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古河電工が、世界初CPO用100mW光出力×16チャンネルブラインドメイト型外部光源を開発。ハウジング温度55℃において、光出力100mWを全チャンネルで達成

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 古河電工は3月27日、ハイパースケール データセンタやエッジ データセンタにおける次世代CPOネットワークスイッチ装置の実現に向け、ブラインドメイト光コネクタを内蔵した16チャンネルの外部光源を世界で初めて開発しました。

背景
 クラウドサービスや5Gなどの新しい情報通信サービスや生成AIおよびMLの進展により、全世界のデータ量は毎年約30%増加しており、ハイパースケール データセンタやエッジ データセンタにおける高速なデータ処理や電力消費量が大きな課題となっている。これらのデータセンタにおいては、ネットワークスイッチ装置が大きな役割を果たし、広帯域化と消費電力の改善を可能とするCPO(Co-Packaged Optics)を用いた次世代のネットワークスイッチ装置内の導入が期待されている。
 CPO外部光源には、多チャンネルで高い光出力特性とアイセイフティの担保が求められており、2023年8月にOIF(Optical Internetworking Forum)が発行したCPO用の外部光源の仕様であるELSFP(External Laser Small Form Factor Pluggable)IA(Implementation Agreement)においても、光接続を電気接続と同じ面に配置し、筐体の外に光が出力されないブラインドメイト光コネクタを内蔵した構造を採用している。チャンネル数は最大で16となっており、ハウジング内部にはTOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)や偏波保持ファイバ、光コネクタ、制御回路を、それぞれの特性を劣化させることなく高密度に実装することが必要となる。

内容
 今回開発された16チャンネルブラインドメイト型外部光源には、古河電工の高出力DFBレーザ素子と光学部品を高密度に実装した8チャンネルTOSAを2台搭載している(図1、2)。8チャンネルTOSAのサイズは22.5 mm(長さ)×13.0 mm(幅)×3.3 mm(厚み)と小さく、TOSAの偏波保持ファイバは曲げ損失や偏波消光比の劣化なくハウジングに収納できるようにMTコネクタまでの長さを短く調整している。同製品の駆動特性は、ハウジング温度範囲25℃~55℃において、全チャンネルで100mW以上の光出力特性と、20dB以上の偏波消光比を達成しているという。
 古河電工は「本製品は本年4月以降にサンプル出荷を開始し、2025年度以降に量産を開始する予定だ」としている。

 同製品は、OFC 2024(エキシビション3月26日〜28日:サンディエゴ)にて展示されている。
 古河電工は「当社は、CPOの導入に必要な外部光源の提供を通して、引き続き、大容量情報通信と高効率エネルギー社会の実現に貢献していく」としている。

図1:小型8チャンネルTOSA

図2:CPO用16チャンネル ブラインドメイト型外部光源

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