NECの西日本フラグシップデータセンタ「NEC神戸データセンター」を開設
データセンタ/LAN 無料 NECは、西日本のフラグシップデータセンタとして「NEC神戸データセンター」を4月21日に開設した。
新データセンタは、地震、水害、停電、ネットワーク障害などへの優れた耐災害性、NECの世界No.1顔認証技術を用いた入退場管理、監視カメラと行動検知技術を組み合わせた不審者の侵入防止などにより、安全・安心な環境を提供する。また、気化熱の原理を応用したNECの冷却技術「相変化冷却ユニット」のクラウドサーバルーム壁面全体への適用、自然エネルギー(外気・太陽光・地下冷気)の活用など総合的な省エネルギー対策を施し、PUEは西日本トップクラスの1.18(設計値)を実現した。
データセンタ内は、クラウド+ハウジングのハイブリッド環境により、既存システムからの移行、クラウドとの共存にも対応可能だ。さらに複数のクラウドへの柔軟なアクセスと統合運用管理により、遊佐の事業継続性向上や運用の効率化に貢献する。
耐震性、高度なセキュリティや高いエネルギー効率(PUE 1.18)を実現
建物は、兵庫県神戸市の堅牢な地盤上にあり、耐震性に優れた免震構造を採用している。また、非常時の給油ルートも確保しやすい立地と72時間無給油運転可能な電源設備により、地震、水害、停電、ネットワーク障害などへの優れた耐災害性と安定稼働を実現している。
セキュリティ対策では、世界No.1の認証精度を有する顔認証技術を用いて、カメラを意識することなくスムーズに入退場が可能な顔認証システムを採用し入室にかかる時間を約50%短縮、利便性と安全性を両立している。外周部分に対しては監視カメラと行動検知システムを組み合わせることにより、従来の赤外線センサーだけでは困難であった、人物による不審な挙動を自動検知し、事故(インシデント)発生を未然に防止する。
新データセンタは、総合的な省エネルギー化によりPUEは西日本トップクラスの 1.18(設計値)を実現。クラウドサーバルームには、気化熱の原理を応用したNECの冷却技術「相変化冷却ユニット」を壁一面に適用した。他の空調方式の改善と合わせて冷却効率を最大40%向上している。また、外気を利用したフリークリング、太陽光発電、蓄電システム、地下冷気活用など自然エネルギーも積極的に活用している。
柔軟で効率的なハイブリッドクラウド対応
新データセンタは、クラウドサービスとハウジングサービスをLAN(レイヤー2接続)による高速接続が利用可能なハイブリッドデータセンタであり、ユーザの既存システム移行、クラウドとの共存にも柔軟に対応できる。ネットワークにはSDN(Software-Defined Networking)を採用し、構成変更の容易化、運用の効率化を図っている。
また、ユーザ拠点からの多様なWAN接続手段(専用線、IP-VPNなど)に加え、NECの主要データセンタを異なるキャリア回線の冗長構成で接続する「NECデータセンター間ネットワーク」により、回線提供からネットワーク機器までを一括提供する。複雑なネットワーク設計や監視設定が不要となり、ユーザの初期投資と作業負荷を軽減する。
さらに他社クラウドとの閉域網接続を短期間に構築、NECによる監視・運用を低コストで提供するNEC パブリッククラウド接続サービスによりハイブリッドクラウドにおけるセキュアで柔軟な利用環境を提供する。
運用・監視に関しては、西日本にある統合ITサービスマネジメントセンタから高い専門性を持つ要員が24時間365日実施する。このセンタは東日本にある同センタとの相互バックアップにより、災害時にも事業継続が可能な体制をとっている。さらに統合運用サービス(NEC Remote Infrastructure Management サービス)の提供により、このデータセンタとオンプレミスのユーザシステムや他社のクラウドも含めた総合的な運用効率化を支援するという。
東西ディザスタ・リカバリをはじめとするクラウドサービスの強化
「NEC神戸データセンター」からのクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」は6月末から提供開始予定。「NEC神戸データセンター」と「NEC神奈川データセンター」間ではディザスタ・リカバリ(DR)環境を安価に構築できるサービスを提供します。「NECデータセンター」間ネットワークを介してデータを転送し、災害発生時にはバックアップ側のシステムを素早く復元可能だ。ユーザは、これらのサービスを利用することにより、初期投資を抑え、事業の拡大に合わせて事業継続性を向上できる。また、NEC Cloud IaaSの強化として、異なるセグメントの仮想LAN間接続、複数テナントを持つ場合のテナント間LAN接続を迅速かつ低コストで実現する仮想ルータサービスを提供している(2016年3月開始)。今後は、仮想サーバや物理サーバのラインナップ拡充、PaaS領域の強化などにより、ユーザの基幹システム(SoR:Systems of Record)や新ビジネス創造に有効なシステム(SoE:Systems of Engagement)へのクラウド活用促進を図るという。