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NTTイノベーティブデバイスが、コンパクトな1U筐体一つで非圧縮映像の長距離伝送とPTP同期を可能とする、400G ZR/ZR+対応 光パケットスイッチポンダを発売

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 NTTイノベーティブデバイスは6月12日、Media over IP(SMPTE ST 2110)のメディア同期と長距離・大容量伝送(400G ZR/ZR+)に対応した、光パケットスイッチポンダ『MediaRouterX V2』を6月から発売すると発表した。
 同社は「MediaRouterX V2を対向にしてお使いいただくことで、10チャネル超の同期したHD・4K等の非圧縮映像を用いたリモートプロダクションが可能となる」と説明している。

 今回、NTTイノベーティブデバイスは、QSFP56-DDポートを有し、同社DSPを搭載した400G ZR/ZR+コヒーレント光トランシーバを搭載可能な、最先端のセルサイトルータのPTP機能を、Media over IP(SMPTE ST 2110)のメディア同期で使用されるSMPTE ST 2059-2プロファイルに対応させた。
 同装置は、奥行き約30cmとコンパクトな1U筐体一つで、光トランスポンダ、L2/L3ルーティング機能、Media over IPのPTP同期信号の提供を実現する。本装置にGNSS/GPSアンテナを接続することで、GNSSリファレンスのSMPTE 2059-2プロファイルのPTP同期信号の生成も、同一筐体内で可能となっている。また、10チャネル超のHD・4K等の非圧縮映像の伝送にも余裕のあるスイッチング容量(800Gbps)を有している。本装置のSFP28ポートにST 2110に対応した複数台の映像機器を接続し、400G ZR/ZR+コヒーレント光トランシーバを用いて数十km離れたスタジアムとスタジオとをつなぐことで、リモートプロダクションを実現する。
 同社は「ダークファイバ利用やお客様自営回線の利用、および将来のAPNの普及等により、現在は圧縮が主流の映像伝送において、今後拡大していくと考えられるリモートプロダクション、遠隔医療、遠隔の建機操作といった低遅延の非圧縮映像伝送が求められる利用シーンに対応した製品となっている」と説明している。

新旧比較

構成例。スタジアム等で開催されるイベント会場にMediaRouterX V2を持ち込み、SMPTE ST 2110対応のカメラ等の機器を接続。GNSSアンテナを接続して、SMPTE ST 2059-2プロファイルのPTP同期信号を生成して分配し、複数台のカメラを同期。スタジアムと遠隔の放送局のスタジオとを400G ZR/ZR+で直結して、リモート制作を実現。

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