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光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー【FOE-4】次世代高速光通信技術

INTERVIEW 有料

華為技術日本(株)
アジアパシフィック購買認証センター
シニアオプティカルエキスパート
岡安 雅信氏

コースリーダー:
華為技術日本(株)
岡安 雅信
サブリーダー:
富士通オプティカルコンポーネンツ㈱
谷口 和彦

 このコースでは、ロングホールの次世代OTNで期待されている技術や、高速化が進む電気入出力インターフェース技術の最新動向や今後の展望について解説される。

●OTN光伝送技術の進化と最新動向について
華為技術日本(株)
ソリューションセールス本部
担当部長
蒋 楠

 OTN(Optical Transport Network)技術は、光伝送網の主要技術として、大容量・長距離伝送を主眼に進化してきた。この講演では、OTN光伝送技術の進化と最新動向について紹介される。
 ロングホールに強いHuaweiが次世代の光ネットワークをどのように考えているのか。登壇する蒋氏がピックアップする技術は、Liquid OTNだ。この技術が示す柔軟というのは、OTN で扱われるパイプの中で一番データレートの低いODU0(1.25 Gbps)よりも、低帯域幅のサービスを大量に効率良く収容すること。岡安氏は「例えば、ODU0で100Mbpsサービスを実行する場合、使用可能な帯域幅の10%程度と効率が悪い。かといって低速のサービスを複数集めてからODU0というパイプに纏めて通そうとすると、遅延が発生してしまう。そこを如何に工夫して伝送の効率化を図るかというのがLiquid OTNだ。本講演では、そのコンセプトや進捗状況を紹介する」と話している。
 OTNが低速のサービスも収容できるようになれば、5Gトランスポート、IoT、専用線、AR / VRなど、様々なトラフィックタイプへの適用性が向上するだろう。ITUで審議されているLiquid OTNの標準化は2022年に標準化が完了する予定だ。少し先の技術に思えるが、Huaweiは9月末に開催されたHUAWEI CONNECT 2020で、Liquid OTNを搭載した業界初の光伝送プラットフォーム「OptiXtrans E6600 series」を発表している。今回の講演では、日本にいながらその最新の情報も得ることができるだろう。

●112Gbps電気入出力インターフェース技術開発の動向
Intel Corp.
Intel Fellow, IEEE Fellow
Mike Peng Li

 このプレゼンテーションでは、まず現在OIFで審議されている112G電気インターフェースの審議状況について解説される。すなわち、電気インターフェース間の相互接続が直面してきた課題を検討した後、これらの課題を克服したソリューションが紹介される。ピックアップされるのは、シグナリング/モジュレーションフォーマット/コーディング(FECを含む)、送受信機の設計および回路、相互接続/チャネル(パッケージ、pcb/ケーブル、コネクタを含む)特性ならびにリンクシステムトポロジーの予定だ。
 岡安氏は「次世代高速光通信を実現するには、光の技術だけではなく電気側の技術も重要となる。そこで本セッションでは、電気入出力インターフェースの標準化や技術の動向を扱う。ご講演いただくLi氏はこの分野で標準化をリードしている人物なので、その解説から将来的な展望も見通せるだろう」と話す。
 講演では、112G電気I/Oからのスケーラビリティおよび拡張性、次世代224G電気I/Oとの相互接続、関連課題、そしてトレードオフとしてのオプション、ソリューションまで言及される予定だ。現在の市場においては56G電気インターフェースが既に採用され、OIFでは800Gbpsの光トランシーバを実現するための112G PAM4電気インターフェースを審議している。その倍となる224Gというのがどういう世界となるのか、Li氏の講演が非常に楽しみだ。岡安氏は「電気入出力インターフェースを最初に議論しているOIFは標準化団体ではないが、デファクトスタンダードを決めており、224Gの議論も始まろうとしている。本講演では、その技術的な解説もしていただく予定だ」と話す。
 なお、Li氏は海外の方なので、本セッションはビデオ講演となる。IntelはトランシーバやSerDesのICにも積極的に取り組んでいるので、同氏の講演ではそうした最新技術の紹介も期待できる。

(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)

特集目次

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光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー
【FOE-K】光通信技術展 基調講演
【FOE-1】光トランシーバの最新技術動向
【FOE-2】最先端 光材料技術の動向と今後の展望
【FOE-3】Beyond 5G時代を目指し、光部品・集積技術を紐解く!
【FOE-4】次世代高速光通信技術
【FOE-5】巨大化するデータセンタを支える光技術
【FOE-6】【基礎講座】初日に学ぶ 光ファイバ・光デバイス、光測定の基礎
【FOE-7】5G/Beyond5Gに向けた光通信技術の最新動向と取組み
【FOE-8】自動運転を支える光応用技術
【FOE-9】 5G/Beyond5Gとそのエッジコンピューティングに関する最新市場動向
【FOE-10】 世界をつなぐ最先端ネットワーク 海底ケーブルの最新動向

「通信・放送Week 2020」主催者インタビュー