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光通信技術セミナー企画委員インタビュー:小熊 健史氏【日本電気】

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■講演タイトル
【FOE-5】
AI クラスタにおける光インターコネクトの地殻変動

■コースリーダー
日本電気
トランスポートネットワーク統括部シニアプロフェッショナル
小熊 健史

■講演者
LightCounting
Market ResearchCEO and Chief Analyst
Vladimir G. Kozlov

日本電気
トランスポートネットワーク統括部シニアプロフェッショナル
小熊 健史氏

 今後10年間で、多種多様な “新種 “の光インターコネクトが出現することが予想される。AIクラスタの多様な構築は、それらを「配線」したり「配線し直したり」するための多様なソリューションを必要とする。
 GoogleとNvidiaは、すでに異なるタイプの光トランシーバを使用しており、将来の計画は分かれている。両社ともより高速な光トランシーバの使用を計画しているが、前者はより高いリンクバジェットを重視しており、後者はより低コストと消費電力を優先している。LPOとCPOに対する見解も異なっている。
 世界的なAI競争は初期段階にある。より特化したタイプのアクセラレータが登場し、GPUやTPUをベースとしたAIシステムの性能が向上することが期待されている。LLMトレーニングの効率を向上させるために、様々なタイプのクラスタ アーキテクチャがテストされ、導入されるだろう。光学の役割は、これらの変化を促進するために、ポイント・ツー・ポイント接続を超えて進化する。
 本講演では、主要クラウド企業のAI戦略と、光インターコネクトに対するこれらの戦略について解説される。コースリーダーの小熊氏は「主に市場動向を扱うので、LPOやCPOの技術を扱う他のFOE講演と併せてご聴講いただくことで、より理解を深めていただけるだろう。例えば、今後の光トランシーバ技術に求められる要素として、伝送速度の将来性、低消費電力、メンテナンス性などがあり、それらの要素を各技術で比較すると一長一短というのが現実だ。本講演で解説する主要クラウド企業のAI戦略から、市場の様々な要求を読み取っていただくことで、他のFOE講演で解説される各技術の詳細な特徴を様々な視点で捉えていただければ幸いだ」と話している。

 登壇するKozlov氏は、2004年に設立されたLightCountingの創設者 兼 CEOであり、これまでも光通信技術セミナーの講師として好評を博してきた人物だ。現在、LightCountingは光・無線ネットワークを含む世界の通信業界をカバーする市場調査のリーディングカンパニーであり、Kozlov氏はオプトエレクトロニクス技術およびデバイス、光通信、市場調査において30年以上の経験を有している。
 小熊氏は「光通信が今後どのように活用されていくかを考えると、目前には本講演でもタイトルにしているAIが有り、また本講演で触れるかは別として、その先にはデジタルツイン等も想定されている。生成AIアプリケーションも、デジタルツインのために収集する膨大なデータも、その伝送には今よりも広帯域が求められるので、消費電力の問題は今後も長く取り組むことになる。では、光インターコネクトは低消費電力化にのみ注力すれば良いかというと、そのためにメンテナンス性を変えて良いのかという議論も出てくる」と指摘しており、「Kozlov氏による本講演では、主要クラウド企業のAI戦略ということで、AI クラスタにおける光インターコネクトの市場動向を、市場調査会社の中立的なデータに基づいた的確な見解で語っていただけるだろう。その中では、例えば市場動向におけるLPOとCPOの比較なども出てくるかもしれない。これまでも800Gでプラガブルとコパッケージは比較され、それは1.6Tでも続いており、3.2Tでも議論が続くかもしれないが、どちらかの技術が主流になれば済むというよりは、双方で培われる技術の進展が今後も長く光通信市場で役立つのではないかと思う。本講演で、どのような技術が市場で求められているか、またKozlov氏の鋭い考察を知っていただくことで、ご聴講いただく皆様のビジネスの将来展望にもお役立ていただけるだろう」と話している。

(OPTCOM編集部)

光通信技術セミナー企画委員インタビュー目次

■6月26日(水)の講演

【FOE-1】800G/1.6T/3.2T光トランシーバ標準化とモダンデータセンタ向けCPO/LPOの最新動向
企画委員:布施 由起治氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】

【FOE-2】AIデータセンタ実現に向けた光ファイバ技術の将来展望
企画委員:和田 悟氏【フジクラ】

【FOE-3】チップレット技術の進化と挑戦
企画委員:鈴木 貴智氏【キーサイト・テクノロジー】

■6月27日(木)の講演

【FOE-4】NTT東日本のAPNサービス提供、ユースケース創出に向けた取り組み
企画委員:中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】

【FOE-5】AI クラスタにおける光インターコネクトの地殻変動
企画委員:小熊 健史氏【日本電気】

【FOE-6】光電融合デバイスの進展:通信からコンピューティングまで
企画委員:森 浩氏【アンリツ】

【FOE-7】超広帯域光ファイバ通信技術の動向
企画委員:黒部 立郎氏【古河電気工業】

【FOE-8】どの光変調器がベストか? 薄膜LN vs InP vs SiPh
企画委員:佐藤 良明氏【NTTイノベーティブデバイス】

■6月28日(金)の講演

【FOE-9】IOWN に見る All Photonics Network の最新研究開発動向
企画委員:鈴木 巨生氏【三菱電機】

【FOE-10】コパッケージ vs リニアドライブ
企画委員:佐藤 良明氏【NTTイノベーティブデバイス】

【FOE-11】Space Compassが目指すマルチオービット構想における光通信技術
企画委員:玉置 忍氏【住友電気工業】

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