AIエッジコンピューター「AE2100」対応AIライブラリー第一弾として「波形解析 ForeWave for AE2100」を販売開始【OKI】
DX/IoT/AI 無料振動や音響などの波形データをリアルタイムにエッジ処理し、効率的な設備保全へ
OKIは11月6日、AIエッジコンピューター「AE2100」に対応したAIライブラリーの第一弾として、「波形解析 ForeWave for AE2100(以下 ForeWave for AE2100)」の販売を11月30日より開始すると発表した。同商品は、振動や音響といった波形データをエッジ領域でリアルタイム解析し、設備などの異常兆候を検知するソフトウェア。データの収集からそのAI解析と結果の見える化までを、オールインワンで「AE2100」へ搭載することにより、効率的な状態基準保全の仕組み作りを実現する。
「ForeWave for AE2100」の標準価格は800,000円(税抜)~。「AE2100」、および関連するハードウェアは別売り。
国内市場における労働力不足が深刻化するなか、将来の競争力強化に向けて、効率的な設備保全の実現が大きな課題として認識されている。従来、設備故障の兆候検知は、すべての設備を対象とした定期検査のなかで、高速フーリエ変換(FFT)やウェーブレット変換といった従来技術や、熟練技術者の聴覚や触覚などの感覚的なノウハウを用いて行われてきた。しかし、定期的な検査では、故障の兆候が発生してから検知するまで時間があき、現場でのすばやい兆候検知に至らない場合がある。加えて、従来技術では複雑な設備状態の認識は難しく、また、熟練技術者のノウハウは、その技術的な難易度から、次代を担う人材への技術継承が困難となっている。
KIは、これらの課題に着目し、昨年10月に販売を開始した波形解析ソフトウェアライブラリー「ForeWave」に、振動や音響といった波形データをリアルタイムにエッジ領域でAI解析する商品メニューとして「ForeWave for AE2100」を追加した。これにより、設備故障による振動や音響の変化をいち早く検知し、管理者、現場オペレータ、保全技術者などにリアルタイムに通知することができる。また、「ForeWave for AE2100」は、ユーザの設備への適用条件や精度を検証し、異常の閾値となる判別モデルを作成するモデル生成サービス、およびシステム導入後の運用を支援するキットなど、従来の「ForeWave」の商品メニューと組み合わせて導入する。一般的なAI解析技術では、対象設備や検知したい異常ごとに、解析手法そのものと、異常の閾値となる判別モデルを準備する必要がるが、「ForeWave for AE2100」は、解析手法として汎用性の高いOKI独自の波形データ解析向けAI解析技術を搭載しており、判別モデルの入れ替えだけで、さまざまな設備の異常兆候検知に利用できる。
OKIは「今後もお客様の課題解決に向け、雑音ノイズの除去技術や高速なディープラーニング技術の適用など、新たな価値につながる技術開発を通して、ForeWaveの商品メニューを拡充していく」としている。
「ForeWave for AE2100」の概要
「ForeWave for AE2100」は、「AE2100」へ搭載され、振動や音響といった波形データをリアルタイムにエッジ領域でAI解析して、設備状態を知らせる。AI解析手法として、機械学習をベースにした、OKI独自の波形データ解析向けAI解析技術を採用している。
「ForeWave for AE2100」の特長
音響データ解析に対応:「ForeWave for AE2100」は、従来「ForeWave」が対応してきた振動データに加え、新たに音響データにも対応している。指向性のあるマイクなどを利用し、振動センサーの取り付けが難しい高温部や湾曲部の異常検知にも対応する。
高いレスポンス要望に応えるエッジ活用:サンプリング周波数50kHzまでという高い周波数帯の振動や音響のデータ検知および解析に対応している。これは、熟練技術者の聴覚による故障兆候の検知に匹敵するレベルとなる。ここで発生する大量のデータはエッジ領域でリアルタイムにAI解析され、高いレスポンスで正確な検知を実現する。
データ収集からAI解析・見える化までのオールインワン提供:「ForeWave for AE2100」により、波形データの取り込みから解析、判別結果の表示まで、振動や音響のデータ解析に必要な一連の機能を「AE2100」へ搭載することができる。
商品メニュー
「ForeWave for AE2100」導入の各フェーズで求められるサービスやソフトウェアは次の通り。
モデル生成サービス:ユーザが指定する設備において、「ForeWave for AE2100」で利用するパラメータの最適値を探り、異常判別の閾値となる判別モデルを作成するサービス。
運用支援キット:設備の状況や環境条件により、異常検知精度の悪化がみられる場合に、ユーザ自身で、閾値となる判別モデルを微調整できるキット。