光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー【FOE-6】【基礎講座】初日に学ぶ 光ファイバ・光デバイス、光測定の基礎
INTERVIEW 有料コースリーダー:
住友電気工業㈱ 笹岡 英資
サブリーダー:
キーサイト・テクノロジー㈱ 鈴木 貴智
FOEセミナーでは定番となっている基礎講座だが、今年の本コースはコースリーダーである笹岡氏の意向で、開催初日の午前中のプログラムに設定されている。笹岡氏は「これから光通信を勉強しようという参加者が、展示会場の視察やセミナーの他コースを聴講するうえで、何よりも最初に基礎的な知識を学ぶことを目的としてプログラムを組んだ。基礎講座で学ぶのが初日か最終日かで、展示・他のセミナーコースの理解に差が生じるだろう。FOE2020を有効活用したいと考えている方は、基礎力を高めるために本基礎講座に是非参加して頂きたい」と語っている。
昨年の基礎講座では、デジタルコヒレントと光通信計測技術を取り上げていたが、概ね俯瞰的に広い範囲を網羅した内容に高評価が集まったようだ。「今年の基礎講座では、出来るだけトピック全体を網羅した話にすることで、初めて聴く人にもわかりやすいように配慮したい。他コースに最先端や次世代技術を扱った話題が多いので、光ファイバ・ケーブルに関しては敢えて基礎講座でカバーしようという狙いもある」とも笹岡氏は述べている。
●光ファイバと光部品
住友電気工業㈱
光通信研究所シニアスペシャリスト
金森 弘雄
本コースのスピーカーは、笹岡氏の意向で展示会出展者かつセミナー企画委員の企業から選出されている。FOEのセミナー傾向も熟知しており、その豊富な経験から前述の笹岡氏の狙いも確実に体現されることだろう。本セッションでは、セミナー企画委員も経験している住友電気工業の金森氏がスピーカーを務める。笹岡氏は「金森氏のアウトラインでは、光ファイバ通信の基本的原理から始まって、幹線系や大容量のULH、アクセス系等のアプリケーションに触れていく予定だ。光ファイバの話がメインとなるが、パッシヴ系デバイスやそれらを包含するシステム構成や接続技術にも言及することとなる。また、他のセミナーコースとの関連も意識して、データセンタに使用される光ファイバや光部品も紹介してもらえるだろう」と語る。
今年のセミナーコースでは、光ファイバに特化したセッションは本セッションを含めて非常に稀少だ。しかし、昨年のセミナーの例をひけば、光ファイバのコース(セッション)の聴講者満足度は一番高かったという。光通信の世界を一から学びたい方や広く俯瞰して知識を得たいという方にはお薦めのセッションと言えるだろう。
●基礎からわかる光測定
キーサイト・テクノロジー㈱
ソリューションエンジニアリング本部 エンジニアリング2部
シニアソリューションコンサルタント
山口 修司
キーサイト・テクノロジーは、Beyond 100Gbaud開発エンジニアへの測定ソリューションを提供するようなハイエンド測定ベンダのトップランナーだ。2番目のセッションは、そのキーサイトから講演経験も豊かな山口氏が登壇する。笹岡氏は「本セッションでは、光通信システムの基礎要素である光伝送路、光トランスミッタ、光レシーバを中心に、そこに用いる測定器や測定原理を取り上げて頂く予定だ。これらの基礎を踏まえて、光通信システムのビット誤り率(BER)の評価、コヒレント多値変調への展開まで語られるだろう」と述べている。ここで光通信システムの基礎要素としてピックアップされる光伝送路、光トランスミッタ、光レシーバは海底ネットワークのULHからDCIの400G ZRまで全ての光通信システムに不可欠である。換言すれば、これら3要素に関する測定基礎を押さえておくことは、短距離から超長距離まで様々なアプリケーションに応用が利くということだ。これから光通信を学び始める聴講者には打ってつけのセッションだろう。
(OPTCOM編集部 井上政基)
特集目次
光通信技術展 セミナー企画委員インタビュー
【FOE-K】光通信技術展 基調講演
【FOE-1】光トランシーバの最新技術動向
【FOE-2】最先端 光材料技術の動向と今後の展望
【FOE-3】Beyond 5G時代を目指し、光部品・集積技術を紐解く!
【FOE-4】次世代高速光通信技術
【FOE-5】巨大化するデータセンタを支える光技術
【FOE-6】【基礎講座】初日に学ぶ 光ファイバ・光デバイス、光測定の基礎
【FOE-7】5G/Beyond5Gに向けた光通信技術の最新動向と取組み
【FOE-8】自動運転を支える光応用技術
【FOE-9】 5G/Beyond5Gとそのエッジコンピューティングに関する最新市場動向
【FOE-10】 世界をつなぐ最先端ネットワーク 海底ケーブルの最新動向