Eコマース経由で、Meraki GoやCisco Webexなど新ラインアップを販売開始

　シスコシステムズは4月11日、個人事業主やスタートアップ企業をはじめとする従業員25名以下の小規模な事業者をターゲットにした新規事業の立ち上げを発表した。
　同社は「社会のデジタルトランスフォーメーションが進む中、今やデジタル化は、大企業だけに求められていることではない。日本企業の99.7％を占める中小企業こそビジネスを加速させることが急務であり、この度のシスコの取り組みは、そのデジタル化を支援するものだ」としている。
　新規事業では、専任のIT担当者を配置することができない小規模な事業者向けに、限られたリソースで容易に信頼性の高いネットワーク環境を構築できる「Meraki Go（メラキ ゴー）」シリーズを立ち上げ一般のEコマース経由で販売、またクラウドベースのWeb会議サービス「Cisco Webex」に新ラインアップを加え自社サイトで販売し、高性能でセキュアな機器やソリューションの導入を容易に行えるようにする。

市場参入の背景

　日本の全企業の約85％を占める小規模事業者（2016年6月、経済産業省／中小企業庁の調査）は、日本の雇用を支えていることはもちろん、政府が取り組む地方創生においても、“地域の特性に即した課題の解決”に大きな役割を担っている。
　一方、これらの企業や個人事業主は、多岐にわたる業務をこなす必要があり、従業員の雇用から給与管理、在庫管理から顧客へのサービス提供まで、限られたリソースで生産性を向上させることが求められている。スマートデバイス普及への対応や、セキュリティ対策などの課題が山積する中、専任のIT担当者を配置することは難しいのが現状だ。
　シスコは「企業のデジタル化に向けては、規模の大小に関わらず、快適で安全なネットワーク基盤を構築、運用し、ITを活用することが肝要で、業務効率化や働き方改革につながると考えられている」としている。

製品戦略の強化 ― 従業員25名以下の小規模な事業者をターゲットにした新製品ポートフォリオ

簡単にセットアップ可能な「Meraki Go」シリーズ
　クラウド管理型ネットワーキングソリューションCisco Merakiに新たにラインアップされる「Meraki Go」は、セルフモデルのシリーズで、屋内型アクセスポイント「Cisco Meraki Go GR-10」および屋外型アクセスポイント「Cisco Meraki Go GR-60」で構成されている。従来のCisco Merakiシリーズ同様、高い品質と安全性を担保しつつ、平易な操作性が最大の特長で、専用のアプリケーションモバイルアプリ「Cisco Meraki Go Mobile App」によりスマートフォンでのネットワーク管理が可能だ。ネットワークの状況の確認、ゲストWi-Fiや、セキュリティ設定などが容易に行える。

「Cisco Webex」シリーズに無料で使えるオプションも提供
　従来の「Cisco Webex」シリーズに、小規模事業者が導入しやすいプラン「Cisco Webex Starter」、「Cisco Webex Plus」、「Cisco Webex Business」が加わる。さらに、3名までの会議が利用できる無料トライアルも提供する。

新たな販売チャネルの確立

　今回新たに発表した「Meraki Go」シリーズ、「Cisco Webex」シリーズは、新たな販売体制で展開する。マーケット プレイスを通じた販売により、特にIT管理者のいない小規模事業者、個人事業主も簡便に製品を導入できる。Meraki Goは、一般のEコマース経由で、Cisco Webexは自社サイトにて、5月より販売開始を予定している。またシスコの社内にMeraki GoおよびCisco Webexに対応する専任のセクションを新設、製品開発、マーケティング、保守等を担当する。
　2015年9月に発表した日本発の中小企業向けブランド「Cisco Start」も、さまざまな活用事例が増えてきた。「Cisco Start」は、引き続きダッシュボードの日本語化や製品ポートフォリオの拡充に努め、シスコ認定パートナーによる販売強化を支援する。

Cisco Startシリーズのポートフォリオ拡充

• セキュリティ「Cisco Umbrella」日本語化
• コラボレーション「Cisco Webex Share」、「Cisco Webex Room Kit Mini」
• ルータ「Cisco 900J」シリーズ
• クラウド管理製品「Cisco Meraki」の新製品群、スイッチ「Cisco Meraki MS」シリーズ、セキュリティカメラ「Cisco Meraki MV」

　また、小規模事業者向けのビジネス立ち上げにあわせて、従来より取り組んできた、中小企業向け市場のさらなる拡大に向けた需要喚起のために各種のマーケティング、プロモーション活動を強化する。シスコは「ブランドキャンペーンと連動して、ブランド認知（See）、体験（Try）、購入（Buy）を促進する活動を展開する。ブランドキャンペーンでシスコとその製品を知ってもらい、キャンペーンで実際に体験して、オンラインでの購入を促す。プロモーション ビークルであるシスコネットワーク体験車両(Cisco Network Experience Vehicle)が巡回する」としている。