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光通信技術セミナー企画委員インタビュー:【FOE-8】どの光変調器がベストか? 薄膜LN vs InP vs SiPh

INTERVIEW 有料

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■コースリーダー
NTTイノベーティブデバイス
会長
佐藤 良明

NTTイノベーティブデバイス(株)
会長
佐藤 良明氏

 このセッションでは、光変調器における薄膜LN、InP、SiPh(シリコンフォトニクス)技術の特長を比較する。
 コースリーダーの佐藤氏は「冒頭で3つの光変調器をご紹介した後、それぞれの分野のエキスパートの方々に技術動向や適したアプリケーション等をご解説いただく。各エキスパートの方は、それぞれの技術の専門であるが他の技術もよく把握されているので、幅広い視点で各光変調器の講演をして頂けるだろう」と説明している。

薄膜LN光変調器の高速化および高集積化技術動向
富士通オプティカルコンポーネンツ(株)
マネージャー
牧野 俊太郎

 LN変調器の小型化技術として近年注目を集める薄膜LNに基づく光変調器デバイスの技術動向について講演する。次世代のBeyond 130Gbaudに向けた高速化技術およびシリコンフォトニクスとの異種材料集積技術による高集積化について紹介される。
 登壇する牧野氏は、2017年に富士通オプティカルコンポーネンツに入社し、研究開発職としてシリコンフォトニクスや薄膜LNに基づく光集積回路の設計開発に従事。薄膜LNは2019年より担当し、2022年に薄膜LNに基づくドライバ集積コヒーレント変調器を開発、現在に至る。
 佐藤氏は「LN変調器は最初に登場した光変調器であり、1990年代から長く使われている。それが、今後の数百ギガやテラビット通信に向けてどのように発展していくのかを、シリコンフォトニクスと薄膜LNの双方に精通している牧野氏に解説していただく」と話している。

InP材料を用いたデジタルコヒーレント通信用光変調器の最新動向
NTTイノベーティブデバイス(株)
第二事業部 APNデバイス商品開発部
部長
石川 光映

 デジタルコヒーレント通信の更なる大容量化、長延化に向けてさらなる高速動作が求められている。本公演では高速化のキーとなる光変調器に関して、InP材料を用いたコヒーレント通信用光変調器の最新動向について紹介する。
 登壇する石川氏は、1997年に日本電信電話に入社し、光通信用半導体光・電子デバイスの開発に従事。2013年より半導体光変調器の開発を担当し、2024年8月よりNTTイノベーティブデバイスに所属、現在に至る。
 佐藤氏は「InPを用いた光変調器は最も高速である点で注目されているが、温度調整など課題もある。これをどのような技術で解決するのか、また今後の市場展望について、講演では触れる予定だ」と話している。

単一波長 800 Gb/s 短距離光ファイバー リンク用のシリコン フォトニクス
Aloe Semiconductor Inc.
CEO
Christopher Doerr

 短距離の光ファイバー通信における現在のレートは、100GbaudのPAM4を使用した波長あたり200Gbpsだ。本講演では、シリコンフォトニクスの展望である、今後2、3年の波長あたり400Gbps、さらに800Gbpsへの道筋について解説する。
 登壇するDoerr氏は、マサチューセッツ工科大学で航空工学の学士号、電気工学の学士号、修士号、博士号を取得。 IEEE、OSA、ベル研究所のフェロー。2009年にIEEE William Streifer Scientific Achievement Award、2020年にIEEE Photonics Awardを受賞。 Acacia Communicationsでシリコンフォトニクスの取り組みを主導し、現在は注目のベンチャー企業であるAloe Semiconductorの創設者 兼 CEOとして活躍している。
 佐藤氏は「シリコンフォトニクスには、光変調器の小型化を実現する集積化や、シリコンプロセスによる低コスト化というメリットが有る。その一方で、LNやInPのような高速化は難しいとされているが、Doerr氏は高速化も含めたシリコンフォトニクスの設計にトライしている。Doerr氏はAcaciaでシリコンフォトニクスを用いたトランシーバの設計をされていたこともあり、この分野では有名なスーパーエンジニアだ。講演では、技術の進捗や、狙っているアプリケーションについて、技術の最先端に携わる視点でお話しいただけるだろう」と説明している。

(OPTCOM編集部)

光通信技術セミナー企画委員インタビュー目次

■6月26日(水)の講演

【FOE-1】800G/1.6T/3.2T光トランシーバ標準化とモダンデータセンタ向けCPO/LPOの最新動向
企画委員:布施 由起治氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】

【FOE-2】AIデータセンタ実現に向けた光ファイバ技術の将来展望
企画委員:和田 悟氏【フジクラ】

【FOE-3】チップレット技術の進化と挑戦
企画委員:鈴木 貴智氏【キーサイト・テクノロジー】

■6月27日(木)の講演

【FOE-4】NTT東日本のAPNサービス提供、ユースケース創出に向けた取り組み
企画委員:中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】

【FOE-5】AI クラスタにおける光インターコネクトの地殻変動
企画委員:小熊 健史氏【日本電気】

【FOE-6】光電融合デバイスの進展:通信からコンピューティングまで
企画委員:森 浩氏【アンリツ】

【FOE-7】超広帯域光ファイバ通信技術の動向
企画委員:黒部 立郎氏【古河電気工業】

【FOE-8】どの光変調器がベストか? 薄膜LN vs InP vs SiPh
企画委員:佐藤 良明氏【NTTイノベーティブデバイス】

■6月28日(金)の講演

【FOE-9】IOWN に見る All Photonics Network の最新研究開発動向
企画委員:鈴木 巨生氏【三菱電機】

【FOE-10】コパッケージ vs リニアドライブ
企画委員:佐藤 良明氏【NTTイノベーティブデバイス】

【FOE-11】Space Compassが目指すマルチオービット構想における光通信技術
企画委員:玉置 忍氏【住友電気工業】

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