通信・放送Week 「5G/IoT通信展」開催発表・説明会を開催【リード エグジビション ジャパン】
INTERVIEW 有料 通信・放送業界の最先端技術が集う総合展示会「通信・放送Week2019」は、会期を4月から7月に変更し、現在建設中の東京ビッグサイト「青海展示棟」(りんかい線「東京テレポート駅」下車:徒歩約2分)にて開催される。
同展は4つの専門展で構成されており、「光通信技術展」「映像伝送EXPO」、そして名称を新たにした「4K・8K映像技術展(旧:4K・8K機材展)」、「5G/IoT通信展(旧:次世代モバイル通信展)」において各分野の最新情報が提示される。通信・放送Week展事務局は「通信と放送の融合を進めるということで、協賛いただく業界団体も増えている。次回の開催では、4つの専門展の関連性が更に強まるようなコンセプトを追加していく」と話す。
今回のインタビューでは、同展事務局長の土屋勝利氏、同展事務局の阿部紘和氏から、出展申し込みの状況や次回の展望、そして10月30日に開催される開催発表・説明会について話を聞いた。
(OPTCOM編集部 柿沼毅郎)
OPTCOM:出展申し込みの状況は如何でしょう。
土屋事務局長:それぞれの展示会で順調にお申し込みが増えています。特に「光通信技術展」が顕著で、現時点で前回実績を上回っています。これは、「通信・放送Week」として映像伝送やモバイル・IoTの専門展を立ち上げたことによる相乗効果で、前回の出展社からは新たに開拓しようとしていた放送分野や無線基地局向けに製品を売り込むことができたというお声を多数頂いています。そして、それを知って新たに出展する企業や、出展を見合わせていた企業が復帰するといった好循環になっている状況です。また、前回まで会期が4月だったため、「OFCと近い」という理由で出展を見合わせていた海外企業が、次回は会期が7月ということで出展を決めたケースもあります。
阿部氏:「通信・放送Week」全体として、最終的には前回比で2倍となる500社に拡大できる見込みで、来場者数は3万名を見込んでいます。
――:次回の開催に向けた新たな取り組みを教えてください。
土屋事務局長:「次世代モバイル通信展」の名称を「5G/IoT通信展」へと変更します。これは5Gの基地局設備といった基礎インフラや、前回の開催で反響の大きかったLPWAなどIoTの通信技術がメインとなります。「4K・8K機材展」という名称も「4K・8K映像技術展」へと変更します。放送と通信の融合が進み、高精細映像の技術は放送分野だけでなく、医療分野や産業分野からも求められています。そこで、機材だけではなくコンテンツ制作や配信サービスも含めた専門展に拡大しました。ここで4K・8Kの重いデータを配信するサービスが紹介され、併設される「映像伝送EXPO」ではそのサービスを実現する映像伝送システム、そして「光通信技術展」や「5G/IoT通信展」では映像伝送システムを繋ぐ通信技術が紹介されるので、「通信・放送Week」を構成する各専門展の関連性が強化されます。また、コンテンツという要素に関しては、映像だけでなく通信でも取り込んでいきます。
阿部氏:また、「通信・放送Week」では以前から災害対策やセキュリティを目的とした来場者は多かったので、次回はそうしたキーワードを前面に出していきます。通信や放送は止められないインフラですので、その災害対策やセキュリティは重要になります。また、急増しているIoT端末に対するセキュリティも注目が高まっています。
土屋事務局長:こうした通信・放送インフラの保護という意味のセキュリティだけではなく、高精細映像の監視カメラ網といったセキュリティシステムを支えるインフラという観点からも、映像技術や映像伝送システム、そして光通信や5G、IoTといった通信技術を扱う「通信・放送Week」にとって、セキュリティというのは親和性の高いキーワードだと考えています。10月30日には、こうした新しいコンセプトの発信も含めて開催発表・説明会を実施します。
――開催発表・説明会の概要を教えてください。
土屋事務局長:2018年10月30日(火)10:00~17:40(8部制)新宿野村ビル48階にて行います。個別のご説明会という形で実施し、展示会の開催背景や他社の出展状況、来場者予定者の探している商材や導入時期・予算などの詳細な情報をお伝えします。参加企業の出展内容・製品にマッチした情報をご用意して、出展によるビジネスの可能性をお伝えできればと考えています。開催発表・説明会へのご参加は、公式WEB・または、お電話でお申込みいただけます。
今回のインタビューで特に興味深かったのは、伝送路の災害対策だ。例えば、無線通信による伝送路は地震による損害が有線通信よりも少なく、有線通信による伝送路は降雨減衰や水膜減衰が発生しないといったように、伝送媒体により災害の影響が違う。もちろん、どちらの方式も災害対策は配慮されて構築されるが、こうしたことから冗長性を組む際には別の方式を採用するという考え方もあり、無線と通信の両方を扱う「通信・放送Week」に伝送路の災害対策というコンセプトを加えれば、それらを比較検討できる場となることが期待できる。
IoTが様々な産業に広がり、また広域医療という新しい形の重要な通信用途も出てきている。大小様々な規模の通信インフラが構築されていく中で、それぞれのネットワークの形に適した災害対策やセキュリティを模索するのは、意義深いことだろう。