新設の「ローカル5G/IoT活用展」が好評だった「通信・放送Week2022」。来年から『COMNEXT[次世代]通信テクノロジー国際展』となり2倍の規模で開催【2】
INTERVIEW 有料次回は「COMNEXT 第1回[次世代]通信テクノロジー国際展」に新生
――:次回開催のコンセプトを教えてください。
土屋氏:FOEから数えて22回を迎えた「通信・放送Week2022」は、来年から「COMNEXT 第1回[次世代]通信テクノロジー国際展」として生まれ変わります。従来の構成展である「光通信技術展」「5G通信技術展」「映像伝送 EXPO」「4K・8K 映像技術展」「ローカル5G/IoT活用展」はエリアとして残り、新たに“「5G通信技術展」の材料ゾーンがエリアとして独立”“5Gに加えて6Gを明記”“NEXT STAGEエリアを新設”といったコンセプトを加えます。
6Gといった通信系分野が強化されることについては、映像系の出展社からもおおむね好意的です。理由としては“そもそも映像系の製品でも、通信技術はもう切り離すことが出来ない状況”“コロナ以前は放送局中心だった売り込み先が、それ以外からの売り上げが伸びており新コンセプトによる展示規模・来場者増に対する期待が大きい”といった点が挙げられます。
5Gの材料ゾーンに関しては、今回が初の試みながら大盛況だったことを受けて「5G・6G材料エリア」として独立します。これまで材料の展示というのは、半導体など大きな括りの展示会の中でカテゴリの中の一つ として出ている状況でしたので、今回は5Gの材料ということを明確にしてゾーンを設けました。こうした試みは世界的に見ても無かったようで、初回から大手メーカーの出展が揃いました。また、5Gによりエレクトロニクスの世界が様変わりすると期待している電子基板メーカーや電子部品メーカーの方々も来場しており、『これだけ多くの材料を比較検討できる場はなかなか無い。他の展示会だと5Gの材料を探すのは大変で、広い会場に1、2社しか無かった』といった反響を頂いています。今回は出展社層へのアナウンス期間が短かったことから出展を見合わせた企業が多かったのですが、来年はそうした企業の出展が増えますので、エリアとして拡大します。
次世代技術がクロスする「NEXT STAGEエリア」
――:新設する「NEXT STAGEエリア」はどういった内容になるのでしょう。
土屋氏:未来の通信技術を体感できる場として、主催者企画などを含めたエリアとして設置します。今年の会期中から、数社と水面下でお打ち合わせが進行しており、Beyond 5G/6Gや8K映像などの技術がクロスしたような、まさに次世代技術が詰まったエリアとなる予定です。
まだ構想の段階ですが、展示ブースの商談展とは異なる、エンターテインメント性を出して、未来の技術をご紹介できればと考えています。例えば、パネルディスカッション、ホログラムを使った6G世界のご紹介、衛星通信や光半導体など最先端技術の実物展示、グローバルなフォーラムのグループ展示といった案を検討しています。
これは同展全体の方向性でもあるのですが、出展社や来場者の皆さんと一緒に作っていく展示会をめざしています。自分達一社ではできないけど皆が集まるイベントならできるのではないかという案や、イベントでこういうことをして欲しいというご要望が有れば、積極的にご意見を頂きたいと思っています。
セミナーは、6Gや海外動向セッションを強化
――:セミナー関連はどのような構成となるのでしょう。
土屋氏:従来のセミナーは聴講者も多いので、今後も継続していきます。また、「通信・放送Week2022」では、初めて「6Gセミナー」を開催しました。その反響が大きかったことから、「COMNEXT 第1回[次世代]通信テクノロジー国際展」でも、国、キャリア、システムメーカーなどあらゆる立場から6Gの情報をキャッチできるセミナーを複数実施します。
6Gの実装は2030年と言われていますが、業界の皆様は今からその“方向性”が気になるのだと改めて実感しました。今回のセミナー聴講者に向けて行ったアンケートで、『海外6G動向が聴きたい』というお声を多く頂いたこともあり、次回の6Gセミナーでは海外動向セッションを増やす予定です。「COMNEXT」を国際展にすべく、まずは日本にいても海外の息吹が感じられる、そんなセミナーを作っていきます。また、従来は展示会ごとに棲み分けてセミナーを構成していましたが、次回は来場者の皆様が気になるテーマであれば、エリアごとの棲み分けとは別に、独立したテーマであってもいいと考えています。先ほどの6Gセミナーも“どこかのエリアのコンセプトに属する”というものではなく、「COMNEXT」に来場したどの方も聴ける、未来の話を提供できる場にしようと考えています。
RX Japanが培ってきた営業力や、世界中のRXグループとの連携による来場者誘致
――:展示会名が「国際展」となりましたね。
土屋氏:「COMNEXT」は、出展社、来場者を海外からも多数集めて国際化します。5G、6Gとモバイルのジェネレーションが進むと共に関連が深まってくるAI、量子コンピューティング、XR技術、カーエレクトロニクスといった様々な分野の専門展示会も弊社は主催しているので、こうした分野の通信に活用できる製品、技術展示も国内外問わず一堂に会することになります。
国際展ということで、国内企業にとって日本に居ながら海外のビジネスパーソンとマッチングできる非常に魅力的なイベントとなります。その実現のための弊社の取り組みの一つに、海外から来場者を呼ぶ特別招待という制度があります。これは、弊社スタッフが海外大手ユーザの研究所・工場などを訪問して、CTOなどのトップと直接お会いして来場を説得するという活動です。もちろん特別招待というからには、来ていただくVIPに弊社で特典をつけてご招待します。また、この活動を通じ、そのトップだけでなく会社として繋がりを持つことが出来るので、海外大手ユーザの部課長クラスも団体で来場してもらえます。これは地道な営業活動と同じであり、これができるのが弊社の強みだと思っています。もちろん、その他にも世界中のRXグループと連携しての告知活動、来場誘致活動を行い、国際展を作っていきます。
日本の材料・部品の技術は世界的に高い優位性を持っていますので、海外のビジネスパーソンを誘致するための一つの切り口になると思っています。国内のビジネスにのみ注力している出展社も、本展をキッカケに海外展開が始まるということがあれば主催者として嬉しいです。今は翻訳機やアプリが高度化していますので、様々な国の方々とのマーケティングができるようにサポートすることも検討しているところです。
――:最後に、業界の皆様にメッセージをお願いします。
土屋氏:既に出展に関する問い合わせを多数いただいており、開催規模は今年の2倍の規模になる予定です。今年の会場は西ホールの1階のみでしたが、来年は2階にも拡大する予定です。出展を検討されている方は、ぜひお早めに事務局までご連絡いただきたいです。
また、来場申込開始は来年春ごろを予定しています。展示規模は今年の2倍となり1日では回り切れない規模となるので、ぜひ今からスケジュールに入れていただき、同僚・上司・関係者と一緒に3日間の会期をご活用いただければ幸いです。
Interview目次
・様々な業種のビジネスパーソンが来場した「ローカル5G/IoT活用展」
・次回は「COMNEXT 第1回[次世代]通信テクノロジー国際展」に新生