シスコが、企業のAI導入を加速するプラグアンドプレイのAIソリューションを発表
DX/IoT/AI 無料企業のAI需要の変化に対応する、適応性とスケーラビリティに優れたNVIDIAと共同開発の新ソリューション
シスコは11月28日、NVIDIA アクセラレーテッド コンピューティングによりGPU負荷の高いAIワークロードに特化した AIサーバ ファミリ、およびAIインフラストラクチャへの投資をシンプルにしてリスクを取り除くAI PODsをデータセンタ インフラストラクチャ ポートフォリオに新たに追加することを発表した。これにより組織は、シスコの業界屈指のネットワーク機能を活用し、適応性とスケーラビリティに優れた方法でAIを導入できるようになる。
シスコの最高プロダクト責任者であるジーツ・パテル(Jeetu Patel)氏は「企業のお客様はAIワークロードの展開を迫られており、特にエージェント型のワークフローへの移行が進み、AIが単独で問題を解決するようになりつつある今、そのプレッシャーはさらに如実になっている。当社のAI PODsやGPUサーバなどのイノベーションは、こういったワークロードのセキュリティ、コンプライアンス、処理能力を強化し、推論からトレーニングまでお客様のAIジャーニーを支援する」とコメントを出している。
AIが指数関数的スピードで成長し、データセンタ要件が変化する中、スケーラブルで持続性があり、プログラム可能で安全なネットワークの需要が高まっている。マッキンゼー社の調査によると、生成AIによって世界経済生産高は年間2.6〜4.4兆ドル増加し、企業が価値創造の最前線に立つと予想されている。一方、「Cisco AI Readiness Index(AI成熟度指標)」によると、IT担当者の89%が今後2年以内にAIワークロードの展開を計画しているものの、自社のインフラストラクチャがすでにAIに対応していると回答した組織はわずか14%だった。
シスコは「AI導入の障壁を取り除く シスコの新たなソリューションでは、お客様の現状を問わず、AI導入を加速するために必要なインフラストラクチャの構成要素を提供する。このようなイノベーションによりお客様の既存インフラストラクチャを拡張することで、複雑化を回避しつつ、成長とイノベーションを促進できる。新たなソリューションは、コントロールと自動化を一元化できるCisco Intersightによって管理され、設定から日々の業務まですべてをシンプルにすることができる」と説明している。
新たなソリューションは次のとおり。
AI時代に対応するアクセラレーテッド コンピューティング:シスコはUCS AIコンピューティング ポートフォリオに、GPU負荷の高いAIワークロードに特化したUCS C885A M8 サーバを新たに追加する。この高密度サーバは、NVIDIA H100およびH200 Tensor コア GPUを搭載したNVIDIA HGX スーパー コンピューティング プラットフォームを活用することで、不可の高いAIトレーニングおよび推論ワークロードに対応する。各サーバにはAIネットワークパフォーマンスを高めるNVIDIA NICまたはSuperNICに加えて、GPUのデータアクセスを高速化し、堅牢なゼロトラストセキュリティを実現するNVIDIA BlueField-3 DPUを搭載している。これはシスコのAI専用サーバーポートフォリオの初となる製品であり、NVIDIA HGXプラットフォームを基盤として構築された初の8-Way アクセラレーテッド コンピューティング システムだ。
プラグアンドプレイのAIインフラストラクチャ:シスコは、特定のAIユースケースや業界向けに特化したインフラストラクチャ スタック AI PODsを導入する。コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、クラウド管理を組み合わせることで、スケーラビリティと効率性が向上する。Cisco Validated Design(CVD)を基盤として構築されたAI PODsは、顧客にとって確実な出発点となり、顧客の特定のニーズに応じて容易に適応することができる。あらかじめサイズや構成が決定されたインフラストラクチャ バンドルにより、エッジでの推論からNVIDIA アクセラレーテッド コンピューティングによる大規模クラスタまで、AI推論ソリューションの展開から不確定な要素が排除される。このソリューションには、エンド・ツー・エンドのクラウドネイティブなソフトウェア プラットフォームのNVIDIA AI Enterpriseが含まれ、データサイエンスのパイプラインを高速化し、AIの開発および展開を合理化できる。これは、AIプロジェクトにおける価値創出までの時間の短縮、一貫したパフォーマンスの確保、リスクの軽減につながる。
最近シスコがリリースした、Cisco Silicon One G200チップ搭載の800G Nexus スイッチプラットフォームや、最近発表したNVIDIAと共同開発のCisco Nexus HyperFabric AI クラスタソリューションなど、シスコのAIおよびデータセンタ インフラストラクチャの広範なポートフォリオに、これらの新たなソリューションが加わる。
AIエコシステムをパートナーとともに構築
シスコは「シスコのお客様やパートナーは変化と進化を続けるAI市場への対応を続けており、シスコは業界全体でイノベーションと成長を推進するべく取り組んでいる。シスコのネットワーク、セキュリティ、オブザーバビリティの強みを最大限に活用し、AI活用に向けたお客様固有のジャーニーを尊重することで、シスコはパートナーとともに本物のビジネス価値をお客様に提供する」としている。
NVIDIAのエンタープライズ プラットフォーム担当バイスプレジデントであるボブ・ペティ(Bob Pette)氏は、「インテリジェントな生成AIアプリケーションの新時代に入り、世界中の企業が改革を推進しています。シスコはAI専用サーバのポートフォリオ、AI PODsを新たに発表し、システムファミリをフルスタックのNVIDIA アクセラレーテッド コンピューティングおよびソフトウェアで拡張することで、企業がAIの時代に成長の基盤として活用できるインフラストラクチャを進化させています」
PresidioのCTOであるロブ・キム(Rob Kim)氏は「AIはビジネスの進め方を根底から変えつつありますが、アクセラレーテッド コンピューティングの負荷に対応するには、堅牢なインフラストラクチャのみが提供できるスケーリングが求められる。当社は、お客様にとってAIの導入と管理を容易にするシスコの取り組みに期待を寄せている。シスコの新たなソリューションにより、Presidioはお客様の既存のインフラストラクチャに適合する、展開と管理の容易な新たなソリューションを提供し、お客様のAIジャーニーに最適なインフラストラクチャを届けることができる」とコメントを出している。
CDWのインテグレーテッド テクノロジー ソリューション担当 SVPであるコーナー・ワッデル(Conor Waddell)氏は「多くのお客様がビジネスにおけるAIの役割やAIテクノロジーの効果的な活用方法を模索する中、シスコの新たなプラットフォームはまたとないタイミングでリリースされる。CDWはシスコの新たなAIのインフラストラクチャおよびセキュリティ プラットフォームにより、両社共通のお客様のビジネスの成果を安全に推進できることを非常に嬉しく思っている」とコメントを出している。
World Wide Technologyのクラウド・インフラストラクチャ・AI ソリューション担当 VPであるニール・アンダーソン(Neil Anderson)氏は「当社が認識しているお客様の課題の1つに、AIインフラストラクチャ スタックの複雑さがある。数多くの選択肢が存在し、テクノロジーは目まぐるしく進歩する。シスコのAI PODsなどのソリューションにより、お客様はAI導入を簡素化および加速し、自社組織で目指すAIの成果に集中できるようになる。WWTはシスコと協力してCisco AI PODsを当社のAI Proving Ground Labで紹介し、双方のお客様のAIジャーニーを後押しできることを非常に嬉しく思っている」とコメントを出している。
提供時期
•Cisco UCS C885A M8は現在注文を受け付けており、今年末までに顧客に出荷される予定だ。
•Cisco AI PODsは2024年11月より受注を開始した。
•これらの製品については各種支払いソリューションを利用できる。これにより、パートナーが貸借対照表の負債を引き下げ、顧客の信用リスクや支払いリスクを軽減し、キャッシュフローと収益性を改善できるよう支援する。