シスコシステムズ（以下、シスコ）は3月29日、自宅やオフィスといったあらゆる場所から仕事をするハイブリッドワークを支援するために設計された新たなイノベーションについて発表した。

　この2年間、あらゆる規模の企業において、大規模なデジタル化によってITの計画と運用が一変し、プライベートクラウドとパブリッククラウドを接続するハイブリットクラウド、人工知能（AI）や機械学習（ML）を駆使したIoTの導入、すべての人やモノをセキュアに接続するハイブリッドワークへの対応に迫られた。
　シスコは「ハイブリッドワークを成功させるためには、リモートワークをサポートする機能だけでなく、変化に適応する能力が必要だ。そして、そのすべての原動力となるのが、信頼性の高いミッションクリティカルなネットワークだ」との見解を示している。

ハイブリッドワークを支えるネットワーク

　ハイブリッドワークの世界において、企業、学校、政府機関の業務の生産性を高めるためには、ネットワークが不可欠だ。人々は柔軟かつ自由に働ける環境を求めているため、組織はデジタルテクノロジーの運用を迅速に拡張し、「Work From Anywhere」（場所に縛られない働き方）を実現するために欠かせないネットワークを確保する必要がある。
　ハイブリッドワークを機能させるために、組織はテクノロジーの活用を根本から変えなければならない。より多くの場所でより多くの人とデバイスを接続するためには、強度と耐障害性に優れたユビキタス ワイヤレス ネットワークと、途切れることなく常に最高のエクスペリエンスを提供する信頼性の高いゼロトラスト セキュリティが必要だ。
　シスコは「お客様がより良いユーザ エクスペリエンスとスマートで持続可能なワークプレイスを実現し、オフィス全体で大規模なIoT設備のセキュリティを確保するために、シスコの最新の技術イノベーションは極めて重要だ」としている。

　シスコのエンタープライズ ネットワーキング、クラウド担当 エグゼクティブ バイス プレジデント 兼 ゼネラルマネージャーであるトッド・ナイチンゲール（Todd Nightingale）氏は「ハイブリッドワークは、ネットワークがなければうまくいかない。ネットワークには、従業員の能力を高める機能がある。Silicon Oneを使用したシスコの新たなテクノロジーは、チームが変化に適応し続けるために必要なかつてないパワー、信頼性、そして何より俊敏性を備えた、ハイブリッドワークの実現を後押しする」とコメントを出している。

　今回発表された新たなワイヤレス ネットワーク テクノロジーとアクセスイノベーションは、次のとおり。

Wi-Fi 6E（Cisco Catalyst 9136 および Cisco Meraki MR57）：Wi-Fi 6Eテクノロジーは、容量を拡張し、ギガビットを上回るパフォーマンスをもたらす。Cisco Catalystシリーズや Cisco Merakiの新たなWi-Fi 6E対応製品は、最も要求の厳しいハイブリッドビジネス環境をサポートする業界最高峰のハイエンド6Eアクセスポイントだ。

Cisco Private 5G：シスコは、世界中のサービスプロバイダーやテクノロジーパートナーと協力し、ローカル5Gのマネージドサービスを提供する。Cisco Private 5Gは既存・将来的なWi-Fiのバージョンの対応を含めて企業ネットワークに統合され、シンプルな運用を可能にするだけでなく、Wi-Fiと5Gのポリシーおよびアイデンティティ管理を一つの管理ポータルから可視化することが可能だ。簡単な導入と直感的な操作によって、ハイブリッドワークやIoTへのDX推進に信頼できるワイヤレス環境を提供する。

Cisco Catalyst 9000X スイッチ：新たなCisco Catalyst 9000Xモデルにより、スイッチシリーズが拡充される。この製品は、100G/400Gネットワークアクセスをサポートするために必要な速度、帯域幅、通信容量を備えており、ゼロトラスト セキュリティと優れた電力効率によってハイブリッドワークに対応したオフィスへのアップデートや事業所の拡張を後押しする。

Cisco Catalyst スイッチシリーズへの Cisco Silicon One の導入：Cisco Silicon One は、もともとウェブスケールネットワークやサービス プロバイダ ネットワークに導入されており、優れた機能とプログラミングの柔軟性によって企業ネットワーク全体のイノベーションをサポートできることが実証されている。Cisco Catalyst スイッチシリーズの新製品である9500Xと9600Xには、Cisco Silicon One Q200が搭載されている。