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IoTを支える「電波見える化技術」を開発【三菱電機】

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 三菱電機は5月24日、無線通信の電波強度を高速・高精度に把握し、無線機器の最適配置を支援する「電波見える化技術」を開発したと発表した。電波強度の把握に必要な電磁界シミュレーションの高速化とその結果の見える化により、専門家による無線機器の配置設計が不要になり、街全体に加え、トンネルやオフィスなどへのIoTシステム導入にかかる時間・コストの低減に貢献する。

開発の特長

電波減衰を予測するモデルを構築し、高速・高精度に電波を見える化

  • 電波を見える化する対象空間の3次元モデルを構築することで、実環境に近い条件での電磁界シミュレーションを実現
  • 電波強度の計測手法であるレイ・トレース法※3と電波の実測データベースから電波減衰の特性を抽出した統計モデルを併用することで、計算時間を100分の1に短縮
  • 電波減衰を予測する統計モデルは、オフィスや商業施設など個々の電波環境の電波強度を多数実測して構築し、従来モデルと比較し最も高い精度※4を実現

※3 電波を光線(レイ)とみなして電波強度を計算する手法
※4 2017年5月24日現在(同社調べ)

無線機器の配置を最適化し、IoTシステム導入の時間・コストを低減

  • 無線通信の状態を的確に把握し、街全体に加え、トンネルやオフィスでの無線機器の配置を最適化
  • 専門家による無線機器の配置設計が不要になり、IoTシステム導入までの時間・コストを低減

開発の背景

 近年、オフィス、商業施設などにおいて、無線を使ってさまざまなモノをインターネットにつなげるIoTシステムの導入が進められている。通常、無線システムを構築する際には、現場の構造物やレイアウトを元に専門家が無線機器の配置設計を検討して設置するが、最適な設置場所を決めるまでには無線通信の強度測定を繰り返し行う必要があり、導入までの時間とコストに課題があった。
 同社は「IoTが導入されるさまざまなシーンで高速・高精度に電波を見える化する技術を開発した。計算機上で仮想的に配置した基地局や無線LANアクセスポイント(AP)などの無線機器に対して高速に電磁界シミュレーション結果を表示することで無線通信の電波強度を確認でき、IoTシステム導入にかかる時間とコストの低減に貢献する」としている。