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光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー【FOE3】Beyond 5G時代を目指し、光部品・集積技術を紐解く!

INTERVIEW 有料

古河電気工業(株)
情報通信ソリューション統括部門 ファイテル製品事業部門
事業部門長
太田 寿彦氏

コースリーダー:
古河電気工業(株)太田 寿彦

サブリーダー:
アンリツ(株)石部 和彦

 専門技術セミナー全体でも扱われるセッションの多いBeyond 5G。太田氏はこのコースの狙いについて「5年後、10年後を見据えた光集積技術を扱う。一つ目の講演は光源に特化した内容。そして二つ目の講演では中国から見た5G、Beyond 5Gということで、地政学的なことも含めた講演となる。本コースを聴講いただくことで、新しい洞察を深めていただければと考えている」と話す。

●デジタルコヒーレント通信用波長可変レーザの進展
古河電気工業(株)
研究開発本部 情報通信・エネルギー研究所 フォトニックデバイス開発部
部長
黒部 立郎

 デジタルコヒーレント通信の適用範囲がメトロ、データセンタ間へと拡大しつつあり、キー部品である波長可変光源(ITLA)の小型、低消費電力化が求められている。このセッションでは古河電気工業の黒部氏が登壇し、ITLAの進展について解説する。
 古河電気工業は2019年に高出力と狭線幅の特性を保ちつつ従来サイズの半分となる「Nano ITLA」を開発している。黒部氏は「Nano ITLA」のプロジェクトリーダーであり、デジタルコヒーレントに関するレーザ開発における草分け的な存在だ。今回の講演では、「Nano ITLA」に代表される小型で少消費電力型の光源について解説される。
 次世代の光源は、どのようにフィールドで実用化されていくのか。例えば、「Nano ITLA」は1.6T時代も見据えた次世代デバイスであり、まずはデジタルコヒーレントのエリアとしては比較的短距離な、80kmから100kmにおける400G伝送で適用される。太田氏は「20kmといった短距離までデジタルコヒーレントが広がることを前提にして開発している。今後、800G、1.6TとなるにつれてDSPと変調器、あるいはDSPと受光機間の送信が厳しくなってくると、どうしてもその部分は集積になる。そうなった時、我々の方向性としては、Nano ITLAをベースにした集積機器デバイスの期待値は高い。あるいは、光源だけが独立し、光源以降が集積化されてNano ITLAは共通のモジュールのようになるかもしれない。我々はその両方を意識している」と話す。

●400G以上の高速大容量通信に向けたコヒーレント用光製品の開発状況及び今後の挑戦
HiSilicon Optoelectronics Co., Ltd.
Products Mgmt & Technology Planning
Director
Tianzhu Liu

 2つ目の講演では、コヒーレント光技術に関する最新の進展および技術動向、800G/1.6Tコヒーレント光技術に関わる主な課題および想定応用、デジタルコヒーレントをデータセンタおよびWANにおけるグレイリンクとして利用する機会および想定ソリューションについて説明される。
 スピーカーは、HiSiliconでデジタルコヒーレントの光トランシーバ研究に携わるDirectorのTianzhu Liu氏。太田氏は「中国から見た5G、Beyond 5G時代を語ってもらう。中国において長距離を構築する通信事業者や、短距離を構築する大手IT系企業がどのような展望を持っているかを考える上で、Liu氏の話す開発状況や今後の展望は参考になるだろう。800Gや1.6Tの課題や想定ということで、デジタルコヒーレントの適用範囲や、トランシーバのプラガブル型とオンボード型の境界線、こういったものに様々な見方がある中でLiu氏がどのような見解を示されるのか、私も興味深い」と話している。
 なお、Liu氏は中国の方なので、本セッションはビデオ講演となる。

(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

特集目次

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光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー
【FOE-K】光通信技術展 基調講演
【FOE-1】光トランシーバの最新技術動向
【FOE-2】最先端 光材料技術の動向と今後の展望
【FOE-3】Beyond 5G時代を目指し、光部品・集積技術を紐解く!
【FOE-4】次世代高速光通信技術
【FOE-5】巨大化するデータセンタを支える光技術
【FOE-6】【基礎講座】初日に学ぶ 光ファイバ・光デバイス、光測定の基礎
【FOE-7】5G/Beyond5Gに向けた光通信技術の最新動向と取組み
【FOE-8】自動運転を支える光応用技術
【FOE-9】 5G/Beyond5Gとそのエッジコンピューティングに関する最新市場動向
【FOE-10】 世界をつなぐ最先端ネットワーク 海底ケーブルの最新動向

「通信・放送Week 2020」主催者インタビュー