏は「光配線の端面汚れのトラブルとして、今まで問題なく動いていた配線が突如動かなくなるケースもある。光ファイバ配線システムは空気中の目に見えない埃によって通信ができなくなることもある。メタル配線ではこのようなトラブルは無いので、見落とされやすいリスクだ」と警鐘を鳴らす。
敷設時のテストで問題がなくても、運用中の挿抜で誤って触れてしまい端面が汚れる可能性はある。通信の影響の無い場所に付着していた汚れが挿抜の際に移動して障害の原因になるケースも報告されている。天本氏は「運用中の光ファイバ・ネットワーク・システムがダウンすれば基幹業務に支障をきたすことになり、ビジネス上甚大な損害を被りかねない。運用の現場での端面検査スコープなど保守ツールを導入しておくことは予防保全の観点から安心だ。また、医療の現場では4K映像の非圧縮伝送を使った手術が増えているので、こうした現場でも手術中の人命にかかわるトラブル回避のために、光ファイバ端面検査を含めた保守の注目度は高まっている」と話す。
業界初のフラッシュライトを備えながら従来製品の約1/2 の価格を実現した光ファイバ端面検査スコープの新製品
フルーク・ネットワークスが9 月20 日に販売を開始する新製品「FI-500 FiberInspector Micro」は、業界初の内蔵フラッシュライトProtBright(特許取得中)を備えた光ファイバ端面検査装置だ。天本氏はフラッシュライトの利便性について「データセンタやオフィスの配線クローゼット内に照明が届かないケースは多い。また、配線の高密度化によりポートが密集しているので、対象のポートをより早く見つけることができるよう手元をライトで照らす機能を追加した」と説明している。
狭いパッチ・パネルで作業がしやすいようプローブはスリム化(117mm×51mm×23mm)されており、プローブに装備された手元のボタンで簡単に操作ができる。オート・フォーカス機能によって光ファイバ端面を約2 秒で検査できる。一時停止ボタンを使い、バックライト付きの専用大型カラー・ディスプレイ(320×240)で、その場で即、詳細な検査を行うことができる等、光ファイバ配線の施工や測定の効率化に役立つ機能が盛り込まれている。あらゆる単芯コネクタ端面を検査できるよう様々なチップが用意されている。天本氏は「シンプルな手動検査スコープと高価な自動検査スコープの中間に位置するモデルだ。単芯光コネクタの検査に特化し、自動判定機能を省くことで、作業現場で役立つ様々な機能を備えながら従来の自動検査スコープの約1/2 の価格でご提供できるようにした」と話す。