Cisco XDR導入により、 ランサムウェア等の脅威の早期検知を実現

　シスコシステムズ（以下、シスコ）と前橋赤十字病院、ユニアデックスは9月13日、前橋赤十字病院のネットワークセキュリティ対策、および病院によるSOC（Security Operations Center）実現に向けて連携し、今回、Cisco XDRの採用を決定したことを発表した。製品の導入は12月末を予定。

　昨今、国内外の医療機関に対するランサムウェア攻撃が頻発し、データ保護と防御、攻撃をされた際の早期検知が喫緊の課題となっている。病院内は電子カルテネットワークといった閉鎖的なネットワーク、情報を扱うインターネット、また患者向けのWi-Fi等、様々なネットワークが併存しており、管理においても防御においても複雑な状況で、効果的な対策を取る難しさも抱えている。

　前橋赤十字病院は、2023年度にバックアップソリューションのCohesityアプライアンス（Cisco Unified Computing System）を導入する等、IT分野で先駆的な取り組みを行ってきたが、脅威検知に対応しきれぬ課題があり、他ソリューションとの連携が求められていた。
　そこで今回、Cisco XDRに含まれるNDR(Network Detection and Response)機能やCohesityをCisco XDRを介して連携することにより、ひとつのソリューションで網羅できなかったセキュリティ対策の強化と、運用自動化の実現をめざすという。

　XDRではBuild inされたNDR機能により脅威侵入を早期に検知することができ、さらにCohesityと連携することでランサムウェア被害時に実効性のある対策や自動化が可能になる。Cisco XDRを用いることで、インシデントを可視化し、対処することができる。
　三機関は「前橋赤十字病院内の、Cohesityをはじめとするバックアップソリューションおよび既存セキュリティシステムとXDRを統合することで、セキュリティ人材不足に対応しながらセキュリティ運用の高度化に取り組んでいく。今回の導入ではCisco XDRに新たに搭載される予定のAIアシスタンスを活用して運用の効率化にも取り組む予定で、運用のAI化も今後検討していく。そして、病院によるSOC実現に向けて協業していく」とコメントを出している。

　シスコシステムズの執行役員 セキュリティ事業統括である石原 洋平氏は「シスコは、前橋赤十字病院様がシスコのセキュリティソリューション『Cisco XDR』を導入いただいたことを大変嬉しく思っている。デジタル化が進む中、医療業界に限らず、すべての企業・組織にとってセキュリティ対策の見直しは喫緊の課題となっている。シスコは、あらゆる脅威から皆さまのビジネスを守るため、ユニアデックス様をはじめとするパートナー企業の皆さまと連携し、日本社会および企業におけるセキュアなデジタル化実現に貢献していく」とコメントを出している。

　前橋赤十字病院の事務部情報システム課長である市根井 栄治氏は「最近、ニュースで『ランサムウェアによるサービスの停止』が大きく取り上げられるようになり、サイバー攻撃に関しては多くの方が認知されていると思う。事実として、警察庁の『サイバー空間をめぐる脅威の情勢等』ではランサムウェア被害は高い水準で推移していることが示されている。当院にとって、患者の診療情報を守ることはもちろん、『赤十字が動く』、すなわち医療を止めないことは重要な使命であり、そのためには強固なセキュリティ対策基盤は必要不可欠だ。Cisco XDRは世界最大規模のセキュリティ研究機関のひとつである『Cisco Talos』の頭脳を持ち、サイバー攻撃を早期に検知し、対策を実行するための最善解だと確信している。シスコシステムズ様とユニアデックス様の高い技術力に背中を預け、更なる『みんなにとってやさしい、頼りになる病院』をめざして、安全で高度な医療を提供できるよう邁進していく」とコメントを出している。

　ユニアデックスのマーケティングコミュニケーション本部長である抜井 健二氏は「前橋赤十字病院様のセキュリティ課題の解決を『Cisco XDR』で実現できることを嬉しく思っている。サイバー攻撃が日々高度化・巧妙化していく中、サイバーセキュリティ対策は多くの企業で最重要課題となっている。ユニアデックスは、これからも『Cisco XDR』をはじめとする多くのシスコのセキュリティソリューションと当社の技術力・サポート力を組み合わせ、シスコシステムズ様とともにセキュリティ課題の解決へ取り組んでいく」とコメントを出している。