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光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー【FOE-9】5G/Beyond5Gとそのエッジコンピューティングに関する最新市場動向

INTERVIEW 有料

(株)フジクラ
光ケーブルシステム事業部
副事業部長
和田 悟氏

コースリーダー:
㈱フジクラ 和田 悟
サブリーダー:
三菱電機㈱ 清水 克宏

 世界中で5G導入の話題が聞かれ始め、今後は産業面においても自動車やFA・ロボット、家電、インフラその他に至るまで、幅広い市場への転用が期待されている。しかし、産業における運用では、レイテンシの膨張やリアルタイム性、或いはセキュリティ対策の対応が必須となり、すべてをクラウド側でマネジメントすることにも限界が見えてきている。そこで、近年注目を集めているのがエッジコンピューティングだ。コースリーダーの和田氏は「5Gは標準化こそ遅れているが、中国や韓国など4Gの延長線上からマスユーザへ向けた商用化をスタートした。日本も含め、個人ユーザへ向けてこれから如何なるサービスを提供していくかという段階で、重要なカギになるのはエッジコンピューティングだろう。エッジコンピューティング自体のサービスの現状やネットワークと絡んだ場合にどのようなサービス・アプリの展開が考えられるのか、また事業性の視点から色々検証してみたい」と述べる。また、本コースではさらなるレイテンシ膨張に備えて、Beyond5Gへの展望も併せて語られることとなる。

●世界の5G導入最新動向と6Gへの進化
エリクソン・ジャパン㈱
チーフ・テクノロジー・オフィサー
藤岡 雅宣

 「最初の講演者の藤岡氏は業界でも名の通った方だ。世界的な5Gサプライヤの日本代表の方に、世界の5Gの現状と6Gに向けた動きを語って頂く。今はNTTの出資を受けたNECなど日本のサプライヤも海外展開を見据えて動こうとしている節がある。Industrie4.0のような産業界への5G展開も含めて語って頂けるだろう」と和田氏は語っている。本セッションは、エッジコンピューティングの基盤となる5G/Beyond5Gの言わば現状認識を概説するものとなる。また、NTT研究所の内覧会でも近年Beyond5Gについての展示は為されており、今年には総務省も2030年代へ向けたBeyond5G推進戦略を公表している。6Gにおいて日本がイニシアチヴを握るためには、まず本セッションで日本と世界の立ち位置と将来的な6Gの事業性を見定めることも必要だろう。

●5Gエッジコンピューティングの最新市場動向
㈱情報通信総合研究所
主任研究員
佐高 大平

 「左高氏には、まずエッジコンピューティングが必要とされる背景と提供されるであろう具体的なサービスを紹介して頂く。実際に、NTT東日本が提唱しているREIWA(Regional Edge with Interconnected Wide-Area Network)プロジェクトなどで既に展開されているサービスも存在し、Verizon等の海外キャリアでもサービス展開への動きを見せている。ただ、現状ではどのプレイヤーも個々のユーザに対してどうするのが最適のサービスなのか試行錯誤を繰り返しつつアプローチをしているようだ。いずれにせよ、事業性を持たせることが出来るアプリを提供できるかがカギだろう」と和田氏は指摘する。従来のエッジ側では、IoTゲートウェイ経由でLPWA等を通じてクラウド側とデータをやりとりしていたが、産業界におけるロボット操作等では特に膨大なコストとレイテンシが嵩むこととなる。そこで出てきた概念がエッジコンピューティングやエッジデバイスだが、実運用面では5G同様にまだまだサービスの最適化へは道半ばのようだ。本セッションはサプライヤ側及びユーザ側の両面からアプローチすることで、エッジコンピューティングの効果的活用法を探ることとなる。

●データセンタインターコネクションとエッジコンピューティングの最新市場動向
Omdia
Components, Transport and Routing
Practice Leader
Ian Redpath

 3番目の講演者は、海外調査会社からの招聘ということで時節を鑑みてビデオ講演という形となる。「2番目のセッションと内容が少し重複するかもしれないが、主に通信事業者とGAFA等のISPが運用するHSDCにおけるエッジコンピューティングについて語って頂く。通信事業者はスペースや電力等のエッジDCのリソースを提供し、ICPがそのリソースをどのような形で事業性を有する5G/IoTサービスを提供しているかまで触れて頂ければありがたい」と和田氏は期待を寄せる。近年、コンピューティングのワークロードは「オンプレミスからオフプレミス(クラウド)へのシフト」傾向にあったが、その一方で「クラウドからエッジへのシフト」も起きつつある。2番目のセッションとは異なるフェーズで、クラウドとエッジをお互いにどのように最適化させるかが本セッションのポイントだろう。

(OPTCOM編集部 井上政基)

特集目次

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光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー
【FOE-K】光通信技術展 基調講演
【FOE-1】光トランシーバの最新技術動向
【FOE-2】最先端 光材料技術の動向と今後の展望
【FOE-3】Beyond 5G時代を目指し、光部品・集積技術を紐解く!
【FOE-4】次世代高速光通信技術
【FOE-5】巨大化するデータセンタを支える光技術
【FOE-6】【基礎講座】初日に学ぶ 光ファイバ・光デバイス、光測定の基礎
【FOE-7】5G/Beyond5Gに向けた光通信技術の最新動向と取組み
【FOE-8】自動運転を支える光応用技術
【FOE-9】 5G/Beyond5Gとそのエッジコンピューティングに関する最新市場動向
【FOE-10】 世界をつなぐ最先端ネットワーク 海底ケーブルの最新動向

「通信・放送Week 2020」主催者インタビュー