ルーメン・テクノロジーズ 田所社長が語る、2023年の戦略【1:顧客のマルチクラウド環境をグローバルでサポート】
INTERVIEW 有料ルーメン・テクノロジーズ(以下、ルーメン)は、通信事業者として前身のSAVVIS が日本でホスティングサービスを開始してから、今年で35年目を迎える。
ルーメン・テクノロジーズの代表取締役社長である田所 博文氏は、2023年 年頭所感において「2022年は、帯域保証のビジネス向けインターネット接続やCDN が好調で、大容量のデータの送受信、ユーザ数の急増と配信安定化を課題とする多くの配信業者様や企業様に支持された他、Webセキュリティに関心の高い企業様からはふるまい検知型の次世代 WAFについての引き合いをたくさん頂いた。また、年度末には、さらなる市場の需要に応えるため、データ量の増大やリアルタイム処理の需要に対応するエッジコンピューティングを日本市場に投入した。Lumen エッジベアメタルは、ユーザの希望するロケーションで、要望のスペックで専用の従量課金制のエッジ占有サーバサービスで、遅延を大幅に削減、セキュリティとパフォーマンスを最大化する」としており、「2023年は、このエッジコンピューティングを主力商材として、本格的に日本市場に展開していき、さらに高度なアプリケーション配信システムの充実を図る。また、長年のクラウド運用の実績を活かし、マルチクラウドの統合運用管理サービスを拡充していく。更に主要なパブリッククラウド事業者様とのパートナーシップを強化していく。そして、お客様の視点に立ったサポート体制を強化するため、人材やオペレーションに投資し、お客様のニーズに寄り添ったビジネスに変革していく」との方針を示している。
今回の記事では、注目の高まるCDN や、Lumen エッジベアメタル、ふるまい検知型の次世代WAFの反響について、また年頭所感で提示された方針の詳細として、ルーメンのマルチクラウドの統合運用管理サービスの展開とパブリッククラウド事業者とのパートナーシップ強化、サポート体制やセキュリティの強化について、田所氏から戦略を聞いた。
(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)
ルーメンは、グローバルなITプラットフォーマーであるLumen Technologiesの日本法人として、幅広いポートフォリオの中から日本市場に適した商材を選び、顧客に提案している。
田所氏は「Lumen Technologiesがグローバルで展開しているサービスを、そのまま日本でご提供するだけではなく、日本のお客様のご要望をヒアリングしてカスタマイズすることも重視している。これは、お客様ごとにご要望が様々なので、グローバルのサービスをそのままご提供するだけでは、細かいところまで手が行き届かないケースが多分にあるからだ。そうした面も含め我々のサポート体制はご評価いただいていると自負しており、多くの主要なお客様から20年以上のお付き合いをいただいている。その重要性は、米国本社もAPACも理解を示している」と話す。
顧客のマルチクラウド環境をグローバルでサポート
田所氏は2023年に注力する取り組みの一つとして「主要なパブリッククラウド事業者とのパートナーシップ強化」を挙げている。
ルーメンは従来から、マネージドホスティングやプライベートクラウドのサービスを展開しており、現在、その顧客がマルチクラウドやハイブリッドクラウド環境に移行してグローバル展開の拡大を進めていることから、その運用のサポートを強化する方針だ。田所氏は「お客様のクラウド環境の移行は米国でもAPACでも同様のトレンドであり、Lumen Technologiesの各リージョンでパブリッククラウド事業者とのパートナーシップを強化している。日本のお客様からもAWS、Azure、Google Cloud、Alibaba Cloud、そしてOracle CloudやVMware Cloudのご要望を頂いている。我々はマルチクラウドの品質を担保しながらお客様をグローバルでサポートできる数少ない企業という強みを活かしていく」と話す。
インタビュー目次
1:顧客のマルチクラウド環境をグローバルでサポート。主要なパブリッククラウド事業者とのパートナーシップ強化
2:エッジプライベートクラウドからマルチクラウド統合運用管理まで、幅広いクラウド ポートフォリオ