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新型クラッド調心融着接続機の販売開始【フジクラ】

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 フジクラは7月11日、新型クラッド調心融着接続機『45S』を新たに開発し、8月から販売を開始すると発表した。

 同社は「本製品に付属される単心ストリッパ『SS05』、および光ファイバカッタ『CT50』と組み合わせて使用することで、光ファイバの融着接続作業時間を従来機と比較して30%短縮した」と説明している。
 主なポイントは次の通り。
・融着接続作業前に必要な2本の光ファイバの前処理を一度の動作で2本同時に行えるよう改良し、融着接続作業時間は従来機比30%短縮

・モニタの角度調整機能、脱着バッテリ、拡張トレイ等、使い勝手も向上

・融着接続の作業効率を改善し、作業現場の人手不足解消に貢献

製品外観

 光ファイバを融着接続するには、事前に光ファイバの「被覆除去」、「切断」、「融着接続機へのセット」という作業が必要で、従来、2本の光ファイバを融着するには、それぞれの作業を1本ずつ行う必要があった。
 被覆除去用の単心ストリッパは2本同時に被覆除去するための刃構造を備え、切断用の光ファイバカッタは2本の光ファイバを固定して同時に切断する構造を採用した。
 同社は「なお、2本の光ファイバを融着接続機の左右に同時セットしようとすると、左右の手でそれぞれ光ファイバを把持しているため、融着接続機の把持部の蓋を閉める動作が行えなかった。そこで、左右の手が塞がっていても把持部の蓋が自動で閉まって光ファイバを固定する新機構を採用した」と説明している。

光ファイバの2本同時前作業

 さらに、融着接続後の光ファイバの取り出し作業時間を短縮するため、風防と光ファイバ把持部の蓋が連動して自動で開く機能を備えたほか、新設計の高速加熱器により、補強スリーブの加熱収縮時間の短縮も実現している。

同製品には角度調整可能なモニタ、着脱式バッテリパック、作業環境に応じて拡張可能な作業トレイなど、使いやすさを向上させる機能を盛り込んでいる。

 同社は「従来機で好評をいただいた放電条件の自動制御を行う“ACTIVE FUSION CONTROL TECHNOLOGY”、および無線通信で光ファイバカッタ切断刃の状態を管理する機能“ACTIVE BLADE MANAGEMENT TECHNOLOGY”を引き続き搭載し、安定した低損失接続により融着接続のやり直しを低減する。これにより、本製品は融着接続時の作業効率を改善し、作業現場の人手不足の解消に貢献する」と説明しており、「高度情報化社会の発展に向け、世界中で光ファイバ網の構築に期待が高まるなか、当社は今後も高速情報インフラの整備に貢献していく」との考えを示している。