NECは10月18日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州(以下 NSW州)通信省が新設する5Gイノベーションラボ向けに、5G Open RANおよび5Gコアを提供すると発表した。
　NECは「本ラボにおいて、NSW州通信省による、5Gに関する新技術の適用および機器の相互接続性検証、警察・消防などの公安機関が使う緊急時モバイル通信(PSMB:Public Safety Mobile Broadband)の活用検討を推進する」としている。

　NECは、オーストラリアをはじめ世界中の通信事業者のミッションクリティカルな通信サービスに対し、革新的で信頼性の高いキャリアグレードのソリューションを提供してきた。またNECとNSW州通信省は、長期にわたる戦略的パートナーであり、ワイヤレスバックホールのソリューションを提供している。

　今回NECは同ラボ向けに、NECのOpen RANに準拠した5G vCU/vDU、O-RU(Open-Radio Unit)、パブリッククラウド(AWS)上で動作するクラウドネイティブでコンテナ化された5Gコア、ローカル分散型UPF(ユーザプレーン機能)およびシステム全体の設計と構築を担うシステムインテグレーションを提供する。

　NECの5G戦略&事業統括部長である松田 尚久氏は「NECは、NSW州通信省の戦略的パートナーとして、Open RANとクラウドネイティブな5Gコアを組み合わせた価値を提供できることを光栄に思っている。これらの技術が持つ可能性は無限大だ。今回の取り組みを通じて、NSW州通信省による最新のOpen RANとクラウドネイティブ5Gコアの検証と、NSW州政府の『パブリッククラウドファースト』ポリシーにもとづくクラウド活用の可能性の追求に貢献する。また、実用的で効果的なPSMBのユースケースを構築することで、公安機関による緊急時のコミュニケーション手段の確立と状況認識の向上に貢献する」としており、「今後、5G中心の時代に移行する中で、NSW州通信省とのパートナーシップをもとに、オーストラリアのデジタル格差に対処し、最先端の5Gイノベーションを推進できることを楽しみにしている」とコメントを出している。