光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー:中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】
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■講演タイトル
FOE-K IOWN構想の実現に向けて
■コースリーダー
NTTアドバンス テクノロジ(株)中村 二朗
■講演者
日本電信電話(株)IOWN総合イノベーションセンタ センタ長
塚野 英博
多様な価値観を受容できる豊かな社会を作るため、光を中心とする革新的技術を活用した未来社会を支えるネットワーク・情報処理基盤構想「IOWN」。今年の基調講演では、IOWN構想のキーとなる光電融合技術とIOWNへの適用イメージ、スーパーホワイトボックスに代表されるディスアグリゲーテッドコンピューティング、オールフォトニクスネットワークが解説される。
IOWN総合イノベーションセンタは、NTTがIOWN構想の実現に向けた研究開発力の強化を目的として2021年7月1日に設立した機関だ。講演日は設立から一周年を迎えるタイミングでもあり、新たな試みのセンタを牽引した塚野氏の、一年の経験を基にした見解を聴くことができるだろう。同センタについて中村氏は「いわゆる個々の要素技術の開発ではなく、マテリアル、デバイスから、幅広く技術を結集して、それらを組み合わせてIOWNを実現するための組織だ。登壇する塚野氏は、NTTのIOWN構想の研究開発の責任者であるとともに、富士通の調達部門での活動を通してハードウェア、ソフトウェアの多岐にわたる業界・企業と長年関わってきた経験をお持ちなので、光通信技術展の講演者に適している」と話す。
IOWN構想の実現に向けては様々な技術が必要となり、基調講演でその全体像、専門技術セミナーでは個々の技術の最新動向を把握できるので、複数の講演を聴講することでより理解を深めることができるだろう。中村氏は「IOWNはグローバルフォーラムということで、NTTだけでなく国内外の企業が参加しており、その“世界の智の集合”を日本発で実現するイメージだ。IOWNが想定している2030年に近づくにつれ、世界からの注目も高まっている。今回、塚野氏からはIOWN全体のイメージだけでなく、部品開発からネットワーク構成、ソフトウェア基盤といった必要な要素まで的確に分かる解説をしていただく」と話している。
IOWN構想は、ネットワークや端末処理などを光化することにより、インターネット上のトラフィック増加およびデータ量増加、ならびにエネルギー消費量の増加の問題を同時に解決することが期待される。NTTグループでは2040年をカーボンニュートラル実現の目標と掲げており、IOWN構想の重要なテーマの一つでもある。
中村氏は「IOWNでは、大容量化が進むモバイルも含めて光伝送の活用がますます重要になる。シリコンフォトニクス技術やファイバ接続技術など、日本企業が得意とする様々なデバイスやマテリアル技術が活かされるので、日本全体の活性化に繋がるのではないか」と話している。
IOWNに向けたロードマップは広範囲のビジネス分野に大きな影響を与える要素であり、常に最新の情報を把握しておいた方がよいだろう。
(OPTCOM編集部)
特集目次
・「通信・放送Week 2022」開催直前 主催者インタビュー
■光通信技術展 専門技術セミナー委員インタビュー
・中村 二朗氏【NTTアドバンステクノロジ】
FOE-K IOWN構想の実現に向けて
・土井 健嗣氏【日本電気】
FOE-1 光トランシーバーの最新動向と新冷戦による影響
FOE-13 クライアント側高速光トランシーバの動向、データレートとフォームファクタの進化
・石部 和彦氏【アンリツ】
FOE-2 Siフォトニクス(トランシーバ技術)アイオーコア社の最新技術動向
FOE-6 ハイパースケールDC向け800Gbps/1.6Tbps光トランシーバの標準化・技術動向
・清水 克宏氏【三菱電機】
FOE-3 Beyond 5G/6G時代の超拡張性を実現する光衛星通信
FOE-5 コヒーレント光センサ技術の応用例と今後の展望
・鈴木 貴智氏【キーサイト・テクノロジー】
FOE-4 プラガブル光トランシーバ測定の基礎
・佐藤 良明氏【NTTエレクトロニクス】
FOE-7 Telecom Infra Project ~オープンかつディスアグリゲートされた、持続可能なトランスポートネットワークの構築~
・笹岡 英資氏【住友電気工業】
FOE-8 伝送用光ファイバの基礎と将来展望
・谷口 和彦氏【富士通オプティカルコンポーネンツ】
FOE-9 空間分割多重光伝送技術の最新動向と今後の展開
FOE-12 光とASIC(特定用途向け集積回路)のコパッケージへの挑戦
・太田 寿彦氏【古河電気工業】
FOE-10 海底光ケーブルシステムの大容量化に向けた技術動向
FOE-14 化合物半導体/シリコン異種材料集積技術を用いた光集積回路
・和田 悟氏【フジクラ】
FOE-11 IOWN構想実現に向けた光ファイバ技術への期待と今後の展望
・岡安 雅信氏【華為技術日本】
FOE-15 Beyond 400Gコヒーレント光トランシーバの市場・技術動向
■「通信・放送Week 2022」出展製品Preview
・アダマンド並木精密宝石
NICT採択の自己形成導波路など紹介
・NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)
ネットワーク保守、インフラ設備保全、光コネクタ製造を幅広く展示
・キーサイト・テクノロジー
120 GbaudのBERTや、超高速デジタルコヒーレント光伝送評価のAWG
・精工技研
作業効率の良い同社オリジナルのLCユニブーツコネクタや、機能が追加された光コネクタ研磨機
・センコーアドバンス
高密度型SN-MTコネクタを用いた400G伝送ライブデモ
・光貿易
超高速RFモジュール製作請負サービスや、他の追随を許さぬ超高分解能OSA
・横河計測
多心ファイバ測定に優れたOTDRや、高分解能と高速測定を両立したOSA