60GHzミリ波無線通信モジュールをローカル5G通信システムのバックホールに適用し、有効性を実証【フジクラ】
DX/IoT/AI 無料フジクラは12月7日、国土交通省主催「遠隔施工等実演会(施工DX チャレンジ2023)」で、エイビットに60GHzミリ波無線通信モジュールを搭載した無線装置(以下、屋外評価キット)を提供し、高信頼ローカル5G通信システムのバックホールとして適用したデモンストレーションで、その有効性が実証されたと発表した。
・国土交通省主催「遠隔施工等実演会」で、エイビット社の高信頼ローカル5G通信システムに無線バックホールとして屋外評価キットを提供。
・同キットに搭載する60GHzミリ波無線通信モジュールは長距離・大容量・低遅延通信が特長(通信距離500mで1Gbps以上、遅延時間はミリ秒オーダー)
・建設作業機器のデモンストレーションで、バックホールとしての有効性を実証。
同実演会は、建設技術の高度化を目指して国土交通省が主催したもので、11月20日から茨城県つくば市の建設DX実験フィールドで実施されたものとなる。
今回、フジクラは60GHzミリ波無線通信モジュールを搭載した屋外評価キットをエイビットに提供し、ローカル5G基地局と基幹ネットワークをつなぐ無線バックホールとして使用された。
デモンストレーションでは、ローカル5G基地局と屋外評価キットによって、高信頼かつ低遅延の‘切れない無線環境’が構築され、これらを介した映像伝送により、遠隔地からの建設機器の操作がスムーズに行われた。
同デモにより、長距離・大容量・低遅延通信を特長とするフジクラの60GHzミリ波無線通信モジュールが、ローカル5G通信システムの無線バックホールとして有効に機能することが実証された。
従来、ローカル5G通信システムの構築には、バックホール用に新たな光ファイバ回線の布設工事などが必要だが、無線接続を適用することで、大幅なコスト削減を実現できる。
フジクラは「ローカル5G通信システムでは、超高速、高信頼・低遅延、多数同時接続をユーザごとに最適な条件で設定でき、DXを活用した地域社会の課題解決に欠かせないツールとしても期待されていることから、当社は今後も、本モジュールの提供を通じて、ローカル5G通信システムの普及拡大に貢献していく」と説明している。
60GHzミリ波無線通信モジュール
60GHz帯で高速無線通信を実現する「高利得フェーズドアレイアンテナ」を用いた装置組込み型で、小型のミリ波無線通信モジュールだ。無線プロトコル処理(ベースバンド)機能とアンテナ含むRF回路機能を一体化したコンパクトな設計となっている。
同モジュールは、「自動ビームフォーミング、500mの距離で1Gbps以上のスループット、ミリ秒オーダーの低遅延」と言う世界トップレベルの性能と、認証機関による技術基準適合証明(技適証明)を取得した状態で出荷されることを特長としている。技適証明をあらかじめ取得した同モジュールを組み込むことで、60GHz帯を利用する通信・産業機器の開発を短期間・低コストで行うことが可能となる。