インターネットイニシアティブ（以下、IIJ）は8月6日、クラウド型のネットワークサービス（SD-WAN）「IIJ Omnibusサービス」の機能を拡充し、より柔軟なWAN構成を実現する「WANユニット」を発表した。8月23日から提供が開始される。
　IIJ Omnibusサービスは、SDN/NFVの技術を活用することで、インターネット、WAN、セキュリティなど企業ネットワークに必要な機能を仮想化し、オンデマンドで提供するサービス。ユーザは、ルータやVPN、ファイアウォールなどの機器を所有することなく、必要なときに必要な機能をアセットレスで利用でき、複雑化するネットワーク運用の負荷とコストを大幅に削減することができる。
　今回提供を開始する「WANユニット」では、従来のWANモジュールと比べ、より柔軟なネットワーク構成に対応する。ユーザは、拠点間で直接通信できるフルメッシュ型構成や、拠点から直接インターネットへ抜ける構成など、利用形態に応じて最適なネットワークを構築できるようになり、社内ネットワーク全体における遅延の低減および信頼性の向上を図ることができる。
　サービスの主な特徴は以下の通り。

柔軟なWAN構成に対応

　各拠点が相互に直接つながるフルメッシュ型のWANを構成することができるため、テレビ会議など拠点間通信を行う場合にも低遅延で信頼性の高い通信環境を実現する。拠点ではActive-Active構成をとることもでき、2系統の効率的な利用が可能だ。また、拠点から直接インターネットへ接続することにより、クラウドアプリケーション等を利用する際にも、センターへのトラフィックの集中を回避できる。

オンラインポータルでの構成可視化/設定変更

　WANのトポロジや各拠点の設定状況など最新のネットワーク情報をオンラインポータルから確認できる。ネットワークの疎通を確認するPingや情報を参照するShowコマンドなどを実行することもできる。また2018年内には、オンラインポータルより、ユーザ自身で設定変更を行なうことができる機能を提供する予定。

IPv6 IPoEサービスの拡充

　ひかり電話の契約があった場合でもIPoEによるIPv6接続サービスを利用でき、フレッツ回線の輻輳による遅延を回避したVPNを構築できる。