住宅内の情報を収集・蓄積・加工するIoTプラットフォーム構築に関する共同実証試験を開始
DX/IoT/AI 無料 東京電力パワーグリッド、日立製作所、パナソニックの3社は11月7日、住宅内の電気の使用状況や温度などの情報を収集・蓄積・加工することのできるIoTプラットフォーム構築に関する共同実証試験を開始した。
実証試験では、本年11月から2017年3月までの間、東京都を中心とした関東エリアの約100戸の住宅を対象にして、分電盤周辺等に家電製品の種類ごとの電気使用の変化をリアルタイムに検知するための専用の電力センサおよび住宅内の温度などを測定する環境センサを設置し、センターシステムにおいてデータを収集、日立製作所の専用システムにて蓄積・加工するプラットフォームを構築する。
また、住宅からはブロードバンド回線を利用してセンターシステムへの効率的な伝送方法を検証するほか、電力センサとブロードバンドルータ等との間の通信方式として高速PLCの適用性を検討するなど、必要な装置やシステム全体の性能・有効性を検証する。
今回の実証試験において、東京電力パワーグリッドは全体の取りまとめに加え、専用センサの開発やデータ処理および取得したデータを広くサービス事業者と共有した上で協業の可能性の検討を行う。また、日立製作所はデータの蓄積・加工を担うとともに、蓄積・加工するプラットフォームの有効性を検証し、パナソニックは主に高速PLCによる住宅内機器間のネットワークの有効性を検証する。
同IoTプラットフォームの構築により、専用の電力センサなどを備えていない住宅であっても、家電製品の種類ごとの電気使用の変化を見える化することで電気の消し忘れや使い過ぎなどに気づくことが可能となる。また、電気の使用状況や温度などの情報を活用したサービスの検討も進める予定で、例えば、それらの情報から在宅状況を推定することにより、見守りや安否確認などのセキュリティーサービスの充実など、利用者のライフスタイルに応じた商品・サービス向上に寄与する。
将来的には、セキュリティ対策を万全に講じた上で、こうしたサービスを行う事業者と協力し、利用者の安心・安全・利便性向上に貢献していくという。