シスコ、ハイブリッド クラウドの導入を迅速化する新たなデータセンタ イノベーションを発表
データセンタ/LAN 無料 シスコシステムズ合同会社は4月11日、ハイパーコンバージド インフラストラクチャ、データセンタネットワーキング、ハイブリッド クラウド オーケストレーションの3つの主要領域でデータセンタ テクノロジーのイノベーションを発表した。これにより、アプリケーション セントリックなハイブリッド クラウドの導入が可能になる。
シスコは、ハイパーコンバージド インフラストラクチャに新たなアーキテクチャアプローチを提供する「Cisco HyperFlex™システム」を発表。これは、Cisco Unified Computing System(UCS)プラットフォーム上に構築・提供される。Cisco HyperFlexシステムは、広範なエンタープライズ アプリケーション領域を対象として、ネットワーク、コンピューティング、ストレージをポリシーベースで取り扱うことができ、設定の自動化、作業を簡略化する。マイクロサービス、コンテナ、新しいアプリケーション、クラウドに対して、従来のサーバ・ストレージの組み合わせソリューションでは、今日のIT環境に必要なパフォーマンス、柔軟性、オペレーションのシンプルさが大幅に制限されていたが、Cisco HyperFlexはそれを解消する。これにより、シスコのソフトウェア デファインド インフラストラクチャのポートフォリオが拡張され、UCSがコンピューティングに、ACI(Application Centric Infrastructure)とSDNソリューションがネットワークに、そして今回のHyperFlexがストレージに対応する。
今回の発表は、2016年にシスコが展開する多数のハードウェアとソフトウェア イノベーションの最初のものだという。同社は「これらのイノベーションの目的は、セキュアで高度に合理化され、拡張性とコスト効率に優れたデータセンタの実現によってお客様がビジネスのスピードに適合でき、ハイブリッド クラウド環境の採用を加速させることだ」としている。
Cisco HyperFlex™システム
Cisco UCSテクノロジーをベースとするCisco HyperFlex™システムは、技術イノベーションを通して、業界初となる完全にエンドツーエンドのハイパーコンバージド ソリューションを実現する次世代のハイパーコンバージド インフラストラクチャを提供する。HyperFlexポートフォリオは、世界各国に50,000社以上のユーザを持つシスコのUCSインフラを通じて、コンバージド インフラストラクチャ ビジネスを拡大していく。HyperFlexシリーズは、エンタープライズ アプリケーションをデータセンタ内に導入しているユーザをはじめ、リモートのオフィスや拠点にも理想的なプラットフォームを形成できる。ハイパーコンバージド インフラストラクチャは、今後3~4年間に数十億ドル規模の産業に成長することが見込まれている。
HyperFlexがユーザに提供する主なメリットは次のとおり。
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・数分間レベルで(数日間ではなく)プラグアンドプレイで設定ができ、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ容量それぞれのリソースに対して柔軟に適応でき、独立した拡張が可能
・最大80%のデータ使用量削減率を実現する、常時オンのインライン重複排除とインライン圧縮機能、迅速なデータクローン作成と無停止でのスナップショット作成などの強力なデータ管理サービス
・TCOの30%削減と競合ソリューションより最大40%高いパフォーマンスの実現を目指しゼロから開発され、ハイパーコンバージェンスをより広範囲のエンタープライズ ワークロードに拡張
新しいスイッチング プラットフォーム
また、シスコは、業界をリードする価格帯でクラウドスケールの次世代Cisco Nexusスイッチを発表した。シスコのASICイノベーションが投入された次世代スイッチにより、ユーザは今日の10/40Gbpsネットワークと同等のコストで25/50/100Gbpsに移行できるようになり、帯域幅も最大10倍に拡大される。
新しいスイッチング プラットフォームは、分散コンテナとマイクロサービスに求められる拡張性、テレメトリ、セキュリティ、パフォーマンスだけでなく、IPストレージとハイパーコンバージド インフラストラクチャに求められるロスレス トラフィックも提供する。
新しいNexus 9000スイッチの主な機能は次のとおり。
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・25%高いノンブロッキング パフォーマンスを備えた業界をリードする100Gbpsのパフォーマンス、優れた安定性、消費電力を類似ソリューションの50%減のコストで実現
・広範囲のNetFlowを使ったネットワーク セキュリティとファブリック全体のトラブルシューティングを可能にする100Gワイヤーレートでのリアルタイム ネットワーク テレメトリ
・IPアドレスとエンドポイントをクラウド スケールで最大10倍に拡張し、ラックあたり100万以上のコンテナをサポート
・適応型の帯域と輻輳制御を備えた独自のクラウド サービスにより、単一ユニファイド ファブリック上のIPストレージ、ハイパーコンバージドとコンバージド インフラストラクチャのロスレス トラフィックをサポートし、従来の競合プラットフォームとの比較で50%高速なアプリケーション完了時間を実現
・ハイパーコンバージド インフラストラクチャ、マイクロサービスとコンテナをベースとしたアプリケーションへの移行を可能にするクラウドの経済性による将来への対応
クラウド スケールのサービスと経済性
シスコのハードウェアとソフトウェア イノベーションは、現在そして将来のビジネス ニーズに対応するためにハイブリッド クラウド環境の採用を迅速化するIT部門を支援する。
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・クラウド スケール:1/10/25/40/50/100Gbpsのスピード、最大10倍のIPアドレス、エンドポイント数、ラック当たり100万コンテナのサポート
・クラウド サービス:ハイパーコンバージド インフラストラクチャ、リアルタイム テレメトリ、インテリジェント バッファによるロスレス トラフィック、50%高速なアプリケーション完了時間、あらゆるパケット、あらゆるフロー、あらゆるスピードの可視性
・クラウドの経済性:10Gbpsのコストでの25Gbps、40Gbpsのコストでの100Gbpsによって実現される投資の保護と将来への対応