大陸間を結ぶ長距離光海底ケーブルの大容量化に貢献

　NECは、光ファイバを用いた伝送ネットワークにおいて、1ファイバあたり毎秒34.9テラビット(Tbps)の大容量通信を、大西洋を横断する距離に匹敵する6,300kmにわたり実現する実験に成功したと発表した。
　この実験で得られた周波数利用効率は8.3bps/Hzであり、これまでの長距離光伝送における世界記録を更新した。この値は、周波数利用効率の理論上の限界値(シャノン限界)に0.5デシベル(dB)まで迫るもので、NECでは大陸間を結ぶ光海底ケーブルの更なる大容量化に貢献する成果だと捉えているという。
　本実験では、正規分布を活用した64値振幅位相変調方式(DP-64APSK)、誤り訂正符号化技術、非線形波形歪耐力に優れた準シングルモードファイバ技術を組み合わせることで、Cバンド(1.55マイクロメートル帯)の周波数帯域を用いて1ファイバあたり34.9Tbpsの通信を6,300kmにわたり実現した。
　周波数は通信システムにおいて必要不可欠な有限の資源で、帯域の効率的な利用は大容量伝送の重要な要素です。周波数利用効率の向上は、容量当たりにおける伝送装置などの設備投資の低減と、ファイバの伝送容量の最大化に貢献する。
　NECは、過去40年にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛ける海底ケーブルのトップベンダで、地球6周分のべ25万kmを超える敷設実績がある。