アラクサラネットワークスは5月19日、ミッションクリティカルな用途のネットワークに向け、冗長切り替えの速度を高速化し、高信頼化したボックス型のレイヤ3スイッチAX3660Sシリーズを製品化すると発表した。

　IoT技術の進展やクラウド利用の増加に伴い、ネットワーク上を大量のデータが、リアルタイムでやりとりされることが非常に多くなっている。こうしたネットワークでは、複数の回線や経路による冗長化が行われており、通信障害時には短時間で冗長切り替えが行えることが重要となる。アラクサラでは、冗長切り替えの時間を最小限まで短縮するため、独自のアーキテクチャを開発し、AX3660Sシリーズに実装したという。
　AX3660Sシリーズは2016年度第4四半期から出荷を予定しており、5年間で約2万台の販売を見込んでいるという。ラインアップは3モデル。

製品特長

高速な冗長切り替え機能（3モデル共通）

　独自のマルチコアCPU最適化技術により、高速な冗長切り替えを実現。これにより、イーサネットリングにおいて50ミリ秒以下での切り替えが可能となり、また従来シャーシ型スイッチで実現していた（同社比）、BFDによる50ミリ秒以下のL3高速切り替えにも対応予定。

ポリシーベースミラーリング機能搭載（3モデル共通）

　ポリシーベースミラーリング機能とは、特定ユーザ/アプリのフローのみを抽出して指定されたポート宛にミラーリングする機能。大量のデータの中から必要なデータのみを抽出して監視できるため、例えばデータセンタでのサイバー攻撃監視や、ネットワークフォレンジックスの実現が容易になる。

大容量のデータセンタ等に最適なポート構成（AX3660S-48XT4QW）

　44ポートの10GBase-T対応しており、メタリックケーブルによるサーバとの10ギガビット接続が可能だ。
また、大容量のバックボーンネットワークに対応する、40ギガビット/100ギガビットのポートを用意している。

企業等のコアネットワークに向けたコストパフォーマンスを実現。
（AX3660S-24T4XW）（AX3660S-48T4XW）

　同社従来機種と比べて収容条件の強化。スマートデバイス等のモバイル端末の利用増加に対応するため、収容条件を強化（ARPエントリ数：最大3万、MACエントリ数：最大20万等）している。
　また1ギガビットインタフェースの多ポートモデルでVXLANをサポートしているので、企業内のデータセンタ等で、ローコストでVXLAN環境の構築が可能だ。